薬華薬と欧州の提携先AOP Healthの間で長年にわたる商業仲裁が続いていた。2026年4月、ドイツ・フランクフルト高等裁判所は、薬華薬が提出した仲裁裁定の取消し請求を退けた。これに対して薬華薬は、今後ドイツ連邦最高裁判所へ上告する意向を示しており、「この法的手続きは当社の既定の事業運営や成長戦略に影響しない」と強調している。

一方、本日(8日)、ウィーンで開かれたICC(国際商会)仲裁廷は、金額に関する裁定(quantum award)を下し、薬華薬が故意に契約を違反したとして、AOP Healthに対し約1.12億ユーロ(約41億円)の損害賠償を支払うよう命じた。

薬華医薬株式会社(通称:薬華薬)は2003年に設立され、台北に本社を構える。同社の設立と成長は台湾政府の資金支援や政策的支援を強く受けており、初期からの資金提供、政策指導、海外展開支援を通じて、政府との緊密な協力関係を築いてきた。薬華薬は、独自の新薬創出、臨床試験、cGMP基準による生産製造、そしてグローバルでの商業化マーケティングまでを一貫して行う、完全なバリューチェーンを持つ国際的なバイオテクノロジー企業である。台湾初の時価総額100億ドルを超えた新薬開発型企業であり、台湾のバイオ産業が国際市場に進出する際の象徴的な存在でもある。

薬華薬は2009年、自社開発の新薬Ropeg(P1101)の欧州市場における販売権をAOP Healthにライセンス供与した。その後、双方の間に臨床試験データの提供方法や契約解釈についての見解相違が生じ、2017年以降、複数回にわたりICC仲裁および法的争いが繰り広げられてきた。当初の仲裁では比較的小額の賠償が命じられていたが、その後ドイツ国内で仲裁裁定の取消し(撤仲)を求める訴訟が行われていた。

仲裁廷は、薬華薬がAOP Healthに対して不当に高い価格で製品を販売していた事実を認定した。最高で通常価格の900%もの価格を課していたという。仲裁廷の基準に基づき、2023年から2025年までの購入分の価格を検証した場合、薬華薬はAOP Healthに対してさらに約6500万ユーロの過剰徴収を行っていたことになる。この金額を、同期間にAOPが支払うべきロイヤリティと相殺しても、薬華薬は依然としてAOP Healthに対して巨額の債務を抱えていることになる。つまり、AOP Healthは薬華薬に対して未払い金を持っていない。逆に、薬華薬の方がAOP Healthに対して数億ユーロ規模の支払い義務を負っているのである。

今回の仲裁結果は、2025年2月に下された裁定の続報である。当時、ICC仲裁廷は、PharmaEssentiaが意図的に契約上の義務に違反したことを認め、AOP Healthとのライセンス契約に関連する諸請求について責任を負うべきであると判断した。その結果、薬華薬は故意の契約違反に対して、合計約1.12億ユーロ(約41億円)の損害賠償を支払うことが確定した。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:ニュース
  • 関連組織:AOP Health
  • 製品・サービス:Ropeg (P1101) / cGMP製造サービス