小林製薬株式会社は、「ヨウ素の新型コロナウイルスに対する不活化効果及び口腔咽喉薬のウイルス不活化ならびに殺菌効果」の研究において、日本防菌防黴学会第54回通常総会(2026年5月29日・大阪市)で「論文賞」を受賞しました。この賞は1年間で同学会誌に掲載された論文の中で最も優れた論文に与えられるものです。
研究成果のポイント - 「ヨウ素」のウイルス不活化効果に関する研究が、第54回日本防菌防黴学会通常総会にて「論文賞」を受賞 - ヨウ素水溶液を15秒作用させることで新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどを99.9%以上不活化 - タイムラプス動画や電子顕微鏡を用い、ヨウ素の抗ウイルス効果を視覚的に実証した手法が高く評価
〈受賞研究の背景〉 近年、感染症の流行を経て、社会全体でより確実な感染対策が求められています。ヨウ素などの殺菌成分の有効性は知られていましたが、実際の使用シーンに即した短時間での効果や、他成分との比較は十分に検証されていませんでした。この課題に対し、同社は第三者試験機関と共同でin vitro実験を実施しました。
〈研究内容〉 1. 15秒の「ヨウ素」の作用で各種ウイルスが99.9%以上不活化 0.5w/w%ヨウ素水溶液を新型コロナウイルスやA型インフルエンザウイルス等に15秒間作用させた結果、99.9%以上の不活化効果を確認しました。また、市販の口腔咽喉薬に用いられる他の殺菌・抗炎症成分(CPC、アズレン)との比較評価も行い、同一条件下でヨウ素が優れたウイルス不活化効果を持つ可能性が認められました。
2. ウイルスの不活化を視覚的に捉えることに成功 新型コロナウイルスにヨウ素水溶液を接触させた後の宿主細胞をタイムラプス動画で観察した結果、ヨウ素を作用させた場合は細胞が感染前の状態を保つことが捉えられました。さらに電子顕微鏡での観察では、ウイルス粒子は見られず、細胞表面も正常な状態が維持されていました。また、A型インフルエンザウイルスでは、ヨウ素処理によりウイルスのエンベロープが変性する様子も確認されました。
〈今後の展望〉 同社では、以前からヨウ素等殺菌消毒成分に関する基礎研究を続けています。今回の研究は、ウイルスに対する有効性の知見として、感染症対策研究の一助となり、社会に貢献できるものと考えています。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:調査
- 関連組織:一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)
- 製品・サービス:ヨウ素