令和8年7月20日
国土交通省、文部科学省、農林水産省、経済産業省及び環境省が内閣府総合海洋政策推進事務局の協力を得て実施している「第19回海洋立国推進功労者表彰」(内閣総理大臣賞)において、
以下の4名及び3団体が受賞されることとなり、令和8年7月20日(月・祝)、東京国際クルーズターミナルにおいて表彰式を行いました。
日 時:令和8年7月20日(月・祝)10時30分~11時00分
場 所:東京国際クルーズターミナル 3階式典会場
受賞者:
1.「海洋立国日本の推進に関する特別な功績」分野
〇 三島 ( みしま ) 愼 ( しん ) 次郎 ( じろう ) (一般財団法人 次世代環境船舶開発センター 顧問)
【産業振興 部門】
(功績概要)
日本造船業における再編・協業と次世代船舶開発の立役者
〇 一般 ( いっぱん ) 社団 ( しゃだん ) 法人 ( ほうじん ) マリン ( まりん ) ・ エコラベル ( えこらべる ) ・ ジャパン ( じゃぱん ) 協議会
( きょうぎかい )
【普及啓発・公益増進 部門】
(功績概要)
日本発の水産エコラベル認証による持続可能な水産業の推進
〇 佐藤 ( さとう ) 愼司 ( しんじ ) (高知工科大学 システム工学群 特任教授)
【科学技術・学術・研究・開発・技能 部門】
(功績概要)
海岸の侵食機構解明や気候変動対応等、海岸保全対策に貢献
2.「海洋に関する顕著な功績」分野
〇 西岡 ( にしおか ) 純 ( じゅん ) (北海道大学 低温科学研究所 環オホーツク観測研究センター 教授)
【海洋に関する科学技術振興 部門】
(功績概要)
北西太平洋の海洋生物生産を支える鉄分等の供給・循環過程の解明
〇 熊本 ( くまもと ) 県立 ( けんりつ ) 天草 ( あまくさ ) 高等学校 ( こうとうがっこう ) 科学部 ( かがくぶ )
【水産振興 部門】
(功績概要)
地球温暖化対策としてアマモの生育研究を継続、地域の環境保全意識向上に貢献
〇 吉田 ( よしだ ) 公一 ( こういち ) (元 一般財団法人 日本舶用品検定協会 顧問 )
【海事 部門】
(功績概要)
船舶に係る国際基準及び国際規格の策定に寄与
〇 熊本 ( くまもと ) 県立 ( けんりつ ) 芦北 ( あしきた ) 高等学校 ( こうとうがっこう ) 林業科 ( りんぎょうか )
【自然環境保全 部門】
(功績概要)
アマモ場再生活動で未来へつなぐ芦北高校プロジェクト
添付資料
報道発表資料 (PDF形式)
資料1 各受賞者の功績事項 (PDF形式)
資料2 海洋立国推進功労者表彰(内閣総理大臣賞)の概要 (PDF形式)
お問い合わせ先
国土交通省海事局総務課海洋教育・海事振興企画室 宮西、梅原、髙橋
TEL:03-5253-8111 (内線 43-211、43-142、43-215) 直通 03-5253-8946
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添付資料1 同時発表:文部科学省、農林水産省、 令和 8 年 7 月20日 経済産業省、環境省 海 事 局 総 務 課 海洋教育・海事振興企画室
第 19 回海洋立国推進功労者内閣総理大臣表彰について
国土交通省、文部科学省、農林水産省、経済産業省及び環境省が内閣府総合海洋政 策推進事務局の協力を得て実施している「第 19 回海洋立国推進功労者表彰」(内閣 総理大臣賞)において、以下の 4 名及び 3 団体が受賞されることとなり、令和 8 年 7 月 20 日(月・祝)、東京国際クルーズターミナルにおいて表彰式を行いました。
日 時:令和8年7月20日(月・祝)10時30分~11時00分 場 所:東京国際クルーズターミナル 3階式典会場
受賞者:
1.「海洋立国日本の推進に関する特別な功績」分野 みしま しん じ ろ う 〇 三島 愼次郎(一般財団法人 次世代環境船舶開発センター 顧問) 【産業振興 部門】 (功績概要) 日本造船業における再編・協業と次世代船舶開発の立役者
