米イラン間の緊張が高まって以来、トランプ大統領は一部のNATO加盟国が米軍の軍事行動を十分に支持していないと批判を繰り返してきた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、ホワイトハウスがドイツなどから米軍を撤退させ、より親米的な欧州諸国へ移転させる計画を検討していると報じ、注目を集めている。

ミュンヘン連邦軍大学のコンスタンティノス・ツェツォス氏はドイツ公共放送(BR24)の取材に対し、指揮系統や兵站、軍事演習の観点からドイツの米軍基地はグローバルな運用体制に深く組み込まれており、撤退は非現実的かつ米国自身の利益にも反すると指摘した。

独シュピーゲル誌によれば、トランプ氏の第1次政権下であった2020年にも、「ドイツはNATOへの拠出金が不足している」という理由で、約1万2000人の駐留米軍を削減し、ポーランドなどへ移転させる計画が浮上した経緯がある。当時は米軍部や議会からの反対を受け、グローバルな戦略配置やロシアへの抑止力が低下するとの懸念から、バイデン政権発足後に計画は撤回された。

今回、再び米軍の兵力再編が検討されていることに対し、ドイツ政府は沈黙を守っている。メルツ首相はトランプ氏と電話会談を行ったことを認めつつ、撤退や基地利用に関する具体的な議題には触れておらず、既存の駐留協定は有効であり米国が遵守すると信じていると述べるにとどめた。

しかし、独連邦議会のホーフライター欧州委員会委員長は、こうした撤退の脅しは米国への安全保障上の信頼を揺るがし、対ロシア抑止力に悪影響を及ぼすと批判した。現在、ドイツには約3万6000人の米兵が駐留しており、日本に次ぐ規模を誇る。

特に、ラムシュタイン空軍基地は欧州における米軍最大の物流拠点として中東やアフリカ作戦を支え、シュトゥットガルトのパッチ・バラックスは欧州軍・アフリカ軍の司令部が置かれるなど、ドイツの軍事拠点は米軍の海外戦略において極めて重要な役割を担っている。

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  • 出典:中央社 CNA
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