ライオン株式会社(代表取締役兼社長執行役員:竹森 征之)は、毛髪に関する研究から、高濃度ポリオール(イソペンチルジオール)と脂質成分(イソステアリン酸)の併用により、ダメージ毛において高湿度環境下での毛髪の広がりを効果的に抑制できることを見出しました。これは、イソペンチルジオールの浸透補助作用によって、脂質成分が浸透しにくい洗髪後の濡れた状態でもイソステアリン酸を毛髪内部へ効率よく届けるとともに、その作用により毛髪の水分吸着および膨潤が抑制されたためと推察しています。本成果は、第3回 日本化粧品技術者会学術大会(2025年12月8日10日/於:神奈川県)にて発表しました。

ダメージ毛は化学処理を繰り返すことで、毛髪内部の構造が変化し、“スカスカ”な状態になることが知られています。この“スカスカ”な状態とは、内部の細胞同士をつなぐ細胞膜複合体(CMC)と呼ばれる部位の脂質が減少し、外部からの水分侵入を抑えているバリア機能が低下した状態をさします。このような状態になった毛髪は、内部に水分を取り込みやすくなり、高湿度環境下では毛髪が膨潤しやすく、広がります。

ダメージ毛の内部環境を改善するためには、減少した脂質を補うことが重要であり、脂質成分としてイソステアリン酸(IS)の毛髪内部への導入を検討しました。しかし、ISは水になじみにくい性質をもち、また洗髪後の濡れた状態では希釈されやすいため、毛髪内部に効率よく浸透させることは難しいと考えられます。そこで本研究では、「水にも油にもなじみやすい」特性を持つイソペンチルジオール(IPG)に着目し、IPGがISを毛髪内部へ運び込む“媒体”として機能するか確認しました。

研究の結果、IPGが40%以上の高濃度で、ISの浸透量が増加する傾向が確認されました。また、高湿度環境下(80%RH)で毛束の見た目を比較したところ、「高濃度IPG/ISモデル処方」で処理した毛束では、トリートメントのみ処理した場合と比べて毛髪の広がりが有意に抑制されることがわかりました。今後は、本知見を活用して、毎日のヘアケアで健やかな髪の美しさを引き出し、QOL向上に貢献する製品開発を進めてまいります。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:research_announcement
  • 関連組織:ライオン株式会社