いっぱんしゃだんほうじん ま り ん え こ ら べ る じ ゃ ぱ ん きょうぎかい 〇 一般社団法人 マリン・エコラベル・ジャパン協議会 【普及啓発・公益増進 部門】 (功績概要) 日本発の水産エコラベル認証による持続可能な水産業の推進
さとう しんじ 〇 佐藤 愼司(高知工科大学 システム工学群 特任教授) 【科学技術・学術・研究・開発・技能 部門】 (功績概要) 海岸の侵食機構解明や気候変動対応等、海岸保全対策に貢献 2.「海洋に関する顕著な功績」分野 にしおか じゅん 〇 西岡 純 (北海道大学 低温科学研究所 環オホーツク観測研究センター 教授) 【海洋に関する科学技術振興 部門】 (功績概要) 北西太平洋の海洋生物生産を支える鉄分等の供給・循環過程の解明
くまもとけんりつあまくさこうとうがっこう か が く ぶ 〇 熊本県立天草高等学校 科学部 【水産振興 部門】 (功績概要) 地球温暖化対策としてアマモの生育研究を継続、地域の環境保全意識向上に貢献
よしだ こういち 〇 吉田 公一(元 一般財団法人 日本舶用品検定協会 顧問) 【海事 部門】 (功績概要) 船舶に係る国際基準及び国際規格の策定に寄与
くまもとけんりつあしきたこうとうがっこう りんぎょうか 〇 熊本県立芦北高等学校 林業科 【自然環境保全 部門】 (功績概要) アマモ場再生活動で未来へつなぐ芦北高校プロジェクト
別紙資料 資料1 各受賞者の功績事項 資料2 海洋立国推進功労者表彰(内閣総理大臣賞)の概要
C to Sea プロジェクト: 【問い合わせ先】 海や船が「楽しく身近な存在」に 海事局総務課海洋教育・海事振興企画室 なるための取組み。 ポータルサイト「海ココ」 担当者:宮西、梅原、髙橋 ↓ 代表:03-5253-8111(内線 43211、43142、43215) 直通:03-5253-8946
【関係省庁問い合わせ先】 文部科学省研究開発局海洋地球課 03-6734-4146(直通) 農林水産省水産庁漁政部企画課 03-6744-2343(直通) 経済産業省資源エネルギー庁資源・燃料部政策課 03-3501-2773(直通) 環境省水・大気環境局海洋環境課 03-5521-9023(直通) 吉富 03-5521-8247(直通)
添付資料2 資料1
1.海洋立国日本の推進に関する特別な功績 分野 産業振興 部門 み し ま しん じ ろ う 氏 名 三島 愼次郎 年齢 76 一般財団法人 所 属 次世代環境船舶開発センター 顧問 日本造船業における再編・協業と 功績の概要 次世代船舶開発の立役者 功 績 事 項 三島氏は、ユニバーサル造船株式会社およびジャパン マリンユナイテッド株式会社の社 長を歴任し、2度にわたる造船大手同士の統合交渉を主導するなど、日本造船業の再編と 国際競争力強化に大きく貢献した。
ユニバーサル造船株式会社の設立に際しては、日本鋼管株式会社と日立造船株式会社の 技術力を融合し、得意船種の開発や連続建造によるコスト削減を推進して競争力の高い企 業へと成長させた。
その後、韓国・中国勢との競争激化を見据え、ユニバーサル造船株式会社と株式会社ア イ・エイチ・アイ マリンユナイテッドの統合を実現し、2013 年にジャパン マリンユナイ テッド株式会社を発足させた。社長として、3社の技術的強みを結集し、技術力による差 別化を進めることで、日本造船業の国際競争力向上に寄与した。
また、2019 年から2年間、日本船舶海洋工学会会長を務め、2022 年からは次世代環境船 舶開発センター(GSC)理事長として、産官学連携による技術開発を推進した。特に、国際 海事分野の脱炭素化に対応するため、 「自社努力だけではなく、共同で取り組み成果を共有 すべき」との方針を掲げ、造船会社や海運会社、研究機関等との協力のもと、温室効果ガ スを排出しないゼロエミッション船の共同研究・設計を主導し、日本の造船・海事産業の 競争力強化に尽力した。
