2021年7月、MiZ株式会社(神奈川県鎌倉市)、カリフォルニア大学バークレー校、慶應義塾大学の共同研究グループは、分子状水素(H2)が発症前段階の疾患「未病」における慢性炎症を抑制し、多様な疾患の発症予防に寄与する可能性を示した総説論文を発表しました(『International Journal of Molecular Sciences』2021年第22巻第13号 7211 掲載)。

要旨 - 分子状水素(H2)は最も反応性の高い活性酸素種「ヒドロキシラジカル(•OH)」を選択的に除去し、慢性炎症の引き金を上流で抑え込む可能性が示されました。 - 水素は炎症の司令塔「NLRP3インフラマソーム」の過剰活性化を抑制する可能性も示唆されています。 - 水素は生体に必要な他の活性酸素には影響しないため、副作用リスクが低いと報告されています。 - アルツハイマー病・パーキンソン病・慢性腎臓病・糖尿病・高血圧・肝疾患・がん等の発症前段階で広範な保護作用が整理されました。 - 装置出力濃度を吸入環境実証値 10 体積% 以下に保つ低濃度水素吸入は爆発の危険がなく、継続的な予防医学応用に適しています。

背景:未病段階の慢性炎症と予防医学 多くの慢性疾患では、症状が現れる以前から低レベルの慢性炎症が長期間持続することが知られています。「未病」段階での慢性炎症抑制は疾患予防や健康寿命延伸の鍵ですが、全身性慢性炎症を安全かつ継続的に制御する方法は限られていました。分子状水素(H2)はこれまで生理的に不活性と考えられていましたが、全身の細胞レベルで慢性炎症を上流から抑え込む有望な分子として注目されています。

安全性の提唱:10体積%の基準 MiZ株式会社は、2015年に既存文献の精査および吸入環境を想定した実証的検討に基づき、日常環境下で水素濃度が 10 体積% を超えると爆発の危険性があることを発表しました。この 10 体積% という数値は、理想的条件下で定義される水素の爆発下限界(LFL 4%)とは区別される、吸入環境を想定した実証値です。水素吸入環境は開放系であり、空間条件・混合状態・流動状態が閉鎖系の試験条件とは根本的に異なるため、実証値 10 体積% を基準とすることが妥当であると提唱しています(Ichikawa et al., 2026)。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:調査
  • 関連組織:カリフォルニア大学バークレー校