2026年8月28日 日本銀行

氷見野副総裁記者会見 ――2026年8月27日(木)午後2時から約35分 於 さいたま市

主要指標 — KEY FIGURES

2%
基調的な物価上昇率が 2%に近づいている
5,000万人
1 時間以内に 5,000 万人に辿りつける都市

(問) 地元の関係で二点ほど、冒頭お伺いしたいと思います。まず、今日出席されていま した埼玉県の関係者の皆さまからどのような意見があったか、主なものをご紹介頂 ければと思います。もう一点、埼玉の経済についてどのようにご覧になっているか、 ご見解を頂ければと思います。

(答) 二つ関係しますのでまとめてお答えさせて頂ければと思います。今日、大変いろん なお話を伺いまして、非常に貴重な機会だったと思います。全部紹介できませんが、 印象の強かった点について申し上げますと、一つは、本社の流入増が全国一である とか、あるいは中小企業団体の方でも会員企業が増えているとか、あるいは自治体 によっては若年人口の社会的な流入がプラスであるとか、非常に日本の各都道府県 の中では恵まれている印象を私は受けました。ただ、それは、交通網の利便性、こ れも七つの新幹線のうち六つが来ているとか、今日伺った話では、1 時間以内に 5,000 万人に辿りつける都市というのは世界に六つしかなくて、その一つがさいた ま[市]であるというお話も聞いたんですけれども、そういう交通網の利便性だけで はなくて、様々な取り組みの成果なんだということもよく分かりました。例えば、 そういう交通の要衝からかなり離れた自治体、町でも、スタートアップ支援で人口 の社会増があるとか、そういったようなお話も聞きました。それが非常に印象に残 りました。そのうえで、足元の課題として一番聞かれたのが二点でありまして、一 つは資材、原材料、エネルギーの確保と価格の話、もう一つは人手不足の話だった わけですけれども、資材、原材料の話は、入手自体はもうあまり問題なくできるよ うになっていて、価格の問題、価格転嫁ということなわけですけれども、この価格 転嫁については、有名な価格転嫁の埼玉モデルというのを取り組んでおられるわけ ですが、価格転嫁交渉に使えるアプリというのを県で作っておられるんですが、そ のアプリに使われている中心的なデータの一つは、わが日本銀行の作成している統 計であるというお話も聞いて、大変心強く思ったわけですけれども、そうした価格 転嫁についての取り組み、更に人手不足についても、いろんなマッチングの仕組み、 更には新卒の学生さんが自分の適性をAⅠに聞くとどんなところでインターンがで きるか分かるとか、いろんな取り組みをされておられるということで、大変素晴ら しいなというふうに思いました。こういった取り組みの成果が発揮されて、埼玉県 経済が更に発展していかれることを祈念しているところでございます。また、日本 銀行に対しましては、金融政策の運営に当たっては、全国の平均の統計だけではな くて地域の現場の声も幅広く拾いながら考えていってほしいという話ですとか、あ るいは政策意図に関する丁寧なコミュニケーションに努めてほしいとか、そうした ご指摘を頂いたところです。

1 (問) 市場では、早ければ 9 月に追加利上げに踏み切るとの見方が広がっております。副 総裁はこうした市場の観測をどのように受け止めているでしょうか。

また、利上げのペースについて、これまでは半年に一度程度との見方が強かったわ けですが、最近ではより加速するとの見方も出ております。利上げペースを加速さ せる必要について副総裁はどのようにお考えでしょうか。

(答) 市場における利上げの織り込み度合いは、最近も、例えば原油の価格が変わったと ころでまたいったん少し変わったりとか、いろんな変化があるわけですけれども、 市場の評価について直接具体的にコメントすることは差し控えたいと思います。

そのうえで、ご質問のありました利上げのタイミングとかペースにつきましては、 中東情勢やAⅠ関連需要の拡大、為替相場の変動の影響を含め、経済・物価の中心 的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら検討していきたいというふうに 考えております。特に、現状、基調的な物価上昇率が 2%に近づいていることを踏 まえますと、これまで以上に物価の上振れリスクを意識する必要があると考えてお りまして、こうした基本的な考え方に立って、経済・物価・金融情勢を点検しなが ら、毎回の決定会合において、しっかり議論してまいりたいと考えております。