このように三島氏は、業界再編の推進と技術開発の両面から日本造船業の発展に貢献し、 脱炭素社会に向けた産業競争力の再構築に重要な役割を果たした。
※アンモニア燃料ばら積み貨物船の開発 1.海洋立国日本の推進に関する特別な功績 分野 普及啓発・公益増進 部門 いっぱんし ゃ だ ん ほうじん 一般社団法人 氏 名 ま り ん え こ ら べ る じ ゃ ぱ ん きょう ぎ か い マリン・エコラベル・ジャパン 協 議会 所 属 ― 日本発の水産エコラベル認証による 功績の概要 持続可能な水産業の推進 功 績 事 項 マリン・エコラベル・ジャパン(略称:MEL(メル))は、日本発の水産エコラベル認証 制度で、水産資源の持続性と環境に配慮している生産者(漁業・養殖業)と認証水産物を 取り扱う加工・流通業者などを第三者審査で認証し、商品に MEL のロゴマークを付与して 消費者に届けることができる仕組みである。 1.2005 年に FAO(国連食料農業機関)の水産委員会が「水産エコラベルのためのガイドライ ン」を採択したことを受けて、2007 年に一般社団法人大日本水産会内に MEL の源流である 「マリン・エコラベル・ジャパン」が設立された。2020 年の開催が予定されていた、東 京オリンピック・パラリンピックで使用する水産物の調達への対応を踏まえ、2016 年 12 月に「国際標準化を実現する」という使命のもと現在の一般社団法人 MEL 協議会として再 出発し、今年で発足から 10 年を迎える。漁業認証、養殖認証、流通加工段階認証の3つ の規格の要求事項や評価基準の作成・管理を行っており、MEL 認証取得事業者の資源管理 や環境保全の取組が第三者により客観的に評価・可視化されることで、社会的信頼の向上 に寄与している。2026 年3月末時点で、漁業認証 24 件、養殖認証 68 件、流通・加工段階 認証 188 件と 280 件の認証実績がある。 2.MEL は、2019 年に国際標準を満たしているスキームとして GSSI 承認を受けている。GSSI 承認を受けたのはアジア初の快挙であり、欧米の大手小売事業者等において、「GSSI 基準 を満たす認証商品」が調達条件となる中、国内事業者は MEL によりローコストで欧米への 輸出機会が増大した。さらに、MEL 協議会は 2025 年4月にアメリカの CSC(サーティファ イド・シーフード・コラボレーティブ)と CoC 相互承認に関する覚書を締結し、その後 CSC により設立された CSI(サーティファイド・シーフード・インターナショナル)とも議論 を継続している。今後、日本の持続可能な水産物の海外への輸出増大への貢献も期待され ている。 3.2025 年6月に漁業認証規格バージョン 3.0 を発効し、改正漁業法に基づく資源管理や流 通の適正化に対応する他、労働環境の確保、漁具の流失を抑える取組を評価するなど社会 的責任の項目を盛り込み、事業者の社会的信頼や評価を高めることにも貢献している。 1.海洋立国日本の推進に関する特別な功績 分野 科学技術・学術・研究・開発・技能 部門 さとう しんじ 氏 名 佐藤 愼司 年齢 67
所 属 高知工科大学 システム工学群 特任教授
海岸の侵食機構解明や気候変動対応等、 功績の概要 海岸保全対策に貢献 功 績 事 項 40 年以上の長期にわたり、長期的な海岸変形・侵食機構の解明、流砂系の土砂管理と環 境保全対策等の基礎研究、津波・高潮の防災や沿岸域の環境保全など現実社会の課題解決 に資する研究活動に取り組み、海岸工学の発展や各地の海岸保全対策の推進に貢献した。 1. 海岸における侵食機構の解明やその対策、気候変動下における津波・高潮からの防災、 沿岸域の環境保全など海岸工学の中でも幅広い分野で多くの先駆的な研究成果を上げ ている。