ZaPASS JAPAN 株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:足立愛樹、以下「ZaPASS」)は、コーチングサービス「ZaPASSコーチング」の申込者から役職別にランダム抽出した1,050名の事前アンケートを分析しました。その結果、「役職・役割が変わったこと」自体を申込理由に書いていたのはマネージャーの7.7%で、一般社員1.0%約8倍、事業責任者・役員2.0%約4倍にのぼりました(経営者は0件)。中途入社にはオンボーディング、新卒には研修がある一方で、昇進した人が新しい役割をどう引き受けるかを扱う場は社内になく、その空白を社外のコーチングが「駆け込み寺」として埋めている実態が見えています。

【調査結果 概要】

「役職・役割が変わったこと」自体を申込理由に書いたマネージャーは、一般社員の約8倍7.7%1.0%)。事業責任者・役員の約4倍

主要指標 — KEY FIGURES

1,050
コーチング申込者1,050名の分析
7.7%
マネージャーの7.7%
6.3%
マネージャー6.3%
52.2%
52.2%

そのうち約半数が、同じ記述の中で「自信」「不安」にも言及

役職が上がるほど、扱いたい内容の重心は「自分の進路」から「人・組織」「事業」へ移る

【調査結果 詳細】

昇進すると、社内の相談相手は減っていく

マネージャー層で有意に高かったのが「上司」への言及です。申込理由の自由記述に「上司」「上長」が現れたのは、マネージャー6.3%。一般社員2.4%、事業責任者・役員2.0%(経営者0件)で、4レイヤー中で最も高くなります。

昇進は「教わる側」から外れる出来事でもあります。上司の数は減り、同僚は評価の対象や競争相手になりやすく、部下には弱音を見せづらくなります。1on1を「する側」に固定されたとき、その人が「される側」に座る席は誰が用意するのでしょうか。マネージャーの記述には、この問いをそのまま書いたものが少なくありませんでした。社外のコーチングは、その席の代わりとして選ばれています。

《マネージャー層/相談先について書かれていたこと》

「マネージャーになり、上司が少なくなることからアドバイスをいただける機会が減った。『何になりたいの?』『お前はどうしたい?』という質問に全く回答できなくなっている自分に気付いた」(30代・マネージャー)

「プレーヤーからマネージャーへの移行がスムーズにできておらず、気軽に、かつ、定期的に相談できる人が周囲にいない」(30代・マネージャー)

「管理職となり相談できる方が限られているため、第三者の相談相手が必要」(40代・マネージャー)

「特に仕事では管理職としての立場もあり、周りに相談しづらいことや、自分一人で抱え込んでしまう場面も多く、思考がぐるぐるすることが増えてきました」(30代・マネージャー)

では、社内にその席がないのはなぜでしょうか。申込理由の記述を読むと、昇進という移行そのものが支援の対象になっていないことが見えてきます。

中途入社にはオンボーディング、新卒には研修。昇進には、辞令しかない

今回の分析結果を受けて、ZaPASSでは、新しい役割をどう引き受けるかを扱う移行期の支援を「昇進オンボーディング」と名付け、その必要性を提起します。マネジメントのスキルを教える管理職研修とは区別し、「自分はこの役割をどう担うのか」という役割認識そのものを扱う支援を指します。中途入社者には受け入れプログラムがあり、新卒には研修期間があります。これに対して昇進は、辞令と、多くの場合は数日の管理職研修で完了します。

今回の分析で最も差がついたのは、その空白を示す指標でした。申込理由の自由記述に「役職・役割が変わったこと」自体を書いていたのは、マネージャー7.7%に対し、一般社員1.0%、事業責任者・役員2.0%、経営者0件。マネージャーは一般社員の約8倍、事業責任者・役員の約4倍にあたり、対一般社員でも対事業責任者・役員でも統計的に有意な差です。コーチングの申し込み理由は「何を解決したいか」を書く方が多いですが、マネージャーにはそこに「立場が変わって戸惑っている」と書く層が一定数いるのです。

該当した23名の記述を分類すると、次の内訳になりました(重複あり)。

昇進・昇格・就任の時期を明記している:11名(「今年4月からマネージャーになった」等)

部下を育成・評価する側になったことに言及:7名

「求められるもの/役割が変わった」という表現:8名

プレイヤー・現場からの移行を明示:4名

23名のうち12名52.2%)は、同じ記述の中で「自信」「不安」にも言及している

23名のうち7名は、相談テーマとして「自分の進路」(キャリアプラン・転職・働き方)も同時に選んでいる

《マネージャー層の申込理由/自由記述/一部抜粋》

「マネージャーに昇格したため、プレイヤーから視座を上げたく、申し込みました」(20代・マネージャー)

