中央ニュース(中央社)ベルリン31日発。ドイツの半導体スタートアップ「Black Semiconductor」は、ドイツでも数少ない自社でチップ製造に取り組む企業の一つだ。同社はグラフェン技術を活用してチップ間のデータ転送のボトルネックを解消することを目指しており、量産まで約3年を要する見込み。工場建設にはドイツ政府から2億ユーロ(約84億台湾ドル)を超える支援を受けている。
ドイツの「ハンデルスブラット」紙によると、2020年に設立された同社は今年春から工事を開始し、アーヘンにある電気自動車部品工場を半導体クリーンルームに改築している。共同創業者兼CEOのダニエル・シャル氏は、工事が順調に進めば今年末には最初のウェハーの試験生産が可能になると述べた。
近年、ドイツは半導体産業の発展を積極的に推進しており、TSMCのドレスデン工場やインフィニオンの新工場などが建設中だが、設立わずか5年のスタートアップが自社でウェハー工場を建設するのは極めて異例だ。
報道によると、Black Semiconductorが注目しているのはAI時代に増大するデータ転送の需要だ。生成AIの急速な発展に伴い、データセンターは数千、数万のGPUを連携させて計算を行う必要があり、計算規模が大きくなるにつれ、チップ間のデータ転送効率がAIシステムの性能を左右する重要な要因となっている。
業界ではチップの微細化に加え、チップの積層や先進パッケージング技術による性能向上を図っているが、異なるチップ間のデータ交換需要は増え続けている。
Black Semiconductorは、グラフェンの優れた光伝導性と導電性を利用し、光信号でデータを転送するチップコンポーネントを開発している。従来の電子信号によるデータ交換と比較して、光信号はより長距離で大量の情報を高速に転送できる。技術が成熟すれば、AIデータセンターやスーパーコンピュータなどの高性能計算分野への応用が期待される。
ドイツの半導体スタートアップアクセラレーター「Ignite Next」のCEO、マルクス・ボール氏はハンデルスブラット紙に対し、AI産業の高速データ転送需要の増加がこの種の技術に巨大な市場機会を生むと語った。AIチップ大手のNVIDIAを例に挙げ、同社が今年すでに40億ドルを投じて関連スタートアップ2社に投資したことを指摘した。
シャルCEOはインタビューで、創業前にNVIDIAの創業者ジェンスン・フアン氏に自ら連絡を取り、技術的な助言を求めたことも明かした。フアン氏は1日以内に返信し、社内のフォトニクス技術専門家を紹介して交流を支援したという。
しかし、ハンデルスブラット紙は、グラフェンは非常に有望な新素材とされているものの、いかに安定して低コストで量産するかが、依然として世界中の研究機関や産業界が突破すべき課題であると指摘している。
計画によると、Black Semiconductorの量産まではまだ約3年かかる見通しで、今後も技術開発を進めるとともに、投資家からのさらなる資金調達が必要になる可能性がある。
現在、ドイツ連邦政府とアーヘンが位置するノルトライン=ヴェストファーレン州が約2億2900万ユーロの補助金を約束しており、ベンチャーキャピタルからの資金は約2600万ユーロとなっている。
ドイツ政府が最大の資金源であるため、地方自治体も工場の建設や行政手続きを積極的に支援しており、ドイツの半導体次世代レイアウトの重要なプロジェクトとして推進したい考えだ。(編集:唐佩君)
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- 出典:中央社 CNA
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