外資メディア『エコノミスト』は昨日(11日)、台湾の政治情勢と両岸関係に関する最新の論評を発表した。この論評は冒頭から衝撃的な問いを投げかける。「習近平は台湾を手中に収めるために、どれだけの若者を犠牲にしてもよいと考えているのか?」と。記事は、台湾が30年間にわたって築き上げてきた多党制の民主主義こそが、中国による併合を抑止する最強の「政治的抑止力」であると指摘する。北京が台湾の民主的自由を抑圧しようとすれば、その行動は世界中から注目され、台湾を掌握するためのコストが大幅に上昇するだろうと述べている。しかし、2024年の総統選挙後の与野党の対立構造によって、この誇るべき自由制度が「内部からの裏切り」に遭っていると厳しく批判している。

21万台の無人機調達が停滞! 藍と緑の対立が憲法的危機を招く

記事は、2024年に民進党が政権を握り、国民党が立法院を支配するようになって以降、台湾の政治は無限ループの対立状態に陥っていると分析している。政府が計画していた21万台の空中および海上無人機の調達案件が、予算をめぐる争いで遅延しており、最早でも来年まで実施が見送られているという。その他にも予算が凍結され、憲法裁判所の人事情報が承認されないなど、政府の機能が事実上停止している状態だと報じている。

与野党双方に責任! 頼清徳の頑なな姿勢と国民党の親中路線が焦点に

『エコノミスト』は単一の視点に偏らず、総統の頼清徳に対しても「前総統の蔡英文のように、野党の穏健派と積極的に対話する姿勢が欠けている」と、態度の頑なさを批判している。一方で、国民党とその同盟勢力が、対米軍事購入予算や憲法裁判所の人事案を阻害していることにも言及。党主席の鄭麗文が「米国に頼るべきではなく、中国との関係を強化すべきだ」と主張している立場は、緑営(民進党側)を怒らせていると指摘している。さらに、ある国民党の大物幹部が内輪で「民進党関連企業がこの予算を獲得することを恐れており、中国に投資している国民党寄りの企業は国防契約を受けることをためらっている」と明かしているとも報じている。

ソーシャルメディアが中国の統戦工作に? 若年層が民主主義への信頼を喪失

国防政策の停滞に加え、記事は中国が親中のソーシャルメディアを通じて台湾の若者に影響を与え、台湾の民主主義を「混乱と無秩序」として描き出すことで、若者の政治離れを助長していると警告している。最後に「分断し、それから征服せよ」という重い言葉で締めくくり、「外部の人間よりも台湾の政治家自身が台湾の民主主義を大切にしていない。この自由な制度こそが北京の支配コストを高めるはずの武器だったが、今やそれが内部から裏切られているのは恥ずべきことだ」と厳しく断じている。

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  • 出典:PR Times
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