また、海岸や防災をテーマとした各種シンポジウム等での講演や著書を通じ て研究成果の普及や意識啓発にも取り組んでいる。 2. 令和4年には UAV を用いた高頻度の現地観測から砂礫海岸における土砂の移動メカニ ズムを考察した論文を公表し、土木学会の海岸工学論文賞を受賞するなど、近年にお いても、その研究成果は高く評価されている。また、土木学会海岸工学委員会の 「Coastal Engineering Journal」において多数の論文発表を行い、平成 28 年に「CEJ Best Citation Award」を受賞したほか、米国土木学会主催の海岸工学国際会議等の国 際学会において多数の研究発表を行うなど、国外への研究成果の発信も多い。 3. 国土交通省が設置した「気候変動を踏まえた海岸保全のあり方検討委員会」の座長を 務め、今後の海岸保全のあり方や海岸保全の前提となる外力の考え方、気候変動を踏 まえた整備手法等について提言をとりまとめた。この提言を踏まえ、国土交通省及び 農林水産省は、海岸法に基づく海岸保全基本方針を変更しており、佐藤氏の貢献によ り国内における気候変動を踏まえた海岸保全の大きな方針が定まった。 4. 東日本大震災を受けて設置された国や土木学会等の委員会に数多く参画し、海岸堤防 の設計津波や粘り強い海岸堤防の考え方、津波防災地域づくり法に基づく各種施策の 技術基準のとりまとめなど、海岸行政の大転換にあたって多大なる貢献をされた。
気候変動を踏まえた海岸保全への転換 ■IPCC 海洋・雪氷圏特別報告書(SROCC)(令和元年9月) ハード対策 1986~2005年に対する2100年までの平均海面水位の上昇範囲は、 RCP2.6では0.29-0.59mと予測。 面的防護 ・砂浜保全 ℃ <世界の平均気温の将来予測> ・沖合施設
RCP2.6(2℃上昇相当)※1 線的防護 RCP8.5(4℃上昇相当)※2 ・越流防止 ※1:パリ協定の2℃目標に相当する、21世紀末に温室効果ガス の排出をゼロにした場合のシナリオ ・越波抑制 ※2:現在のように温室効果ガスを排出し続けた場合のシナリオ
将来の降雨量は 1.1~1.15倍 ソフト対策
・高潮の予測 技術の高度化 ・浸水予測 <IPCCによる海面水位の上昇量> 1.0 ・タイムライン 等 0.43m 0 1950 2000 2050 2100
気候変動による外力変化イメージ 波浪の強大化等 ハード・ソフトを組み合わせた 浸水が防止 浸水 防護施設 避難路 の影響分 余裕高 地域づくり される区域 (閘門) 避難場所 (高台) 計画波浪に 潮位偏差の 対する必要高 変動量 津波避難ビル ・浸水想定区域の指定 防護施設 (兼用工作物) 避難ビル
主要指標 — KEY FIGURES
避難タワー 潮位偏差 ・リスクに応じた 宅地の嵩上げ 砂浜
土地利用 等 避難タワー
平均海面水位 朔望平均満潮位 の上昇量 浸水想定区域 海岸堤防 砂浜
海岸線の後退 <現在の設計> <変化する外力> 2.海洋に関する顕著な功績 分野 海洋に関する科学技術振興 部門 にしおか じゅん 氏 名 西岡 純 年齢 56
北海道大学 低温科学研究所 所 属 環オホーツク観測研究センター 教授 北西太平洋の海洋生物生産を支える 功績の概要 鉄分等の供給・循環過程の解明 功 績 事 項 日本の水産資源維持機構や地球規模の炭素循環の理解につながる重要な課題である西 部北太平洋における鉄分等の栄養物質循環と植物プランクトンの増殖機構の解明に貢献。