(問) 今の質問にも関連するんですけれど、利上げについてですね、先ほどの講演で副総 裁は、毎会合での議論というお話でしたけれど、これ毎回というのは、次の 9 月も 選択肢に入るというふうに理解していいのか、また一方で毎回というと連続利上げ もあるのかというような受け止めもできるんですけれども、今の金融政策が基本的 にビハインド・ザ・カーブにならないようにという前提だとは思うんですが、その ビハインド・ザ・カーブになる前の時点でそうした連続利上げというのは選択肢に なり得るんでしょうか。

(答) まず利上げのタイミングとペースについては、経済・物価の中心的な見通しが実現 する確度やリスクを点検しながら検討していくということに尽きるかと思いますけ れども、それを毎回の会合、これは次回会合も含めてということになりますけれど も、毎回の会合でそういった検討をしっかりしていくということに尽きるかと思い ます。

(問) 午前の講演で、今後は基調物価が 2%を超える可能性も考えながら、政策判断をし なくてはならない局面に変わってきていると、そういうふうなご発言をされました。 そうした局面に変化している中で、かつ物価の上振れリスクを意識しなければなら ない状況ということはですね、利上げに関しても従来のペースを速めたり、もしく はビハインド・ザ・カーブに陥るリスクというのが高まっているということになる

2 のか、副総裁のご見解をお願いします。

そのうえで、この局面変化によって日銀の姿勢なんですけども、よりインフレファ イター的なものになった、なりつつある、そういうふうに理解してよろしいのか、 この二点お願いします。

(答) まずビハインド・ザ・カーブかどうかということは、事後的に基調的な物価上昇率 が明らかに 2%を超えて上昇していくという事態に仮に将来なるとすれば、その時 点から振り返ってみればビハインド・ザ・カーブになっていたということになるん だろうと思いますけれども、現在、私どもは適切に政策を運営することで、うまく 2%に基調を着地させていきたいというふうに考えておりますので、それが実現でき るようなタイミング、ペースを毎回の会合でしっかり検討していくということに尽 きるかと思います。

それでインフレファイター度が高まったのかということなわけですけれども、もち ろん講演でも、これまでちゃんと物価の基調が 2[%]に向かって上がっていくのか、 定着するのかというところに注目して運営をしてきたけれども、これからはそれを 超えて上振れしていくリスクについても注意しながらやっていく必要があるという ことを申し上げたわけですけれども、それは必ずしも何か日銀の特性が変化したと いうよりは、まさに物価の基調の状況をよくみているうえで注意すべき点がそうい うふうに変わってきている、というふうに認識しているということであります。

(問) 物価上昇リスクについて、講演で三つ、円安、AI、原油高を挙げられたと思うん ですけども、このリスクの大きさみたいなのは、7 月会合と比べてですね、どの程 度変化があったのかということとですね、あとそのリスクが大きくなってくるって いうことと、これが発現している、顕在化するっていうのは、また別だと思うんで すけども、この間、その顕在化の度合いみたいなのをどうご覧になっているのかっ ていうのをまず一つお伺いしたいのと、この間に発表された経済統計、物価指標を 含めてですね、日銀としての 7 月時点の予想からどういう感じで、オントラックで 来ているのかどうなのか、その辺併せて伺えますでしょうか。

(答) 7 月の展望レポートの時点の認識と現時点の認識を比べたときに、私自身について 言いますと、大きく変化していないと。むしろ 7 月時点の見通しで考えていって大 丈夫だという確度は時間の経過とともに高まっているかもしれませんけれども、む しろ 7 月の認識を変えずに現時点でいるということであります。そのうえで、その 間に発表された経済統計ということですけれども、概ね見通し通りの統計だったわ けですけれども、GDP統計の内需が弱めだったではないかという点も気になると ころなわけですけれども、私は経済の状況についての見方を変える必要はない、主 に技術的な要因による変化だというふうに考えておりまして、例えば設備投資の数 字は私どもの短観ベースに比べると弱かったわけですけれども、実はあの実物投資 は統計上ほとんど見通し通りでありまして、一番大きな理由は、知的所有権につい

