株式会社エムティーアイ(以下、「当社」)は、すべての女性の一生に寄り添うウィメンズヘルスケアサービス『ルナルナ』の自治体向け事業「ルナルナ みらいサポート」について、慶應義塾大学商学部・山本晶教授、大阪大学大学院経済学研究科・松村真宏教授の研究協力のもと、栃木県宇都宮市・富山県高岡市の行政データおよび『ルナルナ』のアプリ利用データを用いた分析を実施しました。 その結果、宇都宮市の妊娠届出数は、施策介入前は年3.8〜6.6%の幅で減少していたのに対し、介入後17カ月間では直前の17カ月間と比べて2.6%の減少という水準へ推移していました。さらに妊娠届出数の実数は介入前の傾向が続いた場合の想定と比べると、累計でおよそ190件上回りました。また、両市ともにアプリ内の「仲良し日」画面(排卵期に基づき性交のタイミングを知らせる機能)を閲覧したユーザーとそうでないユーザーの間で、アプリ内の妊娠登録率に差があること、さらに閲覧日数が多いユーザーほど同妊娠登録率が高くなる傾向が確認されました。

本研究成果の一部は、以下の学会にて発表されています。

主要指標 — KEY FIGURES

3.8〜6.6%%
年3.8〜6.6%の幅で減少
2.6%%
2.6%の減少という水準へ推移
17カ月
介入後17カ月間
190件
累計でおよそ190件上回りました

・第72回消費者行動研究コンファレンス(2026年5月24日)

・2026 ISMS Marketing Science Conference(2026年6月13日)

・日本マーケティング・サイエンス学会第119回研究大会(2026年6月21日)

※本リリースで示す数値は、施策介入前後の行政データおよびアプリ利用データを用いた統計的分析の結果です。妊娠届出数や妊娠登録率の変化を「ルナルナ みらいサポートのみによるもの」と断定するものではなく、観察された統計的な関連・差を示すものです。他の少子化対策や社会状況など、分析に含まれない要因の影響を排除できるものではありません。

※本研究は学会発表の段階であり、査読誌に掲載されたものではありません。

※山本晶氏は当社の社外取締役を兼務しています。

【プレスリリースのポイント】

① 宇都宮市における妊娠届出数の減少が、想定より緩やかに 宇都宮市の妊娠届出数は施策介入前の5年間は年3.8〜6.6%の幅で減少していたのに対し、介入後の17カ月間は直前の17カ月間と比較して2.6%の減少にとどまりました。介入前の傾向がそのまま続いた場合の想定と比べると、累計約190件上回っています。

※導入前の傾向がそのまま続いた場合の想定との差については、導入前の期間に仮の導入時点を置いて比べる統計的な検定により、偶然のばらつきでは説明しにくい差であることを確認しています。

② 「仲良し日」画面を閲覧したユーザーほど、アプリ内の妊娠登録率が高い 『ルナルナ』内の「仲良し日」画面(排卵期に基づき性交のタイミングを知らせる機能)について、同画面を閲覧したユーザー群と一度も閲覧しなかったユーザー群に分け、『ルナルナ』アプリ内で妊娠登録作業に至る割合を比較しました。

期間全体では、両市ともに閲覧したユーザー群の妊娠登録率が高く、宇都宮市で約2倍、高岡市で約2.5倍でした。また、月ごとに見ても、閲覧していた期間は閲覧していなかった期間に比べて、妊娠登録の起きやすさ(オッズ比)が両市合計で約2倍(宇都宮市 約1.9倍、高岡市 約2.6倍)となり、統計的に有意でした。

※オッズ比は「起きやすさ」を比で表す指標で、1.0が差なし、2.0ならおよそ2倍起きやすいことを意味します。

期間全体の妊娠登録率 ≪宇都宮市≫閲覧群:16.8%、非閲覧群:8.8% ≪高岡市≫閲覧群:21.7%、非閲覧群:8.8%

③ 「仲良し日」画面を閲覧した日数が多いほど、アプリ内の妊娠登録率が高い ≪宇都宮市≫「仲良し日」画面を閲覧しなかったユーザーのアプリ内の妊娠登録率が9.3%だったのに対し、1〜9日閲覧したユーザーでは17.1%、10日以上閲覧したユーザーは20.3%。 ≪高岡市≫「仲良し日」画面を閲覧しなかったユーザーのアプリ内の妊娠登録率が9.4%に対し、1〜9日閲覧したユーザーでは19.0%、10日以上閲覧したユーザーは29.5%。

