令和8年8月7日

国土交通省では、交通分野におけるイノベーションを促進するため、「交通運輸技術開発推進制度」により、革新的な技術の開発を推進しています。

主要指標 — KEY FIGURES

6
新規研究課題6件を採択しました
3
最長3年程度で成果が見込まれるものを対象とする公募枠
2
2年程度で成果が見込まれるものを対象とする公募枠
2パーセント
機体全体で約 2%の燃費改善を目標とし

この度、船舶の自動運航に資する技術の研究など、新規研究課題6件を採択しました。

交通運輸技術開発推進制度は、安全安心で快適な交通社会の実現や環境負荷軽減等に資するイノベーティブな技術を発掘から社会実装まで支援する競争的資金制度です。毎年度、交通運輸分野の政策課題の解決に資する研究開発テーマについて研究課題の公募を行い、提案された研究課題の中から優れたものを研究開発業務として委託しています。

今般、外部有識者委員会における評価や行政ニーズを踏まえ、一般型 (※1) 、マッチング推進型 (※2) 及びSBIR省庁連携型 (※3) として以下のとおり本年度の新規研究課題を採択しましたのでお知らせします。

本研究課題の概要につきましては、別紙をご覧ください。

採択課題名

一般型 船舶における周辺認知機能の評価体系の構築に関する研究

有線給電型大型UAVと自動測量システムによる法面の吹付の自動化

マッチング推進型 航空機へのリブレット適用にむけた飛行安全性・効果検証並びに整備性の検討

航空機用バリアフリーラバトリーの研究開発

港湾工事における潜水作業の生産性・安全性向上に向けた水中部の簡易な状況把握に係る技術開発

SBIR省庁連携型 港湾の処理能力を考慮した混雑予測に基づく海運事業者の意思決定支援システムの開発

(※1)一 般 型:概念実証や実現可能性調査で得られた成果等を前提として取り組む研究開発のうち、最長3年程度で成果が見込まれるものを対象とする公募枠

(※2)マッチング推進型:行政機関等から具体的な技術開発ニーズを募集し、ニーズに沿ったテーマを設けることで、ニーズとシーズのマッチングを図り、早期の社会実装実現を目指す公募枠

(※3)SBIR省庁連携型:他省庁・他機関における研究開発支援による概念実証や実現可能性調査の成果等を前提として取り組む研究開発のうち、2年程度で成果が見込まれるものを対象とする公募枠

添付資料

報道発表資料 (PDF形式)

別紙 (PDF形式)

お問い合わせ先

国土交通省 総合政策局 技術政策課 川津、加納

TEL:03-5253-8111 (内線25615、25626) 直通 03-5253-8950

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添付資料1 令和8年8月7日 総合政策局技術政策課

交通運輸技術開発推進制度の令和8年度新規研究課題を決定 ~交通運輸分野におけるイノベーションを推進~

国土交通省では、交通分野におけるイノベーションを促進するため、「交通運輸技術 開発推進制度」により、革新的な技術の開発を推進しています。 この度、船舶の自動運航に資する技術の研究など、新規研究課題6件を採択しました。

交通運輸技術開発推進制度は、安全安心で快適な交通社会の実現や環境負荷軽減等に資するイノベー ティブな技術を発掘から社会実装まで支援する競争的資金制度です。毎年度、交通運輸分野の政策課題の 解決に資する研究開発テーマについて研究課題の公募を行い、提案された研究課題の中から優れたもの を研究開発業務として委託しています。 今般、外部有識者委員会における評価や行政ニーズを踏まえ、一般型(※1)、マッチング推進型(※2)及び SBIR 省庁連携型(※3)として以下のとおり本年度の新規研究課題を採択しましたのでお知らせします。 本研究課題の概要につきましては、別紙をご覧ください。

採択課題名 船舶における周辺認知機能の評価体系の構築に関する研究 一般型 有線給電型大型 UAV と自動測量システムによる法面の吹付の自動化 航空機へのリブレット適用にむけた飛行安全性・効果検証並びに整備性の検討 マッチング 航空機用バリアフリーラバトリーの研究開発 推進型 港湾工事における潜水作業の生産性・安全性向上に向けた水中部の簡易な状況把握に係 る技術開発 SBIR 港湾の処理能力を考慮した混雑予測に基づく海運事業者の意思決定支援システムの開発 省庁連携型

(※1)一 般 型:概念実証や実現可能性調査で得られた成果等を前提として取り組む研究開発のうち、最長3年程度で成果が 見込まれるものを対象とする公募枠 (※2)マッチング推進型:行政機関等から具体的な技術開発ニーズを募集し、ニーズに沿ったテーマを設けることで、ニーズと シーズのマッチングを図り、早期の社会実装実現を目指す公募枠 (※3)SBIR 省庁連携型:他省庁・他機関における研究開発支援による概念実証や実現可能性調査の成果等を前提として取り組む 研究開発のうち、2年程度で成果が見込まれるものを対象とする公募枠

