近年、国際的な地政学的緊張が高まる中、アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏と中国の習近平国家主席が9月24日にワシントンで再び『トランプ・習会談』を行う前夜、台湾を巡る誤情報がネット上で広がっている。
まず、ヒラリー・クリントン元国務長官が台湾に『抵抗を放棄せよ』と呼びかけたとする動画が話題になった。しかし、事実確認プラットフォーム『MyGoPen』が9月15日に発表した調査報告によると、これは誤解である。クリントン氏は9月10日にMS NOWのインタビューで、イラク戦争やアフガニスタン戦争の教訓に触れ、アメリカがイラン戦争に巻き込まれ防御力が低下すれば、習近平氏が『台湾は支援を得られないから、抵抗をやめるだろう』と考える可能性があると語ったもの。これは習近平の心理を推測した発言であり、台湾に抵抗放棄を呼びかけたものではない。
次に、『中国が台湾への投資を停止した』とする情報も流れた。この情報は、新華社が中国当局が台湾への投資を停止すると報じたと主張し、台湾の株価下落や銀行の払い出し集中(バンクラン)を引き起こしたとされる。しかし、MyGoPenの調査によると、この動画の出所はYouTubeチャンネル『小九漫画书屋』であり、これは信頼性の低い農場チャンネルで、出所不明の映像にAI音声を合成してコンテンツを生成している。
さらに、『2026年に中国が台湾への投資を停止』という予測も出回ったが、台湾メディアや中国側の公式機関(新華社、国務院、商務部、国台弁公室など)からはそのような発表は一切ない。経済部投資審議会が発表した『中国大陸への投資統計月報』によると、2023年8月までの累計で、中国からの台湾への投資件数は15件、金額は約833.7万ドルにとどまり、前年同期比で9割以上減少しているものの、中国政府が公式に投資停止を発表した事実はない。
このように、地政学的緊張を背景に、AIを活用した誤情報が急速に拡散しており、台湾社会に不安をもたらしている。正確な情報源の確認と、メディアリテラシーの向上が急務である。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:ニュース
- 関連組織:MyGoPen