サイカルトラスト株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:須江剛、以下「サイカルトラスト」)は、日本国特許(特願2026-088763)について、2026年7月10日、特許庁より特許査定を受領し権利化が確定したことを発表します。特許番号は、付番後に別途公表します。

本特許は、AIが取引や資産ごとのリスクを判定し、真正性(トラスト)の確認に必要な

(1)識別情報の取得

(2)証拠の取得

(3)検証の確認

(4)結果の記録

という4つの処理を案件ごとに選択し「決済する処理と決済しない処理を的確に制御する技術」です。

実際に用いた検証手順と判定結果は、監査記録としてブロックチェーンに残します。サイカルトラストは、この特許技術を社会実装の観点から「真正性検証 AIオーケストレーション」と呼称します。

本特許は、ステーブルコイン、トークン化預金、その他セキュリティートークンといった決済基盤を代替するものではありません。それらが価値や権利を動かす「前段」に位置し、「何を根拠に決済を許可するのか?」、「根拠が不足したときに決済を止められるのか?」、そして「後から決済に関する判断過程を説明できるのか?」を制御する技術です。

第1章 AIは自動で決済できる。では、何を確かめてから支払うのか?

自由民主党政務調査会デジタル社会推進本部の「次世代AI・オンチェーン金融構想PT提言」(2026年5月19日)は、AIエージェントの普及により、選ぶ・買う・支払う・契約する・融資を受けるといった経済活動が、「自動化」、「連結化」、そして「24時間365日化」していく未来を展望しています(※1)。

同提言が示す将来像の一つが、製造業の現場です。部品が納品された瞬間に、AIが検収データと連動して品質・数量・契約条件を検証し、円建てステーブルコインでオンチェーン自動決済する――そのような世界が現実化しています。

しかし、ここには一つの重大な「空白」があります。それは――

「決済は自動化できても、決済前に行うべき『検証』が自動化されていない!」

取引ごとに、対象となる資産、相手方、権限、契約条件、取得できる証拠、秘匿すべき情報、その他サイバーリスクは異なります。それにもかかわらず、すべての案件に同一の固定的な検証手順を当てはめれば、3つの問題が生じます。

◆ 必要な確認が不足する

◆ 不要な個人情報や営業秘密まで取得してしまう

◆ 状況が変わっても古い検証経路を使い続けてしまう

AIエージェントが人間より速く価値を動かす時代に必要なのは、「自動で決済できること」だけではありません。「何を確認したのか」、「なぜその証拠を選んだのか」、「どの検証を実行しなかったのか」、「根拠が不足したときに止めたのか」、「後から判断過程を説明できるのか」――ここまでを機械的に制御することです。

サイカルトラストは、2026年4月のプレスリリースにおいて、AIエージェントが価値を動かす前に相手先・権限・来歴・条件成就等を確認する「真正性(トラスト)基盤」の必要性を提唱しました(※2)。本特許は、その「真正性(トラスト)基盤」を案件ごとに最適な方法で動かす「制御基盤」を、新たに権利化したものです。

第2章 本特許の仕組み ~ AIが「本物の確かめ方」を案件ごとに自動編成 ~

本特許においてAIは、鑑定要求を受けると、まず要求元、要求頻度、資産形態、過去の真正性判定履歴等を参照し、案件のリスク区分を算出します。そのうえで、冒頭に掲げた「(1)識別情報の取得 →(2)証拠の取得 →(3)検証の確認 →(4)結果の記録」という4つの処理について、何を・どの順番で・どこまで実行するか、そして何を実行しないかを案件ごとに一つの「検証経路」として編成します。4つの処理の具体的内容は、次のとおりです。

(1)識別情報の取得

1つ目の処理は、検証対象を特定するための「識別情報の取得」です。対象となる資産の識別子、ウォレット情報、DID(分散型ID)、VC(Verifiable Credentials:検証可能なクレデンシャル)、署名データ、資産形態などが含まれます。対象は物理資産に限りません。データやソフトウェア等の非物理資産、物理資産と非物理資産を組み合わせたデジタルツインやRWA(Real World Assets)などのハイブリッド資産。

AIは、案件のリスク区分に応じて、「どの識別情報をどの範囲まで取得するか? を選択」します。低リスクの案件で必要以上の情報を取得することはせず、高リスクの案件では対象の特定に必要な識別情報を深く取得して行きます。

(2)証拠の取得

2つ目の処理は、真正性(トラスト)を裏付ける「証拠の取得」です。ブロックチェーンなどの外部記録、製造・流通・取引の来歴、検査結果、契約条件、トラストアンカー(第三者認証)情報等の中から、AIが「案件に必要な証拠だけを選んで取得」します。

秘匿性が求められる案件では、ウォレット情報や「VC」などの情報そのものを取得する代わりに、資格・権限・保有事実が成立していることだけを証明する「ゼロ知識証明(情報自体は開示しない暗号技術)」を選択できます。また、量子計算脅威の区分に応じて、「QKD(量子鍵配送)」セッションに基づく証拠取得を選択する構成も含みます。証拠の「集め過ぎ」と「不足」の双方を、案件ごとに防ぐ設計となっています。

(3)検証の確認

3つめの処理は、取得した上記「(1)識別情報」と「(2)証拠情報」とを突き合わせる「検証」です。識別子の確認、ウォレットの確認、DID/VCの確認、署名の検証、外部記録との照合に加え、物理資産・非物理資産・ハイブリッド資産などの情報がそれぞれ同一の資産・権利を示しているかの整合性検証を、AIが生成した順序で接続して実行します。量子計算脅威の区分に応じ、「PQC(耐量子計算機暗号)」による署名検証を選択する構成も含みます。

ここで重要なのは、「何を実行するか」だけでなく「何を実行させないか」まで制御することです。そして、必要な処理を接続して有効な検証経路を構成できない場合には、不完全な「検証」を無理に通しません。処理を非実行とし実行そのものを止めます。

(4)結果の記録

4つ目の処理は、「結果の記録」です。真正性(トラスト)の判定結果だけでなく、実際に用いた検証手順の識別情報を判定結果と対応付け、監査記録としてブロックチェーンに残します。上記、(3)で非実行とした処理と、その理由も記録の対象です。状況が変化した場合には検証手順を再生成し、再生成前後の手順を関連付けた「再構成履歴」も残します。

これにより、金融機関、監督当局、その他監査主体は、「AIが何を確かめ、何を確かめずに、なぜその判断に至ったのか」を後から改ざんできない証跡として記録されたものを確認できます(ゼロトラスト)。それに対し、監査される側は、「説明責任」を動かざる証跡と共に担保することが可能となります。

「検証できないなら決済しない。決済しなかった事実も後から説明できる!」

これが

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:新製品
  • 製品・サービス:真正性検証AIオーケストレーション / ブロックチェーン監査基盤