1.1990 年代に「微量栄養物質である鉄分の不足によって外洋の植物プランクトンの増殖 が制限されている」という「鉄仮説」が提唱された。海洋中の鉄濃度が西部北太平洋 の植物プランクトン生産量の変動にどう関与しているのかを長年にわたって調査した 結果、西部北太平洋では鉄の供給が植物プランクトン増殖を制御する要因であり、 「鉄 仮説」が正しいことを明らかにした。 2. 鉄の供給量と植物プランクトン増殖量の関係を明らかにするために、日本とカナダの 研究船で、超微量な鉄分を分析する難度の高い「クリーン採水技術」を用い、北太平 洋亜寒帯の東西両海域の鉄濃度を高精度で分析した。その結果、西部北太平洋の深さ 500~1000m に存在する中層水中の鉄濃度が東部海域に比べて2倍以上高く、西部海域 の植物プランクトン増殖に利用されている鉄分は、従来考えられていた大気の塵由来 が主ではなく、高い鉄濃度をもつ中層水から鉛直混合過程を経て表層に供給されてい ることを示した。 3.2006 年から 2019 年にかけてロシア極東海洋気象学研究所との共同研究を進め、ロシ アの縁辺海での観測を実現し、太平洋との接続海域であるオホーツク海とベーリング 海にてボーダレスな観測を実施した。その結果、海氷の生成によって駆動される中層 の循環によって、オホーツク海の大陸棚からアムール川起源と考えられる大量の鉄が 北太平洋に広域に供給されていることを見出した。またこの鉄が、ベーリング海で形 成される中層水塊の高い栄養塩と混じり合うことで、西部北太平洋の植物プランクト ン増殖や物質循環が維持されているという新知見を得た。 4.20 年以上かけて推進してきたこれらの研究活動によって、グローバルな海洋大循環の 終焉部である北太平洋で、縁辺海と外洋を繋ぐ鉄や栄養塩の供給過程の3次元的描像 を明らかにした。この成果は、今後の北西太平洋における生物資源変動や炭素循環の 将来予測にも資する。また、国際 GEOTRACES(海洋の微量元素・同位体による生物地球 化学研究)プロジェクトの国際科学委員会の共同議長とし ての活動にもつな がり、世界の海洋 研究をリードする 国際的な活動にも 結びついている。 2.海洋に関する顕著な功績 分野 水産振興 部門 く ま も と けんりつ あまくさ こうとうがっ こう か が く ぶ 氏 名 熊本県立天草高等学校 科学部
所 属 ― 校章等 地球温暖化対策としてアマモの生育研究を 功績の概要 継続、地域の環境保全意識向上に貢献 功 績 事 項 熊本県立天草高等学校は、平成 29 年度に文部科学省からスーパーサイエンスハイスク ール(SSH)の指定を受け、生徒主体の研究活動や探究型授業などを実施している。科学 部の活動は SSH 事業の一つであり、令和7年度は、3学年合わせて 32 名で活動しており、 顧問4名のサポートの下、生徒が設定したテーマに沿って研究を行っている。令和7年度 全国豊かな海づくり大会において「アマモの生育と二酸化炭素吸収に関する研究、アマモ 専用肥料開発の研究」で農林水産大臣賞を受賞したが、水産高校ではなく、普通科の高校 が農林水産大臣賞を受賞したことは快挙である。
1.海面上昇予測を背景にアマモによる CO₂吸収に着目し、アマモの生育に関する研究を 行った。平成 30 年度から分布状況調査や先行研究調査を行い、発芽率が3割程度で あることを確認した。令和元年度以降は、ナノバブル水での栽培実験で成長促進効果 を確認した。令和3年度以降は底質や水温・塩分の影響を研究し、魚糞による生育促 進効果を確認した。令和6年度からは魚糞に加え、カリウムの多い肥料を加え、魚糞 に含まれる窒素の分解を促進する菌を投入した実験を行い、アマモの専用肥料の開発 に取り組んでいる。先輩の研究を後輩が引継ぎ、発展させ、実績を積み上げている。 2.令和5年度からは、天草市が設置したブルーカーボン推進協議会に参加し、普通科高 校ではつながりの薄い天草漁協や漁業者と連携を図ること で、本渡港沖の共同調査を実施した。結果として、海底泥の 分析により粒径や貝殻片とアマモ分布の関連性を示唆するこ とができ、次年度も関係者と協働で水流計測を計画している。 高校生・行政・地元漁業者の協働により、沖合アマモ場の新 知見を得て、定植地選定に重要な基盤を築くことができた。 共同調査 3.