要旨 厚生労働省は令和6年5月および9月に、プベルル酸について「動物実験で腎障害が確認された」と公表したが、その前提となる証拠の収去手続き・検体受領記録・根拠文書が確認できない。 複数の公的機関への情報公開請求の結果、原因特定の根拠となる文書は一切存在しないことが確認された。 これは単なる手続きの不備ではなく、行政判断の根拠を検証する前提条件が満たされていない可能性がある。
公表の事実(争いのない前提) 令和6年5月28日および9月18日、厚生労働省はプベルル酸について「動物実験で腎障害が確認された」と公表した。 この発表は、大臣会見・報道等を通じ、社会的には原因物質に関する発表として広く受け止められた。 ● 武見厚労大臣の記者会見 ● NHK・共同通信などの報道 また、厚労省担当者も「公表した事実」自体は否定していない。
しかし、証拠手続きが存在しない 行政が証拠を扱う際には、通常、誰が・いつ・どこから取得したかを記録する。 通常、行政が食品を証拠として扱う場合、食品衛生法第28条に基づく収去等により、試料の由来・管理過程を記録することが一般的である。 しかし本件では、その起点情報が確認できない。 しかし、以下の事実が公文書により確認されている。
【確認された3つの事実】 確認された事実 根拠公文書 1. 大阪市保健所は収去を実施していない 大大保8562号 2. 厚労省には検体の受領記録・決裁文書が存在しない 厚労省発健生0805第2号 3. それにもかかわらず「原因物質」として公表された 9月18日公表資料・大臣会見
構造的矛盾 これらは以下の重大な矛盾を生む。 ● 収去されていない ● 受領記録が存在しない ● それでも原因物質が特定・公表された すなわち、証拠の由来が行政記録上存在しない。
検証不能なブラックボックス この状態では、以下の基本事項が説明不能となる。 ● 検体はいつ・どこから入手されたのか ● 誰が管理し、どの過程で分析されたのか ● 第三者検証の独立性はどのように担保されたのか
本件は、プベルル酸の毒性の有無という科学的論点とは独立している。 すなわち、「どの検体に基づいて行政判断が行われたのか」という証拠管理の問題である。 通常、行政調査においては試料のトレーサビリティが記録されるが、本件ではその起点情報が確認できない状態にある。 これは科学の問題である以前に、証拠管理の問題である。
全関係機関で「文書不存在」 以下は、原因物質特定の根拠文書の有無について、関係機関に対して行った情報公開請求の結果である。 原因物質特定の根拠について、以下の5機関に情報公開請求を実施した。 機関 回答文書番号(回答日) 回答 厚生労働省 厚労省発健生0919第2号(令7.9.19) 厚労省発健生0805第2号(令7.8.5) 文書不存在 国立医薬品食品衛生研究所 衛研発第0926001号(令7.9.26) 衛研発第0306002号(令8.3.6) 文書不存在 大阪市保健所 大大保第8033号(令8.4.20) 文書不存在 農林水産省 8消安第236号(令8.4.21) 文書不存在 消費者庁 消食基第187号・消食表第319号 消安全第184号(令8.4.20〜21) 文書不存在
原因物質の特定に関わる核心文書が、関係機関すべてにおいて存在しないことが確認された。
結論 収去なし、受領記録なし、根拠文書なし。 それでも原因物質が特定され、公表された。
問い 本件において確認されていない事項は次のとおりである。 ・検体はどこから取得されたのか ・誰がどの手続きで受領したのか ・行政判断に用いられた根拠は何か
これらが説明されない限り、当該判断の検証は不可能である。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
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