アナログ・テック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:長山 大路)は、欧州発のAI半導体スタートアップ Axelera AI(アクセレラエーアイ)が開発した先進的なAIプロセッサ「Metis® AIPU」を搭載したコンパクトAI PC「AIR-AD-AI-001」を、自社のエッジAIコンピューティングシリーズ「AironiA(アイロニア)」の新モデルとして発売します。当社は、Axelera AIの先進的なAIプロセッサ『Metis® AIPU』を自社製品に採用し、コンパクトAI PCとして日本市場へ提供してまいります。
背景|エッジAIを阻む「メモリウォール問題」と、GPUの電力・コストの壁
製造ラインの外観検査、多拠点の監視カメラ、デジタルサイネージ――AIを「クラウドではなく現場(オンプレミス)で動かしたい」というニーズが急速に高まっています。しかし、従来のGPUを使ったエッジAIには大きな課題がありました。
AI推論処理で最も多く行われる「行列-ベクトル積」演算では、大量のデータをDRAMと演算ユニットの間で何度も往復させる必要があります。このデータ移動が性能と消費電力のボトルネックとなる現象は『メモリウォール問題』と呼ばれ、エッジに求められる「小型・低消費電力・高性能」の同時実現を阻んできました。
解決策|メモリ内で直接演算するD-IMCアーキテクチャ
Axelera AIの「Metis® AIPU」は、独自のD-IMC(Digital In-Memory Computing)アーキテクチャを採用し、この課題を根本から解決します。AI推論の主要演算を、メモリと演算ユニットの間で往復させるのではなく、メモリセル内部で直接実行。データ移動を最小化することで、大幅な低消費電力化と高スループット化を同時に達成しました。
これにより「AIR-AD-AI-001」は、214 TOPSのAI推論性能を、AI推論部(Metis® AIPU)の消費電力をわずか8〜15Wで実現。約5リットルの省スペース筐体に凝縮しました。
AIR-AD-AI-001 の主な特長
●214 TOPSを5リットルの筐体に|業界最高水準のコスト効率: 優れたコスト効率を実現するエッジAI推論を、コンパクト筐体で実現。エッジAI推論を、幅200×奥行250×高さ95mm・質量1.9kgのコンパクト筐体で実現。VESA規格に対応し、壁掛け・ディスプレイ背面・ラック内など多様な設置に対応します。
●最大24チャンネルの映像をリアルタイムAI解析: YOLOv5使用時、単一ユニットで最大24チャンネルの映像ストリームを同時にリアルタイム処理(条件により変動)。多カメラ外観検査・広域監視・多拠点サイネージなど、映像AI活用のスケールを大幅に拡張します。クラウドへのデータ送信が不要なため、プライバシー保護と低遅延を両立します。
●超低消費電力でランニングコストを現場レベルに: AIPUアクセラレータの消費電力はわずか8〜15W。データセンターのGPUサーバーと比べて大幅に低いランニングコストでAI推論を継続稼働でき、クラウドAPIの従量課金も不要です。
●既存AIモデルをそのままデプロイ|Voyager® SDK対応: PyTorch・TensorFlow・ONNXで構築した学習済みモデルをそのままMetis® AIPUに最適化・デプロイ可能。既存のAIモデル資産を活かしながら、高性能なエッジ推論環境へ移行できます。
主な用途・ユースケース
・製造・品質検査:ラインカメラ多チャンネル映像のリアルタイム外観検査、目視検査の自動化 ・セキュリティ・監視:オンプレミスでの多カメラ人物・行動検知(個人情報を外部送信せずAI処理) ・デジタルサイネージ:来客属性推定とコンテンツ動的切替、低消費電力で常時稼働 ・スマートシティ:交通量カウント・混雑モニタリング ・ロボティクス:産業用ロボットへの視覚AI組み込み ・PoC・開発基盤:AIスタートアップ・研究機関のプロトタイプ環境(GPU代替として低コスト・低消費電力)
AxeleraAI(アクセレラエーアイ)について
Axelera AIは、2021年にオランダで設立されたAI半導体スタートアップです。Bitfuryグループと世界最高水準のマイクロエレクトロニクス研究機関imecのインキュベーションから生まれ、「AIの民主化(AI democratization)」を使命に、エッジ向けの高性能・超低消費電力AIアクセラレータを開発しています。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:新製品
- 関連組織:アナログ・テック株式会社 / Axelera AI / Bitfuryグループ
- 製品・サービス:AIR-AD-AI-001 / Metis® AIPU