AFP通信によると、バンス副大統領は現地時間午前7時8分(日本時間同10時8分)、副大統領専用機「エアフォース・ツー」に搭乗し、タラップの上からパキスタン当局者らに別れを告げた。ロイター通信やCNNなどの報道によれば、バンス氏は出発前、21時間にわたるイラン側との交渉が決裂したことを明らかにした。この結果により、先月両者が合意した2週間の停戦が危機に瀕している。

バンス氏は記者団に対し、「残念ながら合意には至らなかった。これは米国よりもイランにとって遥かに悪い結果だ」と述べつつも、米国側の「レッドライン(譲れない一線)」は明確に伝えたと強調した。同氏は、イラン側が核兵器開発の放棄や、即座に核武装可能な技術の取得を断念するといった米国側の要求を受け入れなかったと指摘した。これはトランプ大統領の最重要目標であるという。

一方、イランのタスニム通信は、米国側が「過分な要求」を突きつけたことが交渉決裂の主因だと報じている。イラン政府は会談終了前、交渉は継続するとSNS上で示唆していたが、結果として対話は途絶える形となった。イスラマバードで行われた今回の会談は、1979年のイラン革命以来、最高レベルの対話として注目されていた。

危機打開の「出口戦略」が期待されていたものの、交渉の失敗は大きな打撃となった。7日から始まった停戦の先行きは不透明で、イランがホルムズ海峡の封鎖解除に応じない場合、世界のエネルギー供給への影響が長引く恐れがある。

今回の米代表団にはウィトコフ特使やクシュナー氏らが名を連ね、バンス氏は交渉中、トランプ大統領と10回近く電話協議を行ったという。対するイラン側はガリバフ議長やアラグチ外相らが率いた。パキスタン政府は首都イスラマバードで厳重な警備体制を敷いており、今回の仲裁役を務めたことで国際的な地位向上を狙った格好だ。

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  • 出典:中央社 CNA
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