鹿島建設株式会社(代表取締役社長:桐生 雅文、以下「鹿島」)およびダイナミックマッププラットフォーム株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長CEO:吉村 修一、以下「ダイナミックマッププラットフォーム」)は、三菱電機株式会社、西濃運輸株式会社とともに参画する4社の共同提案が、国土交通省「令和8年度 自動物流道路の社会実装に向けた実証実験」の、テーマ2「複数台の搬送機器の自動走行」に関する実証事業に採択されたことをお知らせします。
自動物流道路(オートフロー・ロード)は、道路空間に物流専用のスペースを設け、クリーンエネルギーを電源とする無人化・自動化された搬送機器によって貨物を運ぶ、新たな物流システムです。輸送に加えて物流拠点での荷下ろし・積み込みの自動化、道路上での貨物の保管・時間調整、トラック・鉄道・海運・航空との連携を想定し、物流危機への対応やカーボンニュートラルの実現を目的としています。
本実証では、その社会実装に向け、複数台の搬送機器による走行性能、光ファイバセンシングによる自動運転設備等の簡素化可能性、路側インフラ・搬送機器・拠点・車両間のシステム連携などを検証し、技術的課題と運用条件を整理します。
本実証の背景
主要指標 — KEY FIGURES
物流分野では、人口減少やドライバー不足を背景に輸送力の確保が課題となっており、無人化・自動化技術の活用が期待されています。自動物流道路は、貨物を小口・多頻度で安定的に輸送し、物流需要の平準化や他の輸送モードとの連携を図ることで、物流の効率化と環境負荷の軽減を目指す構想です。国土交通省は、その実装に先立ち、既存の技術・施設を活用した実証を通じて、複数台の搬送機器の走行性能や設備簡素化の可能性を確認し、技術的課題と運用条件を整理する方針です。
本実証では、鹿島の光ファイバセンシング技術と、ダイナミックマッププラットフォームのインフラ協調型モビリティ基盤などを活用し、検証に取り組みます。
実証内容
【検証項目(1) 現行の搬送機器の走行性能の検証】
成田国際空港内の専用路を使用し、自動運転車両「ZELOS」(ゼロス)3台による現場検証を行います。基本走行速度は10km/hとし、また、直線路で実施できる一部の走行パターンでは30km/hでの実証を行い、高速域の走行性能を直接確認するとともに車両制御精度の向上を図ります。
走行安定性・必要幅員 速度に応じた左右の揺らぎや走行ラインからの逸脱幅、対面・並走・すれ違いに必要な幅員を計測し、自動物流道路の走行空間に求められる条件を整理します。
加速・停止性能 目標速度への到達時間・距離、最大加速度、停止時の落下物までの距離、追従走行時の車頭間隔を確認します。
複数台走行・分流・合流・停止精度 先行車への追従、複数車両での同一レーン走行、分流・合流、車線変更、指定位置への停止などを検証します。
異常検知・危機回避 落下物や火災等の検知、先頭車両・追従車両が異常を認識する位置、回避可否、車線変更時の逸脱幅・所要時間・車頭間隔、回避後の元車線への復帰可否を確認します。
積載貨物の状態 荷崩れ等の異常発生有無や搬送機器内外の温度を確認し、走行が積載貨物に与える影響を把握します。
【検証項目(2) 自動運転設備等の簡素化の検証】
鹿島が中心となり、成田国際空港での走行実証で得られる光ファイバ設置の施工性や運用費用等の実績を用いて、光ファイバ敷設道路による道路側センサの低減効果を評価します。従来、カメラ・照明・火災検知器・電気および通信配線など複数の設備で担う機能の一部について、光ファイバセンシングで補完・集約できる条件を整理し、センサ類の削減またはスペックダウンの可能性を検討します。
光ファイバを区画線に沿って敷設し、振動情報から落下物・火災などの異常を検知します。検知結果は、ID・時刻・相対位置・フラグを含むデータとしてダイナミックマッププラットフォームのインフラ協調型モビリティ基盤へ連携します。ダイナミックマッププラットフォームは高精度地図を参照し、相対距離を緯度・経度等の位置情報へ変換するとともに、イベント発生位置と地図情報を統合して車両側へ配信します。これにより、道路側設備の構成を簡素化した場合でも、安全な走行支援に必要な情報が提供できるかを評価します。
実証の概要
実証テーマ
テーマ2「複数台の搬送機器の自動走行」
(1)現行の搬送機器の走行性能
(2)自動運転設備等の簡素化
(3)その他
実証場所
成田国際空港施設の専用路ほか
実証実験期間
2026年11月~12月中旬予定
使用車両
ZELOSTECH Z5 2台、Z10 1台
今後の展開
鹿島とダイナミックマッププラットフォームは、本実証で得られた知見をもとに、自動運転車が安全かつ安定して走行するための道路・設備・システム・運用条件を整理します。また、光ファイバセンシングとインフラ協調型モビリティ基盤の連携による路車協調の有効性を検証し、三菱電機や西濃運輸とともに自動物流道路の社会実装に向けてシステム連携など技術基盤の構築に貢献してまいります。
(参考)
国土交通省「令和8年度自動物流道路の社会実装に向けた実証実験について」 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002020852.pdf 国土交通省「日本の物流を変える、自動物流道路(オートフロー・ロード)」 https://www.mlit.go.jp/road/autoflow_road/
鹿島 HP 特設サイト「鹿島の光ファイバで描く近未来のインフラ」 https://www.kajima.co.jp/tech/c_optical_fiber/
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:press_release
- 関連組織:ダイナミックマッププラットフォーム株式会社 / ZELOSTECH