(中央社ベルリン15日総合外電報道)ドイツがフランスと共同で進めていた次世代戦闘機開発の「未来空中作戦システム」(FCAS)計画から離脱したことを受け、計画に参加していたドイツとスペインの企業が、自国政府に要請を強めている。すでに開発で蓄積された6次世代戦闘機技術の維持を図るためだ。
FCAS計画は2017年にフランスのマクロン大統領と当時のドイツ首相メルケル(Angela Merkel)によって共同で立ち上げられたもので、2040年ごろまでに、無人戦闘機や衛星との連携機能を備えた次世代のステルス戦闘機を開発し、フランスのラファール戦闘機や欧州のユーロファイター・タイフーン戦闘機に代わる次世代空中戦システムを構築することを目指している。スペインは2019年にこの計画に参加した。
しかし、FCAS計画は困難な道を歩んできた。戦闘機の共同開発を担うフランスのダッソー(Dassault)と、ドイツ側のエアバス(Airbus)防衛・宇宙部門の間では、主導権の所在、開発比率、技術の共有、知的財産の取り扱いなどについて長年にわたり対立が続いており、溝は埋まらなかった。その結果、ドイツ政府は2023年6月初めにFCASからの離脱を正式に発表した。
『Defense News』の報道によると、FCASに参加していたドイツの主要請負業者であるエアバス・ディフェンス・アンド・スペース社と、スペインの主要請負業者であるIndra社は、2023年6月11日にそれぞれ声明を発表し、自国の政府に対して、開発過程で得られた6次世代戦闘機技術の継続的な資金支援を求めた。
ドイツ側では、エアバス・ディフェンス・アンド・スペース社を中心に、射出座席大手のAutoflug、防衛企業のディール・ディフェンス(Diehl Defence)、レーダー・センサー大手のHensoldt、飛行制御装置や脚部装置を手がけるLiebherr、ミサイル大手のMBDA Deutschland、航空エンジンメーカーのMTU Aero Engines、軍用電子機器・通信機器のRohde & Schwarzが、「6次世代チーム」(Team Gen 6)と呼ばれる産業連合を結成している。
一方、スペイン側でも、Indra社が中心となり、エアバス・ディフェンス・アンド・スペース・スペイン、国防IT・指揮統制システムのGrupo Oesia、航空宇宙・衛星ナビゲーション大手のGMV、エンジンメーカーのITP、防衛システム企業のSenerなどが連合を組んでいる。
これらの企業は、政府が引き続き6次世代戦闘機の開発に資金を投入することを求めるとともに、資金が途絶えた場合、関連技術が「不可逆的」(irreversible)に失われる可能性があると警告している。
注目すべき点は、これらの企業が今後も国際的な開発チームの一員として関与し続けたい意向を示していることだ。これにより、今後の他の6次世代戦闘機計画への参加の道を残している。例えば、英国・イタリア・日本が共同で推進する「グローバル空中作戦計画」(GCAP)への参加や、スウェーデンの航空宇宙大手サベックス(Saab)を誘致して新たなプロジェクトを立ち上げる可能性も視野に入れている。
ドイツのペストリウス(Boris Pistorius)国防大臣は、FCAS離脱後の次世代戦闘機獲得の選択肢として、複数の可能性を示している。第一に、アメリカからF-35をさらに購入する案。第二に、英・伊・日のGCAP計画に参加する案。第三に、エアバス・ディフェンス・アンド・スペースが主導し、他の企業と連携して独自の開発プロジェクトを立ち上げる案である。(編集:陳亦偉)1150616
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:ニュース
- 関連組織:Dassault / Airbus / Indra
- 製品・サービス:軍用レーダー / 航空エンジン