研究開発成果のポイント - 異なるユーザによる量子プログラムを、システムが自動で並列実行する「量子マルチプログラミング(オートモード)」機能を開発しました。 - システムがジョブキューの中から自動で最適な組み合わせを選出することで、量子チップの空き領域の有効活用を実現します。 - 待ち時間を大幅に短縮し、大阪大学QIQBが運用する量子コンピュータ・クラウドサービスの利用効率を最大化します。 - オープンソースの量子コンピュータ基本ソフトウェア「OQTOPUS」に実装し、関係機関へ順次提供を開始します。
概要 大阪大学量子情報・量子生命研究センター(QIQB)の森俊夫特任研究員らのグループは、量子コンピュータ・クラウドサービスにおいて、異なるユーザーの量子プログラムを自動的に並列実行する「量子マルチプログラミング(オートモード)」機能を開発・提供開始しました。
本成果により、クラウド上の順番待ち(ジョブキュー)にある複数のユーザーのジョブを、システムが自動で選び出し、利用可能な量子ビットに割り当てて並列実行することが可能になりました。これは、従来の手動方式を大幅に改善したものです。混雑緩和に貢献し、貴重な量子ビット資源の「遊び」を最小限に抑えることで、国産量子コンピュータの稼働効率を向上させます。
アルゴリズムによるオートモードの実現 今回開発したオートモードでは、数学的アプローチによる最適化を行っています。 1. グラフ理論による最適配置:量子回路と量子チップの構造を「グラフ」と捉え、複数の回路をパズルのように当てはめる判定アルゴリズムを実装しました。 2. 物理制約の自動解決:ハードウェア特有の制約を考慮し、システムが自動的に量子回路を変換(トランスパイル)します。 3. 公平性を考慮したジョブ優先度制御:ジョブキューの先頭から並列実行可能な組み合わせを探し、効率的な並列化を実現しています。
社会への影響 検証の結果、小規模な量子回路を想定した場合、スループットが約3.76倍に向上することを確認しました。今後、量子チップのビット数が増加するにつれて、さらなる効率向上が期待されます。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:新製品
- 関連組織:株式会社セック
- 製品・サービス:量子マルチプログラミング(オートモード) / OQTOPUS