【研究の背景・目的】

2025年の国内の出生数は約67万人※1と、10年連続で過去最少を更新するなど、少子化対策は国・自治体双方にとっての喫緊の課題です。また、こども家庭庁は「プレコンセプションケア推進5か年計画」を掲げるなど、行政側としても、妊娠前からの女性の健康支援への関心が高まっています。 当社が提供する『ルナルナ』では、有料コースのユーザーの方が無料コースのユーザーに比べてアプリ内の妊娠登録率が高い傾向※2が確認されています。こうした利用実態を踏まえ、連携自治体を対象に『ルナルナ』の有料コース「プレミアムコース」を、期間限定で無償提供する「ルナルナ みらいサポート」事業を展開し、日常の健康管理や妊活・不妊治療に関する情報配信などを通じて、自治体経由で住民の健康を支援するB2G2C(Business to Government to Consumer)型のデジタルヘルス施策に取り組んでいます。 本研究では、この「ルナルナ みらいサポート」導入前後で、行政データ上の妊娠届出数やアプリ内データにどのような変化・関連が見られるかを、統計的手法を用いて分析しました。そうすることで、日々の月経周期や妊娠しやすい時期に介入する形の支援が、少子化対策としてどのような可能性を持つかを考察しました。

【研究概要】

対象施策:ルナルナ みらいサポート https://lnln.jp/service/government/

月経管理機能・排卵日予測機能をはじめ、妊娠希望者向けのサポート機能を持つ『ルナルナ』の有料機能(通常月額400円~)を、連携自治体の住民に無償で提供する事業。アプリ内で「妊娠希望ステージ」を設定することで、排卵期に基づいて性交のタイミングを知らせる「仲良し日」機能をはじめとするサポートコンテンツなどが利用できます。

対象自治体

・高岡市(富山県):2024年7月導入、15〜49歳女性人口 27,631人※3

・宇都宮市(栃木県):2024年11月導入、15〜49歳女性人口 100,456人※3

分析の考え方

今回の検証では、「施策全体としての効果(自治体レベル)」と「アプリを実際に利用した個人での関連(個人レベル)」を分けて分析しました。

・自治体レベルの分析:施策導入の前後で、自治体に提出される妊娠届出数がどのように変化したかを比較

・個人レベルの分析:アプリ利用者にて実際に「仲良し日」画面を閲覧したユーザーと閲覧しなかったユーザーを比較

データについて

・行政データ(月次の妊娠届出数):高岡市 2015年1月〜2026年3月(135カ月間)、宇都宮市 2019年1月〜2026年3月(87カ月間)

・アプリ利用者データ:高岡市446人、宇都宮市1,691人(両市とも、2024年7月〜2026年3月にデータ提供に同意した利用者のうち、妊活意向が確認できたユーザーを分析対象としました)

研究結果について

本研究結果は、2026年9月8日(火)時点のものです

【主な研究結果】

(1)宇都宮市:施策介入前後で妊娠届出数に統計的な差を確認

※本結果は施策介入前後の変化を確認したものであり、観察された変化が施策と直接的に因果関係を示すものではありません。

分析対象:2019年1月から2026年3月までに宇都宮市に提出された妊娠届出数(全年齢)の月ごとの推移。アプリ利用者だけでなく、市内で提出された全妊娠届を含みます。

※行政データの分析は、データ数などの条件から宇都宮市のみを対象としています。

【妊娠届出数の減少が緩やかに】宇都宮市の妊娠届出数は、導入前の5年間、毎年3.8%〜6.6%の幅で減少が続いていますが、施策介入後17カ月間は、介入直前の17カ月と比較して2.6%の減少幅に変化しています。妊娠届出数の実数は減少が続いていますが、その減少が緩やかとなる傾向が確認されました。(図1参照)

【施策がなかった場合の想定との差】また、介入前の傾向がそのまま続いた場合に見込まれる妊娠届出数の水準と比べると、導入後17カ月間で累計およそ190件上回りました。(図2参照) 【妊娠届出数の導入後の推移】 妊娠の時期が想定より早まっただけであれば、想定を上回ったあとにその反動として妊娠届出数が落ち込む時期が現れると予測しますが、少なくとも介入後17カ月の時点で反動の減少は確認されず、想定との差はむしろ期間の後半にかけて広がっています。(図3参照)

(図1:宇都宮市の妊娠届出数の減少率)

(図2:宇都宮市の妊娠届出数の推移)

(図3:宇都宮市の妊娠届出数 想定との差の推移)

(2)両市共通:「仲良し日」画面の閲覧と妊娠登録率の関連

分析対象:データ提供に同意したユーザーのうち、妊活の段階にあり「仲良し日」を利用できた2,137名

※「妊娠登録」は利用者がアプリ内で行う登録操作で、自治体への妊娠届出とは別の集計です。

【妊娠登録の割合の分析】年齢・婚姻状況・生理日記録の条件をそろえ、「仲良し日」の画面を閲覧した人としなかった人で、アプリ内の妊娠登録率を比較。結果、宇都宮市では16.8%対8.8%(約2倍)、高岡市では21.7%対8.8%(約2.5倍)と閲覧群の妊娠登録率が高いことが確認されました。(図4参照)

