中央社ニュース (中央社記者・陳鎧妤、台北4日)香港を訪れた観光客が軽やかな足取りで観光地での写真撮影に忙しく、郊外でキャンプをして自然を楽しむ一方で、大埔の宏福苑の住民は重い足取りで焼け落ちた故郷に戻り、灰の中から残された家財を探そうとしていた。多くの住民は花を携え、亡くなった親族に別れを告げた。このメーデー連休、笑い声と泣き声、喜びと涙が、この街の中で交錯していた。 5月1日から5日までは中国のメーデー労働節連休で、多くの香港の商店や飲食店にとって稼ぎ時となる。最初の3日間で累計71万人の中国本土からの旅行者が香港を訪れ、前年同期比で4.7%増加した。 100年以上の歴史を持つ旧油麻地警察署は、エドワード朝様式の建築と多くの香港映画の名場面で知られ、香港らしさを写真に収めたい多くの本土観光客を引き寄せた。ビクトリア・ハーバーを一望できるビクトリア・ピーク、「東洋のハリウッド」を象徴する尖沙咀の星光大道、ネオンがきらめく旺角の街角など、各地で観光客のにぎやかな声が聞こえた。 同じ頃、西貢やランタオ島などのキャンプ場は、千を超える色とりどりのテントで埋め尽くされ、多くの旅行者が夕焼けの赤い空を写真に収めていた。夜になると、キャンプ場には家族連れの笑い声と炊事の煙のにおいが漂った。石浜の岸辺には、巻き貝やウニ、カニを掘り探す観光客が詰めかけ、シャベルなどの道具を持参して「宝探し」をする人もいた。環境保護団体は生態系を破壊する行為だと批判したが、観光客は思い思いに楽しんでいた。 同じ空の下、大埔の宏福苑には泣き声と涙、怒りと無力感が漂っていた。昨年11月、宏福苑で大火災が発生し、168人が死亡した。5カ月を経て、香港政府は4月20日から5月4日まで、初めて住民が自宅に戻って片付けを行うことを認めた。 住民たちは重い足取りで階段を一段ずつ上り、自宅へ戻った。しかし高層階に住む一部の高齢者にとっては、家がすぐ近くにあっても体力が追いつかず、焼け焦げた自宅を一目見ることさえかなわなかった。 ある住民は、室内には今も消えない焦げ臭さが残っていると話した。多くの住まいは灰と土となり、跡形もなくなっていたが、住民たちは家財を探すわずかな可能性も諦めなかった。がれきが散らばる中にしゃがみ込み、厚く積もった灰を素手で掘り返し、焼け残った物を探す人もいた。 多くの住民は花を持参し、亡くなった家族や隣人に手向けた。ある住民は声を詰まらせながら亡き妻に「お前、戻ってきたよ」と語りかけた。住民たちは携帯電話を取り出し、この機会に家の様子を撮影し、故郷に最後の別れを告げた。外の光が割れた窓から室内に差し込み、彼らがこの家をもう一度しっかり見つめられるように照らしていた。 この街はなお動き続けている。観光客は次の休暇にまた遊びに来ることを期待し、災厄を生き延びた宏福苑の住民は、これからの道のために奔走し続ける。(編集:呂佳蓉)1150504 事実とともに立つ選択を。あなたの一つひとつの支援が、報道の自由を守る力になります。 中央社「一手新聞」アプリをダウンロードして、最新ニュースをリアルタイムで把握できます。 本サイトの文章、写真、映像・音声は、許可なく転載、公開放送、公開送信または利用することはできません。
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- 出典:中央社 CNA
- 分類:ニュース