天草を守るために何かをしたいという思いから、調査・研究を行うだけでなく環境保 全の重要性を一般に発信することが必要と考え、令和3年度 から天草市と共催で年1回「環境シンポジウム~アマプロ (Amakusa Protect Project)」を開催している。その中で、講 演や研究発表、天草市長や地域の団体を交えたパネルディス カッションを行い、地域住民の環境保全意識の向上に貢献し ている。 パネルディスカッション 4.動画制作・配信を通じて小中学生への啓発も行っている。こうした取組を通じて同校 卒業生の多くは環境分野へ進学、後輩指導や地域調査を継続しており、環境保全に尽 力する人材育成にも貢献している。 2.海洋に関する顕著な功績 分野 海事 部門 よしだ こういち 氏 名 吉田 公一 年齢 75
元 一般財団法人 顔写真 所 属 日本舶用品検定協会 顧問 船舶に係る国際基準及び国際規格の策定 功績の概要 に寄与 功 績 事 項 これまで 50 年間の長きにわたって海事関連業務に携わり、40 年以上にわたって国際海 事機関(IMO)の海上安全委員会(MSC)、海洋環境保護委員会(MEPC)及び各委員会等に 日本代表顧問として参加し、小委員会の議長を努めるなど、船舶に係る国際基準の策定に 大きく貢献するとともに、製品やサービスの国際標準である「ISO 規格」の船舶関連分野 においても、長期にわたって国際標準化機構(ISO)の各種委員会に参加し、議長を務め るなど、船舶の安全や海洋環境の保護に大きく貢献した。
1.平成6年には、IMO の常設小委員会の議長に我が国から初めて選出され、防火小委員 会の議長を 10 年間務め、現在の国際船舶防火消防安全規則の礎を築いたと言っても過 言ではなく、船舶火災安全分野の第一人者といえる。 平成 11 年からは、IMO の作業部会の議長等として、総 合安全評価方法(FSA)を主導的に策定し、平成 13 年 からは、FSA の手法を活用し、貨物船の新たな規則体 系となる目標指向型基準(GBS)の創出を主導するとと もに、GBS を海上人命安全(SOLAS)条約に導入するこ とに貢献した。
2.海洋環境保護に関しては、平成 15 年の IMO 第 23 回総会における技術委員会の議長に 就任し、IMO で最初の温室効果ガスに対する施策と実施に関する総会決議をとりまとめ た。 平成 19 年からの IMO・GHG スタディでは、国際船舶からの GHG 排出算定方法を提供し、 第2次 GHG スタディ報告書のとりまとめに貢献した。平成 20 年からは、MEPC の「大気 汚染防止・エネルギー効率作業部会」の議長を 13 年間務め、新造船の燃費基準である エネルギー効率設計指標に係る海洋汚染防止(MARPOL)条約の改正案や船舶からの酸化 窒素ガス及び酸化硫黄ガス排出制限の MARPOL 条約の改正に係る諸基準などをとりまと めた。これにより、地球温暖化防止に係る京都議定書のホスト国としての我が国の責務 の履行とプレゼンスの向上に大きく貢献した。
3.国際標準分野においても、日本を代表する技術者として ISO の複数の技術委員会(TC) に昭和 55 年以来参加するとともに、火災の安全と発達委員会(SC1)の議長を 10 年間 務め、船舶の火災拡大メカニズムや材料の評価方法に関する国際規格策定を主導すると ともに、海洋環境保護技術委員会(SC2)では、12 年間議長を務め、船舶に搭載する環 境汚染防止装置や排水処理装置などの国際規格の策定も主導した。さらに、IEC におけ る火災安全委員会の作業部会に平成7年以来参加し、平成 31 年以来作業部会の議長を 務め、電気電子製品の火災安全に貢献してきている。 2.海洋に関する顕著な功績 分野 自然環境保全 部門 く ま も と けんりつ あしきた こうとうがっこう りんぎょうか 氏 名 熊本県立芦北高等学校 林業科
所 属 ―
