サイボウズ株式会社は、建設業従事者を対象に、業務効率化の実態に関する調査を実施しました。時間外労働の上限規制が施行された「2024年問題」から2年が経過し、法制度への対応が進む一方で、実務レベルでの変化を調査したものです。調査では、63.6%が「現場情報の一元化で手戻りが減ると思う」と回答し、情報集約・共有基盤の整備が重要であることが示唆されました。
調査結果の要点は以下の通りです。まず、建設業従事者の約6割(60.3%)が、2024年の残業規制導入前と比べて「事務作業の量は変わっていない」と回答しました。また、2人に1人(54.4%)が事務作業に「1日2時間以上」を費やしていると答えました。手戻りに関しては、46.7%が月に1回以上経験しており、その最多の要因は「口頭・電話のみの指示」でした。さらに、3人に2人(63.7%)が必要な情報の在処がわからない「情報迷子」状態にあることがわかりました。そして、5割以上が「事務作業の負担」や「情報の伝達ミス」が「ミスの発生」「働き方改革への対応限界」「若手離職」「工期遅延」に影響すると回答しています。ITツールの活用については、導入している企業のうち42.5%が「現場への定着が不十分」と感じており、最後に、63.6%が「現場情報の一元化で手戻りが減る」と期待を寄せています。
詳細な調査結果として、まず事務作業量について、残業規制導入前と比較して「特に変化はない」が60.3%を占め、事務負担の削減が進んでいない実態が示されました。非効率の根本的な原因としては、「担当者が少なく、一人に業務が集中している(属人化)」(20.6%)や「慢性的な人員不足」(17.3%)が挙げられました。
次に、事務作業に費やす時間については、2人に1人(54.4%)が「1日2時間以上」と回答し、業務の大きな割合を占めていることがうかがえます。負担に感じる業務としては、「関係各所からバラバラでくる確認や催促の電話等」(31.5%)が最も多く、「手書きのメモやデータをExcel等へパソコンで打ち直す」いわゆる"二重入力"(29.6%)も同水準で続いています。特にこの二重入力は、現場責任者(38.7%)が経営・管理職(26.7%)を12ポイント上回る結果となりました。
手戻りの頻度と原因については、46.7%が月に1回以上の手戻りを経験しています。その原因として最も多かったのは「指示・連絡が口頭や電話のみで行われ、内容が正確に伝わらないこと」(43.9%)でした。次いで「承認や確認の返答を待つ間に、作業が止まること」(29.6%)、「必要な情報が複数の手段に分散していること」(25.4%)が続き、情報伝達と共有の課題が浮き彫りになりました。
情報の管理・共有に関しては、63.7%が仕事上で必要な情報が「誰が持っているかわからない」「どこにあるかわからない」と感じることが「ある」と回答しました。半数以上が、情報が散在している現状を課題と感じる「情報迷子」の状態にあると言えます。
これらの「事務作業の負担」や「情報の伝達ミス」が引き起こすリスクについては、「ミスの発生」(60.8%)を筆頭に、「働き方改革への対応限界」(52.4%)、「若手社員の離職」(51.4%)、「工期遅延の発生」(50.9%)など、複数の項目で過半数が「影響する」と回答し、問題が多岐にわたるリスクにつながることが示されました。
ITツールの活用状況を見ると、「導入し、活用している」は21.6%に留まり、「導入しているが、十分活用できていない」が28.3%でした。ITツール導入企業に課題を聞くと、「ツールの活用が現場にまだ十分に定着していない」が42.5%で最多となり、導入後の定着が大きな壁となっていることがわかります。
最後に、多くの従事者が解決策として情報の一元化に期待を寄せています。「現場に関わる情報が一か所に集約されれば、手戻りは減ると思うか」という問いに対し、63.6%が「そう思う」と回答しました。情報の散在が手戻りの一因であるという認識が広く共有されていることがうかがえます。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:調査レポート
- 関連組織:サイボウズ株式会社 / 楽天インサイト株式会社