女優・舒淇が初めて自ら脚本と監督を務めた映画『女孩』が5日からフランス全土で公開され、フランスの映画情報サイトAllocinéで初週のメディアと観客の評価ランキングで1位を獲得した。映画に登場する象徴的な「舒淇橋」により、仏メディアはもはや侯孝賢監督の視点で見る舒淇ではなく、舒淇自身の眼を通して映し出される世界に注目している。
Allocinéはフランスを代表する大衆向け映画情報サイトで、上映スケジュールやメディアのレビュー、観客のコメントを提供しており、フランスにおける映画の評判を測る重要なプラットフォームとされている。フランスの映画館では毎週水曜日に新作が公開され、Allocinéは各作品の初週における評価点と映画評論家のレビュー数をもとに、上位3作品を特別推薦としてランキング形式で発表している。舒淇の作品『女孩』はこのランキングで、メディアと観客の初週評価でともに1位を獲得し、「重く、苦しく、美しく、繊細で、絶対に見逃してはいけない映画」と評された。
仏メディアの注目は「舒淇橋」に集中している。台湾映画に詳しい仏メディアにとって、舒淇は国際的に有名な監督・侯孝賢の常連女優であり、両者の関係は非常に密接とされている。評論では、舒淇の『女孩』と侯孝賢の『千禧曼波』の両方に登場する「舒淇橋」を、舒淇が侯孝賢に敬意を表したものと捉える声が多い。一方で、カメラの視点がここに移り、舒淇はもはや他人の視線や投影の対象となる憂いを帯びた女性ではなく、女性の物語を語る監督としての立場を確立している。
仏メディアの報道は、舒淇が女優として『千禧曼波』の「舒淇橋」での振り返りシーンで、象徴的な演技を残し、世界的な女優としての地位を確立したことを振り返る。監督としての彼女は、『女孩』の中で「舒淇橋」を再利用し、異なる女優たちを通じて、社会的束縛に対する閉塞感を表現していると紹介している。
さらに、『女孩』の物語が暴力を描いていながらも、舒淇は光と影を巧みに使い、逃避と移動の感覚を生み出し、自由への渇望と普遍的な物語を語ろうとする野心を見せていると評価されている。
仏メディアが『女孩』のスタイルを称賛 トラウマを抱える少女の視点から描く
『ル・モンド』(Le Monde)は4/5の評価を与え、「女孩」の最も印象的な点として、侯孝賢の影響が物語の一部や演出に確かに感じられるものの、それによって舒淇自身の独自性が覆い隠されることはない、と評している。
解放報(Libération)も4/5の評価を与え、「女孩」はスタイルが厳格で、まるで観客が外を観察できる「ネズミの穴」に隠れているかのような感覚を提供すると評した。安全な場所から世界を凝視し、過去の記憶を明らかにする体験ができるという。
この報道は、「女孩」と、アメリカの女優・クリステン・スチュワートが初監督を務めた作品『ウォーターのクロノロジー』(The Chronology of Water)を比較し、両作品ともに自身が経験したトラウマのある幼少期の記憶を出発点とし、稀有な「少女の視点」で物語を語っていると紹介している。
フランス観客が『女孩』を「繊細でセンチメンタルではない」と評価 家庭内暴力のトラウマが話題に
ネットユーザーDirect-actu.frは3.5/5の評価を与え、「生きている人間の方が幽霊より怖い」という主人公少女の台詞が忘れられないとし、映画が描く家庭内暴力とそのトラウマが世代を超えて伝わる可能性があると指摘。思春期の少女がその連鎖を断ち切り、解放される鍵となる存在だと評した。また、台湾は異国情緒的な背景ではなく、リアルな空間として描かれているとも述べた。
ユーザーYves G.とChristian RZはともに3/5の評価を与え、全編の雰囲気は重苦しいが繊細でセンチメンタルではないと評価。主人公の少女の演技が優れているとした一方で、両親のキャラクター描写がやや薄く、上映時間ももう少し短く編集すればより洗練された作品になったと指摘。次回作に期待を寄せている。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
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