人工知能(AI)技術が学習フェーズから大規模な推論フェーズへと移行する中、AIサーバーにおけるNANDフラッシュメモリの需要は爆発的な成長段階に入っている。ソウル経済日報の報道によると、三星はすでに輝達(NVDA-US)に第10世代V-NANDを供給しており、第9世代製品に約60%の生産能力を割いている。これは、新型デバイスCMX(コンテキストメモリエクスパンション)の需要に対応するための措置である。
CMXがもたらす需要の急増
輝達のCMXデバイスは、独立した外部ストレージ構成を採用しており、1台の装置に最大576個のSSDを搭載可能で、合計ストレージ容量は9600TBに達する。業界のアナリストによれば、CMXによるNAND需要は今年の3500万TBから、来年には1億TB以上に急増する見込みだ。この規模の需要は、NAND市場に「アップル(AAPL-US)」クラスの大口顧客が新たに現れたことに相当し、世界的なサプライチェーンに大きな影響を与えるだろう。
三星の3世代技術並行戦略
この巨大なビジネスチャンスに対応するため、メモリ大手の三星電子は戦略を迅速に見直している。現在、三星のV-NANDウェハーの月間生産能力は10万枚以上であり、輝達の需要に応じた積極的な体制を整えている。
第9世代(V9)の安定生産:三星はV-NAND生産能力の約60%をV9ラインに割いており、歩留まり率はすでに80%以上に安定している。これがCMX供給の中心製品となる。
第10世代(V10)の量産開始:三星は今年上半期にV10の量産を開始し、すでに輝達に供給を開始している。V10は約400層の積層構造を採用しており、V9と比べて記憶密度が50%以上向上している。また、配線材料に従来のタングステン(W)からモリブデン(Mo)を初めて商用採用し、配線の厚さを30~40%削減している。
第11世代(V11)の試作段階:現在、V11の試作が開始されており、目標積層数は400~500層に設定されている。今年下半期には試作規模を拡大し、歩留まりデータの蓄積を進める予定だ。
利益の新記録と消費市場の逼迫
AIストレージ需要の構造的成長により、三星の2026年の利益は強力な成長が見込まれている。しかし、輝達による高級NAND生産能力の大規模な確保は、他の企業やコンシューマー市場(一般的なPCやノートブックのSSDなど)への供給を大きく圧迫することになる。供給が逼迫する中、市場価格には顕著な上昇圧力がかかる可能性があり、DRAM市場がAI需要により供給不足と価格高騰に陥ったのと同じ道をたどる恐れがある。
李在鎔と黄仁勳の会談
長期的な協力関係を強化するため、三星電子の会長である李在鎔氏は、近日中にサンフランシスコで輝達CEOの黄仁勳氏と会談する予定だ。両者はHBM(高帯域メモリ)や次世代NANDの供給体制に加え、韓国におけるデータセンター建設に関する受託製造およびストレージ分野での包括的な協力についても協議する見込みであり、両大手テック企業の同盟関係をさらに深化させるものとなる。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:提携
- 製品・サービス:CMX / V-NAND