(図4:「仲良し日」画面閲覧の有無別の、アプリ内妊娠登録率)

【月ごとの起きやすさで比べた分析(離散時間ハザード分析)】 利用者ごとの記録を1カ月単位に区切り、「その月に妊娠登録をしたか」を追う方法です。年齢などの条件とアプリ全体の利用量を調整し、仲良し日画面閲覧開始後の期間だけを「見た」とします。結果、閲覧していた期間における妊娠登録の起きやすさはオッズ比で2.0倍(宇都宮市 1.9倍、高岡市 2.6倍)でした。(図5参照)

※オッズ比は「起きやすさ」を比で表す指標で、1.0が差なし、2.0ならおよそ2倍起きやすいことを意味します。(割合が2倍になるという意味ではありません。)

上記2つの分析結果が示すのは、仲良し日といった妊活支援機能の利用とアプリ内での妊娠登録との関連です。

【閲覧日数と妊娠登録】「仲良し日」の画面を閲覧した日数で分けると、妊娠登録を行った人の割合は両市合算で0日9.3%/1〜9日17.5%/10日以上22.8%となり、閲覧日数が多いほど登録率も高い傾向が確認されました(利用量を調整した分析でも同様)。(図6参照)

(図5:仲良し日画面閲覧期間における月ごとの妊娠登録の起きやすさ)

(図6:仲良し日画面閲覧日数と妊娠登録率の関連)

※本結果は機能の利用と妊娠登録の関連を示すものであり、利用が妊娠の原因であることを証明するものではありません。

【今後の方向性】

研究チームは今後、対象地域・観察期間を広げた検証を進めていく予定です。

【本研究の発表について】

発表者:山本 晶(慶應義塾大学商学部教授、当社社外取締役)、松村 真宏(大阪大学大学院経済学研究科教授)

発表した学会:

・第72回消費者行動研究コンファレンス(2026年5月24日)

・2026 ISMS Marketing Science Conference(2026年6月13日)

・日本マーケティング・サイエンス学会第119回研究大会(2026年6月21日)

【発表者のコメント】山本 晶 氏(慶應義塾大学商学部)

自治体の統計と利用者の記録という異なるデータを、複数の角度から分析しました。自治体の統計では宇都宮市で、利用者の記録では両市で、いずれも同じ方向の結果が得られています。 少子化対策というと、経済的支援や制度改正の議論が中心となる傾向にありますが、日々のちょっとした情報提供やタイミングの後押しにも意味があるのではないか、という問題意識から今回の研究に取り組みました。消費者が日常的に接するスマートフォンは、身近な情報提供として非常に有効だと考えており、こうしたデジタルヘルスサービスを自治体経由で届けるという仕組みが、少子化対策の選択肢を広げる可能性があるのではないかと感じています。今後は対象地域や観察期間を広げ、より丁寧に検証を重ねていきたいと考えています。

★『ルナルナ』について:https://lnln.jp/

生理日管理をはじめ、初潮前後の心身のサポートから、妊活・妊娠・出産・更年期、ピル服薬や医療機関の受診支援※4まで、すべての女性の一生に寄り添うウィメンズヘルスケアサービス。アプリの累計ダウンロード数は2,300万以上(2026年4月時点)で、蓄積されたビッグデータを用いて、独自の予測アルゴリズムを確立し、より精度の高い排卵日予測も可能です。また、女性のカラダとココロの理解浸透プロジェクト「FEMCATION※5」を通して学びの場を創出するなど、社会全体で寄り添いあえる環境づくりに取り組んでいます。

2025年11月にサービス提供開始から25周年を迎え、新ステートメント“世界でいちばん、あなたのことを知っている。”を発表。自治体と協働したプレコンセプションケアの推進や妊活支援に注力するなど、社会と連携しより多くの女性が自分のカラダと向き合えるための取り組みを推進しています。

※1 令和7年人口動態統計月報年計(概数)の概況より:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/

※2 「仲良し日」表示がある有料コースの会員のアプリ内の妊娠登録率は、無料コースの会員の4倍。 (調査期間:2022年1月1日〜2023年12月31日) なお、この集計は本研究とは別の集計です。

※3 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」 令和6年1月1日現在

参考資料「令和6年住民基本台帳年齢階級別人口(市区町村別)の総計(外国人住民を含む)より

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei02_02000316.html

※4 医療機関の受診サポート:「ルナルナ メディコ」https://sp.lnln.jp/brand/services/lnlnmedico_general /

『ルナルナ オンライン診療』https://lp.telemedicine.lnln.jp/p

ピルのオンライン診療『ルナルナ おくすり便』https://okusuri.lnln.jp/

※5 「FEMCATION」は、FEMALE(女性)とEDUCATION(教育)を掛け合わせた造語です。

※ 『ルナルナ』「FEMCATION」は株式会社エムティーアイの登録商標です。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
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