アマモ場再生活動で未来へつなぐ 功績の概要 芦北高校プロジェクト 功 績 事 項 熊本県立芦北高等学校林業科(以下、芦北高校林業科)では、「森は海への栄養塩供給 や土砂の流出を防ぐなどの機能を持ち、海洋生態系を支えているのは川を通じて上流に広 がる豊かな森林である」という里海づくりの考えを前提に、森里川海を豊かに保ち、その 恵みを引き出すため、陸域から沿岸域に至るまで継ぎ目なく様々な取組を行っている。こ の取組の一つであるゲンジボタル等の生息環境づくりでは、平成 24 年の「みどりの日」 自然環境功労者環境大臣表彰を受賞している。
さらに、同様の考え方のもと、アマモ場の再生活動にも尽力している。熊本県芦北町計 石漁港周辺では、昭和 50 年代には 13ha あったアマモ場が、2003 年には 0.025ha まで減少 しており、アマモ場の消失とともに漁獲量の減少が続く芦北町漁協の漁業者からの依頼を 受け、2003 年から生徒が主体となり、アマモ場再生に資する研究、アマモが消失したエリ アへの苗の移植や、アマモの花枝を結び付けたロープを海中に沈めることによる種子の供 給などについて、学年から学年へ途絶えることなく受け継ぎ、23 年間取組を継続してきた。
この取組では、芦北高校林業科が林学の知識・技術を応用し 独自に考案した、アマモの種子を効率的に供給する「ロープ式 下種更新法」や、アマモ苗を束にして移植する「密植法」など の方法により、2003 年時点で 0.025ha にまで減少したアマモ場 を、2020 年には 5.5ha にまで再生することに成功した。同年7 月の熊本豪雨では土砂が堆積し再び 0.31ha まで減少したが、豪 雨災害後も堆積した土砂を利用したアマモの育成手法を考案 ロープ式下種更新法 し、苗の移植や生育状況の調査、底質の分析なども行っている。 また、アマモ場再生に関する普及啓発活動も行い、芦北地区の アマモ場の再生に貢献している。
さらに、2023 年からは鹿島建設株式会社、公益財団法人肥後 の水とみどりの愛護基金、株式会社肥後銀行と連携し、芦北地 区におけるアマモ場再生に向け相互に協力することとなり、 2024 年にはこれら6者による「芦北地域におけるアマモ場をは じめとする藻場の再生に関する連携協定」が締結された。この アマモ調査の様子
体制の中で、芦北高校林業科は現場での活動の中心であり、地 域活性化の取組の中核を担っている。
添付資料3 資料2
海洋立国推進功労者表彰(内閣総理大臣賞)の概要
1 趣 旨 海洋政策を強力に推進し新たな海洋立国日本の実現を図るためには、海洋 に関する国民の理解の増進を図ることが不可欠であり、海洋基本法において も、国がそのための普及啓発活動等に取り組むべきことが規定されている。 このため、平成20年より「海洋立国推進功労者表彰」を設け、科学技 術、水産、海事、自然環境など海洋に関する幅広い分野における普及啓発、 学術・研究、産業振興等において顕著な功績を挙げた個人・団体を表彰し、 その功績をたたえ広く紹介することにより、国民の海洋に関する理解・関心 を醸成する契機とする。
2 表彰者 内閣総理大臣
3 対象分野 科学技術、水産、海事、自然環境など海洋に関する幅広い分野での功績を 対象とする。
4 実施省庁 文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省及び環境省が、内閣府 総合海洋政策推進事務局の協力を得ながら実施。
5 表彰者数 1.「海洋立国日本の推進に関する特別な功績」分野 計4名以内 2.「海洋に関する顕著な功績」分野 各部門1名以内 計4名以内
6 選考の方法 (1)候補者については、関係各省の推薦による。 (2)有識者からなる中立的な選考委員会を設置し、受賞者の選考を行う。
7 表彰の実施日 毎年、7月の「海の日」前後に表彰式を行う。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:表彰
- 関連組織:次世代環境船舶開発センター / マリン・エコラベル・ジャパン協議会 / ユニバーサル造船株式会社