中国の自動車ブランドが近年、ブラジル市場で急速に台頭している。電動化技術や価格競争力、斬新なデザインを武器に、すでに2割近いシェアを奪った。しかし専門家は、この流れがブラジルの「脱工業化」問題を深刻化させ、現地の自動車産業を厳しい挑戦に直面させていると警告する。ブラジルのニュースサイトR7の分析によると、これは短期的な現象ではなく、数十年にわたる構造的な問題である。1980年代のグローバル化の波で製造業がアジアに移転して以来、ブラジルの工業は徐々に競争力を失った。1990年代の貿易自由化は、現地産業を国際競争の荒波にさらした。2001年の中国のWTO加盟後、安価な製品が大量に流入し、ブラジルは原材料の輸出に依存するようになり、製造業の比率は低下し続けている。近年、AliExpressやShein、Temuといった中国のECプラットフォームが拡大し、ブラジルの繊維、靴、玩具、電子製品分野が相次いで打撃を受けている。自動車産業も同様の圧力にさらされている。中国メーカーはブラジルに組み立てラインを設けているが、中核となる研究開発や技術は依然として国外にあり、ブラジルは自国の技術力を蓄積できていない。報道によると、ブラジルの自動車市場の状況は、他の産業の運命を繰り返している。玩具業界では6割以上の製品が中国製で、現地ブランドはほぼ消滅した。靴や繊維業界では大規模な工場閉鎖が相次ぎ、GradienteやCCEといった電子機器メーカーも中国ブランドに太刀打ちできていない。自動車業界も政策支援や革新的な投資がなければ、同じ道をたどる恐れがある。分析家は、中国車は品質と価格の面で魅力的であり、消費者にとってはプラスだが、長期的な産業戦略がなければブラジルは製造能力を失い、輸入への依存がさらに深まると指摘する。グローバルな競争の中でいかに現地産業の活力を維持するかが、ブラジル政府と業界にとって喫緊の課題となっている。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:economic
  • 関連組織:AliExpress / Shein / Temu