【プラハ23日中央社】チェコ政府は、対中ビジネスの利益が損なわれることを懸念し、ヴィストルチル上院議長の台湾訪問に対する政府専用機の提供を拒否しました。これに対しパヴェル大統領は、現政権は台湾との関係をより実務的に捉えるべきだと指摘し、投資による雇用創出や技術共有などを挙げ、台湾との協力関係が中国との現在の関係よりもチェコにとって有益になり得るとの見方を示しました。

チェコ通信社(ČTK)の報道によると、パヴェル大統領は22日、パルドゥビツェ州訪問の際に、チェコは「一つの中国」政策を堅持しているものの、それが台湾との協力を排除するものではないと強調しました。大統領は、現政権が「実務外交」を重視するのであれば、台湾との関係についても技術協力や経済的利益といった実務的側面から評価すべきだと述べています。

また大統領は、この姿勢は中国との正常な関係維持を排除するものではないとしつつも、チェコは主権国家であり、誰かと協力すべきか否かを他者に指図されるべきではないと付け加えました。さらに、中国の主権を侵害したり疑問視したりする意図はなく、台湾との協力を進める立場は揺るぎないものであると強調しました。

ヴィストルチル上院議長は5月末から6月初旬にかけて台湾を訪問する予定です。これに対しバビシュ首相は、議長の訪台を「数百万人規模の経費がかかる旅行」と批判し、中国でのチェコの経済的利益を損なう恐れがあるとして、政府専用機の提供を拒否しました。これを受け代表団は、3年前にヴィストルチル氏の尽力で開通したプラハ・台北直行便を利用することになります。議長は政府の判断を「裏切り」であり、訪問を予定していた企業、科学、研究、文化界の代表者に対する「背中から刺すような行為」だと激しく非難しました。

加えて議長は、バビシュ首相の外交姿勢にも疑義を呈しました。首相は価値観重視の外交には成果がないとして実務外交を掲げていますが、議長は「価値観の基盤を欠いた実務外交など全く意味がない」と反論しています。

チェコは議院内閣制を採用しており、行政権は首相と内閣にあります。大統領は国家元首として儀礼や外交を担うほか、首相や閣僚の任命権、法律に対する拒否権などの実権も保持しています。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:ニュース
  • 関連組織:チェコ新聞通信社(ČTK)
  • 原文内の日付:5月末から6月初め