連邦公開市場委員会(FOMC)は7月下旬、9対3の賛成で政策金利の据え置きを決定した。これは約10年で最多の反対票数であり、市場はこれを強硬なメッセージと受け止め、ダウ工業平均株価は1152.46ポイント(2.18%)急落し、51594.86ポイントで取引を終えた。
この決定について、総合経済学者の呉嘉隆氏はテレビ番組『寶傑怎麼說』に出演し、FRBが「インフレ予想心理」を抑えるためにあえて強硬な姿勢を見せていると分析した。
呉氏は、「FRBが対処しているのは、インフレそのものではなく、『インフレ予想心理』だ」と指摘。市場が将来の物価上昇を予想すると、企業は価格を引き上げ、労働者は賃上げを要求し、それが実際のインフレを助長すると説明した。そのため、「インフレの源を断つには、この『予想心理』を抑える必要がある」と強調した。
さらに、インフレ予想心理を抑えるカギは「FRBのインフレに対する態度」にあると呉氏は述べた。FRBが強硬な姿勢を示せば、市場は安心し、価格決定行動が抑制され、結果としてインフレ率が低下するという。これにより、将来的に利下げの余地が生まれるというわけだ。
呉氏は、「将来利下げするために、今は強硬でなければならない」と指摘。今回のFOMCで反対票が多かったのは、まさにこの「予想心理」をコントロールするためのパフォーマンスだと解釈した。市場に「FRBはインフレを許さない」というメッセージを送ることで、将来的な利下げの道を開く戦略である。
一方で、呉氏は現在のインフレには二つの要因があると指摘した。一つは国際的な原油価格の上昇、もう一つはAIの発展によるものだ。特にAIについては、「FRB議長のワーシュ氏はAIが生産性を高め、インフレ抑制に貢献すると楽観視しているが、現実にはAIのインフラ投資が需要を押し上げ、むしろインフレを助長している」と批判した。
つまり、AIの導入初期段階では、設備投資や人材獲得の競争が激化し、コストが上昇。これが物価に反映されているというのだ。そのため、「ワーシュ氏は今、立場が難しい。実際に利上げしなくても、『口先ででも強気』を示さなければならない」と語った。
呉氏は、FRBが将来的に利下げを行うためには、まずインフレ予想心理と実際のインフレ率をコントロールする必要があると強調。そのためには、今のうちに強硬な姿勢を示すことが不可欠だと結論づけた。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:ニュース