3 ての取引が海外への売却があって、それがあの統計の技術的な仕組みとしては設備 投資のマイナス要因に計上されているということでありますし、個人消費の数字も GDP統計だけみると弱めだったわけですけれども、これは例えば給食を無償化す ると、これまで個人消費だった給食が政府消費に移る、その結果、今回政府消費は すごく伸びが強まっているわけですけれども、その他の主に技術的な要因で説明で きるところでありまして。従って、経済の動きについての見方は、特に 7 月から大 きく変える必要は感じていないというところであります。

(問) 金融環境についてお伺いしたいんですけども、氷見野副総裁は挨拶の中で金融環境 を緩和した状態が維持されているというご発言をされましたけれども、植田総裁は 7 月の決定会合後の記者会見で、物価情勢をにらみながら、このままでは金融環境 が緩和的に過ぎると思えば利上げのペースを速めるということも十分あり得るとい うお話をされていました。氷見野副総裁は、金融環境の現状を緩和的に過ぎるとい うふうにお考えでいらっしゃいますでしょうかというのが一点目です。二点目です けれども、日銀が利上げしていく中でも、この金融環境というのを緩和した状態っ ていう評価を続けているわけなんですけれども、今後、金融環境を緩和した状態を 落としていくというか、金融市場で例えば株安とか円高とか金利低下につながるよ うなそういう積極的な利上げをして、ひいては基調物価を 2%に安定させていくと、 そういう手段に出る、その必要性についてはどうお考えでしょうか。

(答) 大変論点が多くて落ちていたら後でご指摘を頂ければと思いますが、一つは、7 月 の会見で、植田総裁が、物価情勢をにらみながらこのままでは金融環境が緩和的に 過ぎるというふうに思えば、利上げのペースを速めるということも十分あり得ると いうふうに申し上げていて、私も同じ考えですが、それは何か金融環境だけを単独 でとってということではなくて、いろんな影響も点検しながら物価情勢もみながら 金融環境がそれとの対比で緩和的であればということですので、ある意味利上げの ペースを速めなきゃいかん環境だと判断すれば速めるということであると私は受け 止めておりまして、ではそういう環境にあると思っているかと言われれば、タイミ ングやペースについては毎回の会合でしっかり検討してまいりたい、という以上は ちょっと申し上げられないというところになるわけですけれども、金融環境の緩和 度合いを修正するといったときに、何か金融市場にショックを与えて修正するとい うことを考える中央銀行というのは、よほどの環境でなければあまりないと思いま す。基本的には、金利というものが経済主体の判断に与える影響を通じて経済に影 響を与えていくという経路を主に考えて、何か市場に攪乱的な影響を及ぼすことを あえて意図するということではなくて、淡々と経済に金融政策が波及していくのを 期待して進めるということではないかと思います。

(問) 質問二つございまして、先ほど次回の 9 月の会合でも利上げについて検討していく というお話がございました。経済・物価の中心的な見通しが実現する確度やリスク を点検していくというお話でしたけれども、その経済・物価の中心的な見通しが具 体的にどのような状況であれば、次回 9 月の決定会合でも利上げになり得るかと、

4 その判断を具体的に教えて頂きたいのが一つと。

これまで市場では概ね半年に 1 回ぐらいのペースでの利上げを想定されており、実 際、前回 6 月の更に前は 12 月と、実際に半年ぐらいのペースで利上げ判断がされて きています。植田総裁も前回の決定会合後の記者会見で、場合によってはペースを 速めることもあり得ると。これが先ほど事後的にある時点からみれば、当時はビハ インド・ザ・カーブに陥っていたかもしれないという評価がなされるというお話で したけれども、この現時点でもそのペースが早まる可能性があるというのは、既に 市場に対して金融政策が後手に回っているという評価を現時点で下せないかってい うそこの辺りの受け止めを教えてください。

(答) 何か特定の会合で何をするかということについて申し上げることが適当とは思わな いんですけれども、毎回の会合でどういう検討の基準で判断していくかということ であれば、中東情勢、AI関連需要の拡大、為替相場の変動の影響を含め、経済・ 物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら、特に物価の上振れ リスクも意識しながら判断するという以上のことは、何かこの条件が満たされたら やるけど、これだったらやらないとか、そういうことを毎回の会合について言える かというと、現在の時点で言えることは、展望レポートに書いてあるのが、私ども の方の判断基準であるということだと思います。