「初めての管理職に就き、部下へのコーチングが正しくできているか不安なため」(30代・マネージャー)

「管理職となり求められることが変わったこと、自分のやりたいことを改めて棚卸しして自身のモチベーションを管理したいため」(30代・マネージャー)

「メンバー時代はある程度成果が出せていたものの、今年から新規事業部門の営業部署のマネージャーに昇格してからなかなか成果が出せずにいます。社内の意思決定のスピードが速く、一方で育成をしてもらうリソースもないため、外部のコーチングを受けて成長を早めたいと考えています」(30代・マネージャー)

前提:相談したい内容は役職によってはっきり違う

扱いたいテーマ(最大3つまで選択)を4つのテーマ群にまとめ、役職4レイヤーで比較すると、関心の重心が階段状に移っていく構造が見えます。「自分の進路」(キャリアプラン・転職・働き方)は一般社員56.2%から経営者10.0%まで一貫して下がり、入れ替わるように「事業」(経営・ビジョンの明確化)が9.4%から56.7%まで上がります。

図1:役職4レイヤー × 扱いたい内容(各テーマ群を1つ以上選んだ人の割合)

ここで注意が必要なのは、「人・組織」(マネジメント・リーダーシップ・人間関係)はマネージャー45.3%に対し事業責任者・役員48.0%と、上位層のほうがわずかに高いことです。個別に見ても「マネジメント」はマネージャー30.0%・事業責任者・役員35.0%、「リーダーシップ」は23.3%24.0%。“人を率いる悩み”を相談したいのはマネージャーだけではありません。その一方で、マネージャーは「自分の進路」42.3%と「人・組織」45.3%がほぼ並びます。一般社員(56.2%15.2%)、事業責任者・役員(27.0%48.0%)、経営者(10.0%26.0%)と比べ、2つの領域を同程度に選んでいるのは4レイヤー中マネージャーだけです(図1のオレンジ枠)。マネージャーに固有の特徴は、選択されたテーマではなく、自由記述の内容に現れていました。

同じテーマを選んでいても、マネージャーだけ書いている中身が違う

マネージャーの特徴的な指標が3つありました。

図2:マネージャーの特徴的な3つの指標(役職別)

①「役職・役割が変わったこと」自体を申込理由に書いている:マネージャー7.7%。一般社員1.0%、事業責任者・役員2.0%、経営者0件

②「自信」「不安」など自分の揺らぎに言及している:マネージャー14.3%。一般社員12.4%、事業責任者・役員5.0%、経営者6.0%。経営層になると急激に減り、プレイヤーとして評価されて昇進したはずのマネージャー層で最も高くなっています。

③「人・組織」と「自分の進路」の両方を相談テーマに選んでいる:マネージャー13.0%。一般社員4.8%、事業責任者・役員10.0%、経営者0件。“チームをどう率いるか”と“自分はどこへ行くのか”を同時に抱えているのがマネージャーです。

【参考】《同じ「マネジメント」テーマを選択している事業責任者・役員層のコメント》

「これまでマネジメントをしていて、個別事象はあったが立て続けに、かつ優秀と認めていたメンバーで起きることはなかったので、自分のマネジメントの仕方やリーダーとしてのあり方を見直すタイミングと考えています」(40代・事業責任者/役員)

「現職の執行役員というレイヤーから取締役レイヤーにマインド・行動ともに成長したいため」(30代・事業責任者/役員)

上位層は「組織の課題をどう解くか」「次のレイヤーへどう上がるか」を書きます。一方で、マネージャーが書いているのは「この役割が自分に務まるのか」でした。

社外に相談することは退職(転職)に繋がるのか

キャリア自律の支援を検討する企業からは、社外の相談先を持たせることが離職につながるのではないか、という懸念が示されることがあります。今回のデータは、これと異なる傾向を示しました。

「転職」を相談テーマに選んだ割合は、一般社員13.8%に対しマネージャー6.7%、事業責任者・役員5.0%、経営者は0件。「キャリアプラン」も43.0%35.7%22.0%6.0%と、役職が上がるほど同様に低下します。

図3:「転職」「キャリアプラン」を相談テーマに選んだ割合(役職別)

さらに、コーチングの相談テーマに「転職」を選んだマネージャー20名のうち、転職だけを選んだ人は0名でした。11名がキャリアプラン、9名が「価値観・やりたいこと・ビジョン」、6名が「人・組織」のテーマを併せて選んでいます。転職という選択肢を視野に入れながらも、相談の中心は「自分は何を大事にしたいか」「いまの役割をどう担うか」に置かれていました。