【問合せ先】 総合政策局 技術政策課 川津、加納 代表:03-5253-8111(内線:25615、25626) 、直通:03-5253-8950

添付資料2 別紙

令和8年度交通運輸技術開発推進制度 新規研究課題の概要

<一般型>

採択課題名 船舶における周辺認知機能の評価体系の構築に関する研究

研究実施者 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所 (※は代表者)

○ 現在の自動運航船の安全評価では、周囲の船舶や障害物をすべて把握できて いることを前提とする場合が多く、監視システムによる見落としや見失いが 安全性に与える影響を十分に考慮できていない。 ○ 本研究では、見落としや見失いを含めた安全性評価を実現するため、沿岸の 衝突事故を分析し、自動運航船と周囲の船舶・障害物との近づき方(接近パ ターン)を整理する。また、周囲の状況を把握する機能を、「見つける」 「種 類を見分ける」「位置を把握する」「動きを追う」 「今後の動きを予測する」の 5 つに分け、シミュレーションにより、接近パターンごとに安全な回避判断 に必要な機能と性能を明らかにする。 自動運航船の安全評価 概要 ✓ 船舶や障害物との接 把握 近場面を設定 見落とし ✓ 把握や見落としなどの 再現 ✓ シミュレーションで評価

途中での見失い

自船 把握が不完全な場合でも 安全を確保するために必 現状 本研究 要な機能・性能を特定 周囲の船舶や障害物をす 見落とし/途中で見 べて把握できていると想定 失う場合なども想定

○ 見落としや見失いを含めて安全性を評価することで、カメラやレーダなどの 組合せと必要性能を適切に検討することが可能となり、それらを用いた安全 性評価もより適切に行える。 効果 ○ 国内開発者による自動運航船の安全設計・評価に活用することで、より安全 な自動運航船の実現と社会実装を促進する。さらに、国際的な安全基準・規 格に反映することで、日本の海事産業の国際競争力強化に資する。 <一般型>

採択課題名 有線給電型大型 UAV と自動測量システムによる法面の吹付の自動化

研究実施者 エアロセンス株式会社(※) (※は代表者) 東興ジオテック株式会社 ○ 豪雨・地震による法面崩落が交通インフラ復旧の大きな課題となる一方、従 来の吹付施工は危険な高所作業で、熟練者不足も深刻化している。 ○ 本研究では、大電力有線給電式の大型 UAV に、自動飛行・高精度測位・吹付 厚計測・飛行経路生成技術を統合し、安定制御を含む法面吹付施工の自動化 を実現する。

概要

○ 災害時における道路復旧作業の迅速化・効率化と、施工安全性の向上に寄与 する。従来、作業員が担っていた危険な高所ロープ作業を UAV に置き換える ことで、墜落・転落などの重大労働災害リスクを大幅に低減する。熟練者の 効果 施工技能をデジタルデータ化し、AI による施工判断に活用することで、UAV、 自動計測、AI 解析、施工制御を統合した「自律インフラ施工」という新たな 技術領域を創出する。 LiDAR:レーザー光で対象物までの距離や形を測る技術 植生基材:植物が育ちにくい岩肌や硬い法面に緑を蘇らせるために使われる人工的な土壌 <マッチング推進型>

採択課題名 航空機へのリブレット適用にむけた飛行安全性・効果検証並びに整備性の検討 株式会社ニコン(※) 研究実施者 川崎重工業株式会社 (※は代表者) 全日本空輸株式会社 ○ 本研究は塗装後の航空機表面にニコンのレーザー加工で直接リブレット1)を 形成し、胴体・主翼を含む機体全体への適用を目指す。 ○ 本川崎重工と共同で空力評価・風洞試験を実施、また ANA と共同で整備性・ 運用面を検証する。 ○ 風洞試験、耐久・洗浄試験、施工・補修手順の確立を通じて飛行安全性と性 能影響を評価し、実機試験・認証取得に向けた技術基盤を構築する。

概要 1)

○ 機体全体で約 2%の燃費改善を目標とし、運航中の CO2 排出削減と燃料費低減 に寄与する。 ○ レーザー直接加工によりフィルム方式の剥離や施工品質問題を解消し、施工 効果 自動化で工数・コストを低減し、かつ均質な施工が可能になる。 ○ 耐久性・洗浄性を担保し認証を得ることで実機導入が進み、産業競争力や脱 炭素目標達成に貢献する。 1)表面に刻む幅・深さがごく小さい溝のこと。流体の表面近傍の流れを整え、摩擦や乱れを抑えて抵抗 を低減する目的で使われる。 <マッチング推進型>

