パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)は、AI・コンピュータービジョン分野における世界最高峰の国際会議CVPR 2026に2件の論文が採択され、うち1件は特に優れた研究として「Highlight」に選出されました。2026年6月3日から2026年6月7日までアメリカ コロラド州で開催される本会議で発表します。
【採択論文の概要】
論文1:フィジカルAIの実用化を支える高効率な空間認識技術 3D空間情報を効率よく圧縮する技術により、処理する情報量の削減と高い空間認識能力の両立を実現しました。ロボティクスやフィジカルAIなど、現実世界で動作するAIの高度化に貢献します。
<背景> 近年、ロボットや機械が現実世界の環境を認識・判断し、自律的に行動するためのAIである「フィジカルAI」への注目が高まっています。その実現には、物体同士の位置関係を把握するなど、高度な空間認識能力が不可欠で、マルチモーダルAIのさらなる進化が期待されています。しかしながら、従来のマルチモーダルAIを用いた空間認識技術には、空間情報を保持するための演算量が増大しやすいという課題がありました。
<技術の特長> 本技術は、クラスタリングによる高効率な特徴表現の圧縮と、段階的な空間認識学習を組み合わせることで、マルチモーダルAIが扱う空間情報量を抑えながら、他手法と同等以上の空間認識性能を実現しました。例えば、従来の3D空間認識手法の一部では約8,000トークンの空間情報をマルチモーダルAIに入力するのに対し、本技術では700トークンで3D空間を表現します。本技術は、現実世界で動作するAIの将来的なリアルタイム処理への応用や、3D空間の認識や位置関係の理解が求められる領域など幅広い分野での実用化に貢献します。
論文2:AI開発のコストと時間を削減、効率的な学習を実現するPortable Active Learning(PAL) AI開発における最大のボトルネックであるアノテーションのコストを大幅に削減しながら、高精度な物体検出を実現にする技術です。CVPR 2026では、新規性や技術完成度、将来性が高く評価され採択論文の中でも特に優れた研究として「Highlight」に選出されました。
<背景> AIによる画像認識技術は、自動運転や工場検査、監視システムなど、さまざまな分野で活用が進んでいます。しかし、高性能なAIの開発には、大量の画像に対して人手で「どこに何が写っているか」を細かくラベル付けする“アノテーション”という作業が必要であり、多くの時間とコストが課題となっています。
<技術の特長> 今回開発した「Portable Active Learning(PAL)」は、不確実性、画像の多様性、クラス不均衡といった複数の要素を統合評価し、AIが「どの画像を優先的に学習すべきか」を自動で判断します。それにより、従来手法と比べて平均約20%少ないアノテーション作業で同等以上の認識性能を実現しました。また、本技術は、さまざまなAI物体検出モデルにそのまま適用できるplug-and-play型を採用していることが特長で、従来手法で課題となっていたモデルの改造が不要となります。自動運転、エッジAI、インフラ点検、工場検査などの分野において、AI導入の低コスト化と開発の効率化に貢献します。
今後もパナソニックHDは、AIの社会実装を加速し、お客様のくらしやしごとの現場へのお役立ちに貢献するAI技術の研究・開発を推進していきます。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:press_release
- 関連組織:パナソニック ホールディングス株式会社