日本の夏季はますます暑さを増しており、企業は働き方を見直さざるを得ない状況にある。現在、東京の夏の気温と湿度は東南アジアの都市と同等の水準に達しており、全国で高温による労働時間の損失は年間28億時間以上にのぼっている。
日経アジア(Nikkei Asia)の報道によると、熱中症の症例が増加し続ける中、働き方をどう調整し、高温が労働者に与える影響をどう軽減するかが、日本が直面する重要な課題となっている。
大阪府堺市の病院建設現場では、約100人の作業員が作業の区切りごとに休憩室へ移動し、移動式の冷房で体を冷やしながらかき氷を楽しんでいる。高温多湿の環境での作業後に、少しでも体を休めるためだ。
この工事を請け負う鴻池組(Konoike Construction)は、現場で避暑計画を導入しており、極端な高温下での作業時間を減らしつつ、全体の工数を維持することを目指している。具体的には、7月から9月にかけて毎月9日間の連続休暇を与え、気温が比較的低い10月から2つの土曜日を出勤日として設定し、工数を補填するという方法を取っている。
鴻池組の幹部、青柳吉広氏は、「夏季の作業効率は大きく低下し、職場での事故率も高いまま推移している」と指摘する。2025年には、同社の熱中症患者数が前年比で2倍に増加し、複数の現場で勤務時間の見直しが行われた。
日本の夏はますます暑くなっている。日経アジアは、米国海洋大気局(NOAA)の気象データをもとに、2020年から2025年までの都市ごとの気候を分析した結果、東京の7月および8月の最高気温と湿度が、バンコクやシンガポールなどの都市とほぼ同等の水準に達しており、2000年代および2010年代と比べて著しく高くなっていることを明らかにした。これは、首都圏が徐々に「熱帯化」していることを示している。
気候変動による生産性の低下は、経済的コストとして顕在化しつつある。英国の権威ある医学誌『ランセット』(The Lancet)が主導する国際研究では、労働強度と労働者数を考慮した結果、極端な高温と各産業の作業効率の低下との関連が確認された。
研究によると、2024年には日本の労働者1人あたり、高温により約43時間の潜在的な労働時間が失われており、これは5日以上に相当する。全国の労働者全体では28億9082万時間の損失が発生しており、2010年代の平均14億2771万時間の2倍に達している。
極端な高温の影響は日本にとどまらない。農業および建設業の労働者比率が高い中国では、2024年に1人あたり96時間の労働時間損失が発生している。
世界的には、2024年に極端な高温によって発生した潜在的な経済的損失は1兆ドルに達した。欧州では6月の致命的な熱波により、建設現場やその他の職場で作業時間の短縮や一時停止が相次いだ。
高温への対応として、各国は対策を強化している。カタールでは2021年から、夏季の午前10時から午後3時30分まで屋外作業を禁止している。また、「湿球黒球温度」(WBGT)が一定基準を超える場合は、時間帯を問わず屋外作業を禁止している。
スペインは2023年から高温下での屋外作業に関する規制を導入。韓国は2025年から、実際の体感温度に応じて雇用主が休憩時間を設けることを義務付けている。
日本も2025年に労働安全衛生関連規則を改正し、高温環境にさらされる労働者に対して予防措置を講じ、熱中症への緊急対応体制を整備するよう雇用主に求めている。しかし、政府のデータによると、2025年には労働関連の熱中症および死亡事例が1800件を超え、2年連続で過去最高を記録している。
労働者が熱中症により4日以上休んだ場合、または死亡した場合は、雇用主は法的に直ちに所轄の労働基準監督署に報告しなければならない。
製造業や小売業でも熱中症の事例が増加している。屋内作業場の暑さ対策が不十分なこと、慢性的な人手不足、高齢化が進んでいることなどが、熱中症リスクを高めている。
北九州市にある産業医科大学の堀江正知学長は、政府の統計に3日以内の休暇を取った労働者を含めれば、「熱中症患者の数はさらに1桁増えるだろう」と指摘している。
シンクタンク「日生基礎研究所」の首席アナリスト、篠原拓也氏は、暑さ対策は「人体の温度を下げる」ことから、「高温環境への暴露時間を短くする」ことに重点を移すべきだと強調する。早朝や夕方の作業への切り替え、季節に応じた勤務時間の調整、リモートワークの推進などが、必要な対策であると述べている。(編集:施施)
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- 出典:中央社 CNA
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