国立大学法人岡山大学の研究機器共用体制・整備等強化促進に関するタスクフォースは、2026年5月7日に「中四国・播磨ヘリウムリサイクル事業ネットワーク(通称:中四国・播磨HeReNet)」の連携機関である大型放射光施設SPring-8(兵庫県佐用郡佐用町)を訪問し、本事業を推進すべく、非弾性・核共鳴散乱ビームライン(BL35XU)からヘリウムガスの回収(フェーズ1)を実施しました。本学からは総合技術部の浦上久幸技術専門員、廣田聡技術専門職員、安藤晴菜技術職員と研究協力課の山﨑秀顕専門員、友定良太主任が参加しました。また、SPring-8からは高輝度光科学研究センターの池本夕佳利用推進部次長兼主席研究員、永澤延元研究員、池端宏之主査らが参加しました。SPring-8には、岡山大学が事前にヘリウムガス回収用ガスバッグ(1㎥)10個を納品、BL35XUで使用された超伝導マグネットとホースによる接続をユーザー実験後に行い、その後、永澤研究員らが約3日かけてBL35XUからヘリウムガスの回収作業を行いました。ガスバッグ2個ずつ回収をし、満タンになると、次のガスバッグ2個にホースをつなぎ替える作業を行い、ガスバッグ10個への回収を行いました。当日は本学参加者等が回収用圧縮機を使い、ガスバッグに溜まったヘリウムガスをガスボンベに圧縮回収する作業を実施しました。作業は約1時間で完了し約10㎥のヘリウムガスを回収することに成功し、回収されたヘリウムガスは、当日、本学津島キャンパスに運搬しました。今回は、中四国・播磨HeReNetにおいて、これまで対象としてきた核磁気共鳴装置(NMR)以外の装置からヘリウムを回収する初の試みとなりました。永澤研究員は、「ヘリウムは限りある資源であるため、本プロジェクトの進展によりヘリウムの有効利用・安定供給の実現を期待している」と述べました。本学は、開かれた地域中核・特色ある研究大学として「中四国・播磨HeReNet」および「HeliGet」を通じて、学内のみならず近隣の大学や研究機関、高等専門学校、企業等に液体ヘリウムを供給することで、液体ヘリウムを用いた研究・開発の裾野を大きく拡げることを目指しています。またヘリウムは100%海外に依存しているため、本取り組みは経済安全保障の点からも極めて重要です。さらに本学では、次世代のヘリウムユーザーの育成およびヘリウム価格の安定化を目的とした、ヘリウム関連の人材育成プログラム「HeliSET」の開発も進めており、「HeReNet」、「HeliGet」、「HeliSET」を一体の取り組みとして、「”He3”(スリー)プロジェクト」として今後も推進していきます。引き続き、地域中核・特色ある研究大学:岡山大学と参画機関らが進めるわが国の研究力向上・イノベーション創出強化、そして経済安全保障の枠組みにおける重要な取り組みへの挑戦にどうぞご期待ください。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:research_initiative
- 関連組織:高輝度光科学研究センター