台積電(2330)の第2四半期連結売上高は1兆2,703億8千万台湾ドルで、営業利益率は67.7%に達した。一方、台積電は米国への投資を拡大し、新たに1000億ドルを投じて4つのウエハーファブを建設する計画を発表した。これにより、米国における台積電の工場は合計で10のウエハーファブと2つの封装工場となる。

この動きについて、総合経済学者の呉嘉隆氏はテレビ番組『宝傑怎麼說』に出演し、台積電の戦略はサムスンやインテルといった競合企業を市場で「圧迫する」ものだと分析した。

一部では、台積電の米国進出が台湾の生産能力を「空洞化」するのではないかとの懸念が示されているが、呉氏はそうした見方を否定した。彼によれば、台積電は台湾国内でも生産能力を拡大しており、嘉義科学園区だけで4つの先端封装・テスト工場を建設しているという。

また、台湾はもはや生産能力が飽和状態にあり、海外に生産拠点を展開することは必然だと指摘。呉氏は「他人の土地、水、電力、人材を使う」という戦略を評価し、「台湾の空洞化」ではなく「台湾の拡張」と表現した。つまり、台湾の影響力を海外に広げ、他国が台湾に依存する構造を築くことが目的だと説明している。

台積電の米国工場建設が粗利益率を圧迫するという懸念に対して、呉氏は次のように例えた。「もしライオンに追われているなら、あなたがライオンより速く走る必要があるのか? いいえ、他の人より速ければいいのだ。」つまり、台積電の任務は「競合より速く走ること」であり、米国顧客がアリゾナ州の工場に発注することで、競合のシェアを奪えるというわけだ。

この戦略により、台積電は価格交渉力の強化とコストの顧客への転嫁が可能になると呉氏は指摘。さらに、米国進出によって価格引き上げ能力も高まると分析している。実際、成熟プロセスのチップについても価格引き上げが検討されており、コストを顧客に転嫁する動きが進んでいるという。

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