あとは 7 月会合後の植田総裁の発言で、こういうふうに思えば、利上げのペースを 速めるということも十分あり得るというふうなことは、何か後手に回っているとい うことを示唆したというふうには私は受け止めておりませんで、物価情勢、金融環 境を総合的にみたうえで速める必要があると思えば速めるという、当然のことを申 し上げたということではないかなと想像しておりますが、本人に確かめたわけでは ないので、私はそう思っているということです。

(問) 二点あるんですが、いろいろみていく中で、とりわけ副総裁が今後注目している指 標等あるのか、総裁は予想インフレの上昇についてとりわけ意識しているとのご発 言でしたが、そういった点も含めて今後の注目点っていうのをお願いできればと思 います。

もう一点は、最近長期金利の上昇が世界的に起こっていて、日本の金利も、今少し 落ち着いていますが、上昇トレンドで 10 年債金利が 3%に近づく局面もありました。 こうした動きが、ある意味、ファンダメンタルズに沿ったものということなのか、 また今後日銀がバランスシートの適切なサイズを考えていくにあたって、今起きて いる長期金利の動きがどういう影響を及ぼすのか、及ぼさないのか、その辺りをお 願いします。

(答) 注目している指標は何かということで、これはある意味、7 月にみていた見通しに 概ね沿ってこれまで展開しているので、あらゆる指標をみて想定からずれている兆

5 しがないかというのは、幅広くみていくということになると思いますけれども、一 つは、三つリスクを挙げておったわけですけれども、中東情勢についてはそもそも 中東情勢の展開、足元でもいろんなことが起きておりますし、その原油価格とか、 アベイラビリティとか、そういったようなことで想定外のことが起こらないかとい うのは、これはいろんなどちらの方向にも展開があり得るわけですが、みていくよ うにしたいと思っております。二つ目がAI関連ですけれども、これは実は今日講 演でも申し上げましたけれども、経済に局地的に影響があるものなのか、あるいは 日本全体に影響があるのか、更に世界でこのAIブームがどうなっていくのかとか、 いくつか着眼点がありますので、それはぜひみていきたいというふうに思っており ます。三つ目は為替相場の動向ですけれども、これも経済・物価には影響が大きい ですので、どういう動きをしていくかというのはよくみていきたいと思いますけれ ども、だからどれがどうなったらどうするということではなくて全体に、中心的な 見通しが実現する確度を評価するうえでは、こうした点が大事ではないかなという ふうに思っているということであります。

次に、長期金利の動向についてのご質問だったと思いますけれども、これは市場が どうして動いているというところはなかなか特定できるわけではありませんけれど も、中東情勢を背景としたインフレ圧力の高まりですとか、AI関連企業による大 型の社債発行ですとか、あるいは世界各国における財政政策についての市場の見方 とか、いろんなものが背景にあるんじゃないかというのが市場参加者の人からよく 聞くところでありまして、それによって生じた世界的な金利上昇がわが国の長期金 利にも影響しているんではないかというお話を伺うことが多いような気が致します。 そのうえで、本行のバランスシートをどうしていくかというのについて、何かこの 長期金利の足元の動向が直接影響するかと言いますと、何か、現在、国債市場、長 期金利市場で機能に特段の問題がみられるというようなことでもありませんので、 基本的には既に公表している方針に沿って、粛々と進めていくということではない かと考えております。

(問) 二点伺います。まず政策金利を 1%に引き上げた前々回の 6 月会合で決定会合の議長 代行をされましたけど、そのときのちょっと議論の雰囲気を教えて頂きたいです。 特に利上げの判断に関して 6 月会合までいろいろあった局面があったんで、タイミ ングが少し遅れ気味だったのか、それとも適時のタイミング、場合によっては物価 の上振れリスクを意識した前もっての対応だったのか、その辺りを伺いたいと思い ます。

二問目は金融システム面なんですけれども、元金融庁長官というお立場だったって ことで伺いたいんですが、金利の正常化が徐々に進む中で、この夏に大阪のクレジ ット決済代行で全東信の破産がありましたが、地元以外を含めて幅広い地域金融機 関の貸出債権も明るみになっています。この事象をどうとらえていらっしゃるのか っていうのと、また、この金利ある世界におけるその金融機関の信用リスク管理を どうみられているのか、今のご見解を伺えればと思います。

