中国商務部と税関総署は、2024年5月10日(金)に共同公告を発表し、『中華人民共和国対外貿易法』の関連規定に基づき、ヘリウムガス(税関品目番号:2804290010)に対して臨時的な輸出禁止措置を実施すると発表しました。この公告は発表当日から即時発効しており、今後の政策調整については状況に応じて別途公表されます。

ヘリウムはその極めて希少な性質と多様な用途から、産業界では「黄金のガス」とも称され、極めて重要な戦略資源とされています。半導体製造、磁気共鳴画像装置(MRI)の超伝導磁石、宇宙・防衛産業におけるロケット燃料の加圧など、高度技術分野で広く活用されています。

特に半導体の製造プロセスでは、ウェーハの冷却、リソグラフィ工程、リーク検出といった重要な工程でヘリウムが不可欠であり、チップの歩留まりと安定性に直接影響を与えます。

ドイツ銀行の調査レポートによれば、半導体製造におけるヘリウム需要は、世界全体の21%を占めており、現在のところ代替可能な材料は存在していません。このため、超純度の不活性環境を維持する上で、ヘリウムの役割は代替不能です。

需要の急増に伴い、ヘリウム市場は深刻な需給逼迫に陥っており、価格の変動も激しく、「一日一価」とも形容されています。上海にある特殊ガス製造企業の担当者は、『生産ラインを二交代体制でフル稼働させ、年初比で生産量を倍増させたが、依然として供給不足は解消していない』と語っています。

中国は長年にわたり、世界主要なヘリウム輸入国でしたが、2024年のデータによれば、EU、日本、フランス、韓国、米国などに対しても希少ガスを輸出していることが明らかになっています。

今回の輸出禁止措置は、国際的な地政学的緊張やサプライチェーンの不安定さを背景に、中国が国内の半導体産業と国家安全保障に必要な戦略物資の供給を最優先するという戦略的意志を示していると考えられます。

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  • 出典:PR Times
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