年金について考えるとき、多くの台湾人は「少なくとも15年は加入しないともらえない」と思いがちです。そのため、過去に国民年金にわずか数年しか加入していない人は、年金資格がほとんどないと考え、退職時に受給できないと思い込んでいます。しかし、これは労働保険と国民年金の制度を混同しているのです。

労働部労工保険局の規定によると、国民年金の老齢年金には「最低15年」という加入期間の要件は設けられていません。国民年金に一度でも加入し、保険料を納付して有効な加入年数を積み重ねていれば、65歳に達した時点で、1年3年5年といった短い年数でも、月額年金を受給することができます。では、わずか数年の加入期間では、実際にいくらもらえるのでしょうか?以下は2026年の基準による試算です。

### 国民年金は15年満了でなければならない?実はそのような要件はない

「年金は15年加入が必要」というイメージが広まった背景には、労働保険の老齢年金制度との混同があります。労工保険局は明確に、国民年金の給付資格について「加入期間の長さに関わらず、条件を満たせば給付を受けられる」と説明しています。老齢年金については、一度でも国民年金に加入し、保険料を納付して有効な年金年数を積み重ねていれば、65歳から月額年金を受給でき、15年という最低年数の要件はありません。

一方、「15年」という数字は、労働保険の老齢年金制度に由来しています。現在の規定では、労働保険の加入年数が15年以上ある場合、老齢年金として受給できます。加入年数が15年未満で退職した場合は、原則として一時金(老齢一時金)を受け取ります。ただし、65歳時点で、労働保険と国民年金の加入年数を合計して15年以上ある場合、関連規定に従えば、労働保険の老齢年金を選択して受給することも可能です。したがって、国民年金の年数が15年未満でも、65歳以降に年金をもらえないわけではありません。

### 国民年金を1年3年5年だけ加入した場合、65歳で月額いくらもらえるか?

国民年金の老齢年金の金額は、有効な国民年金年数に応じて決まります。2026年1月から、国民年金の月額保険料ベース額は19,761元から21,103元に引き上げられ、それに伴い年金給付額も調整されます。現在、国民年金の老齢年金には主にA式とB式の2つの計算方法があります。

- A式 = (月額保険料ベース額 × 国民年金年数 × 0.65%)+ 4,049元 - B式 = 月額保険料ベース額 × 国民年金年数 × 1.3%

A式の適用が法律上認められている場合は、労工保険局がA式とB式を比較し、高い方の金額を支給します。2026年の月額保険料ベース額21,103元を用いた静的試算では、以下の通りです。

| 国民年金有効年数 | A式(月額) | B式(月額) | |------------------|------------|------------| | 1年 | 約4,186元 | 約274元 | | 3年 | 約4,461元 | 約823元 | | 5年 | 約4,735元 | 約1,372元 |

したがって、1年の有効年数しかなくても、A式が適用されれば、2026年基準で月額約4,186元を受け取れます。3年であれば約4,461元、5年であれば約4,735元です。

### なぜ1年しか加入していないのに、月額4,000元以上もらえるのか?

1年しか加入していない場合、B式では月額約274元ですが、A式では4,000元を超えるのは、A式に「+4,049元」という加算があるためです。この加算により、加入年数が短い人にとってA式が非常に有利になります。労工保険局によると、A式には最低保障の設計があり、加入年数が長くなるほど給付額も増加します。給付は条件を満たした月から死亡月まで毎月支給されます。したがって、「国民年金年数が1年=月額数百円」とは限らず、A式の適用可否が大きく影響します。

### 1年加入でも4,186元もらえる人もいれば、274元の人もいるのはなぜ?

すべての被保険者がA式を適用できるわけではありません。以下の場合はB式のみが適用されます。

- 保険料の滞納があり、その期間が年金年数に算入されない場合 - 特定の社会福祉手当を受けている場合 - 他の社会保険の老齢給付をすでに受給している場合 - 労働保険の老齢年金や公的年金を受給している場合 - 64歳から65歳の間に保険料または利息の滞納があり、督促後も支払いが遅れた場合

したがって、同じ1年の国民年金年数でも、A式が適用されれば月額約4,186元、B式のみの場合は約274元となります。

### 国民年金を1年だけ加入してやめてもいいの?

1年でももらえる」という事実から、「1年だけ加入してやめよう」と考える人もいるかもしれませんが、国民年金は法定社会保険であり、加入資格がある期間は原則として自動的に加入対象となります。ここで言う1年3年5年とは、実際に積み重ねた有効な年金年数を指します。失業や転職などで一時的に国民年金に加入し、その後再就職して労働保険に切り替えた場合でも、過去の有効年数は失われません。65歳時点で国民年金に加入していなくても、一度でも加入実績があり、保険料を納付していれば、老齢年金を申請できます。

### 労働保険が15年未満の場合、国民年金年数が役立つことも

労働保険の年数が15年未満の場合でも、過去の国民年金年数が重要な役割を果たすことがあります。労働保険局の規定では、労働保険年数が15年未満で、まだ老齢給付を受給していない人が65歳に達し、労働保険と国民年金の年数を合計して15年以上ある場合、労働保険の老齢年金を年金形式で受給できる可能性があります。たとえば、労働保険12年+国民年金5年で合計17年あれば、65歳で労働保険の老齢年金を年金形式で受給できる条件を満たします。

ただし、「年数の合算」はあくまで労働保険年金の受給資格を判断するものであり、給付額はそれぞれ別々に計算されます。また、労働保険の老齢年金を受給する場合、国民年金の老齢年金はA式の適用対象外となり、原則としてB式での計算となります。つまり、国民年金年数を合算して労働保険年金を受給する一方で、A式の高額給付をそのまま適用することはできません。

### 参考資料

- 労働部労工保険局「国民年金保険はどのような給付を提供していますか?加入年数の要件はありますか?」 - 労働部労工保険局「老齢年金給付-給付額」 - 労働部労工保険局「国民年金給付額試算-老齢年金給付」 - 労働部労工保険局「どのような場合に老齢年金がA式で計算できないか?」 - 労働部労工保険局「労働保険年数が15年未満でも、国民年金年数と合算して15年以上あれば、老齢年金を受給できますか?」 - 労働部労工保険局「労働保険・国民年金老齢年金の両方に関する説明」

本記事の内容は、労働部労工保険局の公開資料に基づいて整理していますが、実際の給付資格、年数の認定、計算方法、受給額は個人の加入記録、納付状況、法規の改正により異なる場合があります。正確な受給額は労工保険局の審査および最新の発表に基づきます。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
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