(答)

6 まず 6 月(注)の決定会合の模様がどうだったかということですけれども、これについ ては定められた形で公表するということになっておりまして、特にそれで公表して いるものに追加して申し上げるということは差し控えたいと思いますけれども、遅 れ気味だという感じだったのか、前もって対応するという感じだったのかというこ とですけれども、これにつきましては、より早い会合で利上げ提案をされていた委 員の方もありますし、6 月の利上げに反対された委員の方もあったわけですので、 委員の中で様々な見方がある中で、多数は 6 月に上げるのが適切であるという議長 提案を支持されたというふうに申し上げておきたいと思います。

二つ目ですけれども、全東信の事案が金融システム全体の何か兆しみたいなものを 示しているかというと、私は必ずしもそうは受け止めておりませんで、個別の事案 として考えておりますけれども、金利ある世界における信用リスクの管理はいかに あるべきかというご質問が第二質問の後半としてあったと思います。基本的には金 利ある世界の方が利鞘は取りやすいですし、また、かつては資金需要自体が非常に 乏しかったのが、現在では資金需要は結構活発であるということ、むしろ預金の調 達の方が大変だといったようなことも含めますと、全体としては金利ある世界の方 が金融機関のビジネスモデルというのは作りやすいと、何かよほど無理をして信用 リスクを取らないと経営が成り立つ絵が描けないといったようなことではなくなっ ているというふうに思いますけれども、他方、金利のある世界というのは、ある意 味金融機関の間の競争が厳しくなるということでもありますし、変化への対応とい うのもより求められるということになりますので、金融機関の側ではリスク管理と か、経営戦略とかいろいろ努力されていくと思いますので、日本銀行と致しまして も、金融庁ともよく連携して適切なサポートに努めていきたいと考えております。

(問) まだ 9 月決定会合で何をするかとかそういったことはまだ決まっていないというこ とは理解しているんですけれども、2025 年の 1 月の利上げの前に氷見野副総裁は講 演をされて、そこでその時に利上げの是非について議論し判断するということをお っしゃっていました。ただ今日に限って言えば毎回の決定会合においてしっかり議 論していきますというコメントをされています。このコミュニケーションの違いに ついてどう市場、私達はとらえたらいいのかということがまず一点と。

あと仮に 9 月に利上げをするとすると、6 月に利上げしたことを考えると、これまで 日銀は利上げの金融システムへの影響というのはすごく注意深くみてこられたと思 います。そうすると、ちょっと 9 月ではその辺の影響についてはまだ見極めは難し いんじゃないかという見方があると思うんですけれども、その点についていかがで しょうか。

(答) 一つ目は、各回の講演で表現ぶりが違うのをどう解釈したらいいかという大変ごも っともなご質問だったと思うんですが、確か私の記憶が正しければ、25 年 1 月の講 演でも何か予告みたいなことをしてるつもりはありませんよということがはっきり 書いてあったと思いますので、あまりそこを詰めて聞かないでください、と思いま すが、毎回の決定会合においてしっかりと議論してまいりたいというふうに考えて

7 いるということに尽きるということだと思います。

利上げのペースを考えたときに金融システムへの影響を見極めるための時間が十分 取れるのかということなんですけれども、これは今日会見で申し上げたのは、経 済・物価に対する影響がピークまで待つと 1 年、2 年かかるということを申し上げま したけれども、金融システムへの影響も即時に出るものではありませんので、これ はやはりできるだけ幅広くいろんな方のご意見も聞き、指標もみて、そのうえで、 各会合の時点で、その時点で判断できるベストな予測を持ってやっていくというこ とで、何か完全情報が得られるまで一歩も踏み出さないということでやっていくと いうことではないと思います。しかも基調的な物価上昇率が 2%に近づいていると いう状況の場合は、見極めをどこまで確実にやるかということと、タイムリーに行 動しない場合にビハインドになるリスクがあるぞといういろんなことを比較しなが ら、総合的に判断していくことになるわけですけれども、そのバランスも、近づい ていることを踏まえると、そういったことも踏まえてバランスの判断をして、毎回 の決定会合でしっかり議論していく必要があるだろうというふうに考えております。

(注)会見では 1 月と発言しましたが、正しくは 6 月です。

以 上

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FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:経済