【調査背景/考察】

管理職の負担増や「管理職になりたくない」という若手の増加は、近年多くの意識調査で報告されてきました。ただ、それらの多くは「なりたいか・なりたくないか」という、役職に就く前の意識を尋ねたものです。本分析は、実際に役職に就いた人が、自らコーチングを申し込む際に何を書いたかという行動の記録であり、意識調査とは時間軸の異なるデータだと考えています。

今回の分析で分かったことは、マネージャーの困りごとが「マネジメントというテーマ」ではないということです。マネジメントを相談したい人は上位層にもいます。マネージャーに固有だったのは、①役割が変わったこと自体への戸惑いを言葉にしていること、②その半数が同じ記述の中で自信や不安に触れていること、③「人・組織」と「自分の進路」を同時に抱えたまま走っていること、そして④上司への言及が4レイヤーで最も高いことでした。

昇進は、求められる仕事が変わる時期であると同時に、教わる相手を失いやすい時期でもあります。これは個人の資質の問題ではなく、移行期の支援設計の問題です。中途入社にオンボーディングがあり、新卒に研修があるように、昇進にも「新しい役割をどう引き受けるか」を扱う時間を設計できるか。これが本分析から見える論点です。

【パーソナルコーチング事業部 事業責任者 大久保亮佑のコメント】

今回の分析で改めて感じたのは、昇進には昇進のオンボーディングが要る、ということでした。

受講前の面談でマネージャーの方から出てくるのは、初めて部下を評価する側になって戸惑っている、現場でやってきたやり方が通じないといった具体的な話で、スキルが足りないという相談ではありません。「この役割を自分が担うのか」を、まだ引き受けきれていないのだと思います。

それが個人差ではないことが、今回のデータで確認できました。中途入社には受け入れプログラムがあり、新卒には研修期間があります。ただ、昇進にだけは、新しい役割をどう引き受けるかを扱う時間が多くありません。その空白を、マネージャー層は社外に探しに来ているのだと思います。

必要なのは「マネージャー向けの正解」ではなく、評価と関係のない場所で自分の言葉にしていく時間です。ZaPASSは、個人が相談できる場と、企業が昇進時に用意できる仕組みの両方を持っています。昇進オンボーディングを、中途入社のオンボーディングと同じくらい当たり前にしていきたいです。

【ZaPASSコーチングのご案内】

ビジネスパーソン向けコーチングサービス「ZaPASSコーチング」(https://zapass.co/coaching)では、ビジネス経験豊富なコーチによる1on1コーチングを提供しています。コーチングを受ける前には無料の事前面談を実施しており、状況をお伺いした上で最適なコーチや活用方法をご提案します。

また、法人向けには管理職支援・育成プログラムを含む「ZaPASS for Enterprise」(https://zapass.co/business-coaching)を提供しています。

【調査概要】

調査名  :ZaPASSコーチング 申込時 事前アンケート

調査対象 :「ZaPASSコーチング」に申し込み、事前アンケートで役職を回答した方から、役職の4区分(一般社員〈メンバー/プレイヤー〉/マネージャー/事業責任者・役員/経営者)ごとにランダムに抽出

有効回答数:1,050名(一般社員500名/マネージャー300名/事業責任者・役員100名/経営者150名。全体の平均年齢34.3歳、20代27.7%・30代50.2%・40代20.3%・50代以上1.7%

調査期間 :2024年4月〜2026年7月

調査方法 :申込時のWebアンケート(選択式および自由記述)

調査機関 :ZaPASS JAPAN 株式会社(自社調査)

手法   :役職4区分のクロス集計、および自由記述のキーワード分析

調査結果の引用時のお願い

※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。

例:「『ZaPASS JAPAN』の調査によると」「『ZaPASS JAPAN』調べ」など

【ZaPASS JAPANについて】

ZaPASS JAPAN 株式会社は、「自分らしく笑える大人と、未来が楽しみな子どものために。」というビジョンを掲げ、国内最大級のコーチングプラットフォームとAIソリューションを提供しています。個人向けのコーチングサービス、国際機関からも認定を受けたプロコーチを養成するスクール、組織風土改善やエンゲージメント・生産性向上に寄与する管理職の内省・意思決定・行動を促進する法人向けプロフェッショナルコーチングサービスを展開するほか、AIを活用したコーチングプロダクトの開発・提供も行っています。

【会社概要】

会社名  :ZaPASS JAPAN 株式会社

代表取締役:足立 愛樹

設立   :2019年2月

事業内容 :コーチングプラットフォーム事業、コーチングアカデミー事業、法人向けコーチング事業・AIソリューション事業

本店   :東京都千代田区平河町2-5-3 MIDORI.so Nagatacho

URL   :https://zapass.co/

【本件に関する問い合わせ先】

ZaPASS JAPAN 株式会社 広報担当

Mail:[email protected]

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:調査分析
  • 関連組織:ZaPASS