採択課題名 航空機用バリアフリーラバトリーの研究開発

研究実施者 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(※) (※は代表者) 株式会社ジャムコ ○ 航空機のラバトリー(機内トイレ)は狭小で使いにくく、特に車椅子利用者 にとってその利用は大きな負担となっている。 ○ 研究実施者はこれまでに、機内通路を一時的に活用して大空間のトイレを形 成する航空機用バリアフリーラバトリーのコンセプト「メタモルフィック・ ラバトリー」を提案している。 ○ 本研究開発では、当該コンセプトの実機搭載を想定した時に懸念される重量 増加の課題と、運用性や利便性といった商品性に関する課題を解決し、実機 搭載条件での成立性を実証する。 概要 航空機用バリアフリーラバトリーのコンセプト 第1の研究内容 可動部材の支持部周辺構造の軽量化 「メタモルフィック・ラバトリー」

搭乗扉 正面に配置 標準形態 大空間 機首側 形態

標準 LAV

多目的 搭乗扉 標準トイレ スペース 内部隔壁支持部 おむつ替え用ベッド支持部

機内通路 第2の研究内容 運用性および利便性の諸課題解決 仮想的な機種の条件で提案したコンセプト ➔実機相当条件での成立性検証が必要 多目的 エアラインや車椅子利用者等によるユーザーレビューも 形態 実施しつつ、ラバトリーのデザインを改善する 機尾側

○ 提案する航空機用バリアフリーラバトリーが実機に搭載されることで、地上 のバリアフリートイレと同等の機能を有する設備をフライト中に使用できる 効果 ようになり、多くの乗客のトイレに関する問題が解決される。特に、これま で機内でトイレを利用することが困難であった、全介助の必要な車椅子利用 者がトイレを利用可能になる点は画期的である。 <マッチング推進型> 港湾工事における潜水作業の生産性・安全性向上に向けた水中部の簡易な状況 採択課題名 把握に係る技術開発

研究実施者 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所 (※は代表者)

○ 国民生活や経済活動の基盤となる港湾施設インフラの整備・維持管理には潜 水作業が必須である。しかし、その作業を担う潜水士は減少しており、潜水 作業の効率向上や若手潜水士の育成は喫緊の課題である。さらに透明度の低 い海域では正確な状況伝達や指示が難しく、効率的な作業計画が立てにくい ほか、予期しない障害物やゴミが存在する場合があり、これらは潜水士の危 険につながっている。 ○ 水中 ICT 建設機械のソナー計測技術1)を一般的な潜水士作業にも応用し水 中部の状況を容易に可視化することで、潜水前の安全確認のほか、3D デー タを作業進捗管理や作業計画などに利用し効率的な水中作業を実現する。

概要

○ 潜水作業直前・直後の水中状況を容易に可視化する技術を開発することで、 潜水作業の安全性向上のほか、潜水士作業の ICT 化が図られることで、 ・潜水作業前後の水中部状況把握による作業計画策定(効率化) 効果 ・複数の潜水士や陸上・船上作業員との水中状況の事前共有(安全性向上) ・熟練潜水士と若手のコミュニケーションツール利用(教育・技能の継承) が可能となる。 1)プロファイルソナーの断面計測データを用い旋回スキャン動作することで周囲のマウンド形状を点 群で表示する。透明度に依存せず三次元表示が可能。 <SBIR 省庁連携型> 港湾の処理能力を考慮した混雑予測に基づく海運事業者の意思決定支援システム 採択課題名 の開発 研究実施者 株式会社 Function ○ 港湾の混雑によって発生する沖待ち 1)やそれに伴う定時運航率の低下は物流 全体に波及する深刻な課題である。年々増加する船会社側の需要に対して、 港湾側は技術者不足による処理能力(供給)低下が課題となっている。 ○ 既存の港湾混雑予測はこれら需要/供給の両面のダイナミクスを考慮できて おらず、精度・解釈性の低さという課題に直面している。既存の航行支援技 術は港湾の混雑状況に応じて「いつ、どのように速度調整をすれば良いか、 抜港 2)をすべきか否か」という船会社の実行判断までは支援できていない。 ○ 本研究は、交通工学の知見に基づき船会社の需要と港湾の供給能力をそれぞ れ記述し、高精度な混雑予測とその要因把握を両立する技術を確立する。こ の技術に基づき、船会社の速度調整や抜港判断を最適化する強化学習モデル を構築し、海運事業者の意思決定を支援するシステムを開発する。

概要

○ 船会社は、港湾の状況に応じて航行速度や到着時刻を調整できるようになり、 無駄な高速航行や沖待ちを減らすことで、燃料消費、温室効果ガス排出量及 び運航コストの削減と、定時運航率の向上が期待できる。 効果 ○ 港湾は、供給能力の変動を定量的に把握し船会社の需要を予測することで、 限られた処理能力の有効活用や、自動化等の技術投資の検討が可能となる。 ○ 船会社の意思決定のモデル化と、港湾の処理能力の変動及び要因把握を組み 合わせることで、船会社・港湾双方に最適な港湾運用の検討が可能となる。 1)船舶が入港する際に、港の係留施設が空くまで沖合で待機すること。 2)運航計画で予定していた港への寄港を取りやめ、次の港へ向かうこと。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:政策
  • 関連組織:エアロセンス株式会社 / 東興ジオテック株式会社 / 株式会社ニコン