アメリカ大統領のトランプ氏は、2026年6月29日(水)、イランが中東地域の米軍に対してミサイルを発射したことを受け、強力な報復措置を取ると表明しました。彼は、前日の夜にイランが5発のミサイルを発射したとし、すべてが迎撃されたと説明しました。トランプ氏は「今度はアメリカの反撃の番だ」と強調し、イランがすでに攻撃を避けるよう懇願していると主張しました。

具体的な軍事行動については明かさなかったものの、イランに対して「強力な反撃」を行うと繰り返し述べました。また、今後の交渉の可能性については「様子を見る」としながらも、まずは「厳しい報復」を行うと語りました。

同日早朝のインタビューでも、トランプ氏は「厳しく、強力な報復措置を取る」と述べ、イランを強く牽制しました。

エジプト沖で液化天然ガス運搬船がドローン攻撃を受けた事件についても、トランプ氏は関係当局から報告を受けており、「問題は処理される」と述べましたが、具体的な対応策については言及しませんでした。この事件がイランと関係しているかどうかは、現時点では確認されていません。

軍事的対応に加え、トランプ政権はイランに対する経済的圧力を強化しようとしています。

トランプ氏は、議会に対し、『2026年リンゼイ・グラハム制裁ロシア法案』(Lindsey O. Graham Sanctioning Russia Act of 2026)に、イラン関連の関税措置を追加するよう要請しました。これは、従来の制裁に加えて、新たな経済的圧力手段を確保しようとする動きです。

アメリカ上院は、2026年6月28日(火)の夜、この法案を86票賛成、12票反対で可決しました。故・南カロライナ州の共和党上院議員、リンゼイ・グラハム氏の名を冠しており、上下両院の広範な支持を得ていることを示しています。

この法案は、ロシアのエネルギーまたは軍事装備を最も多く購入している上位5か国、およびロシアの制裁回避を支援する国に対して、最大100%の関税を課すことを大統領に認めています。また、ロシアからアメリカへの輸出品には500%の関税が課される可能性があります。この措置は、中国、インド、一部の東南アジア諸国に大きな影響を与える可能性があります。

トランプ氏が求めるイラン関連の関税措置がどのように実施されるかは、現時点では不明です。イラン製品への直接関税か、あるいはイランと特定取引を行う第三国への関税かが焦点です。アメリカとイランの直接貿易は極めて限定的で、2025年のイランからの輸入額は約140万ドルに過ぎません。一方、同年のロシアからの輸入額は約38億ドルです。

トランプ氏の急な修正要請は、下院での法案通過を難しくする可能性があります。

下院では、もともと『暫定規則』(suspension rule)による審議が予定されていました。この手続きでは、法案の内容を修正できず、3分の2以上の賛成が必要です。

すでに一部の民主党議員は、法案が大統領に与える関税権限が広範すぎることに懸念を示しています。共和党がイラン条項を追加するために修正手続きを再開すれば、民主党も他の修正案を提出する可能性があり、法案の行方は不透明になります。

上院は、もともとトランプ氏の要請に応じて、法案にイラン制裁の条項を追加しています。具体的には、2026年末に失効予定だった『1996年イラン制裁法』(Iran Sanctions Act of 1996)を5年間延長する内容です。

しかし、トランプ氏がさらに一歩進んで関税という手段を求めたことで、議会は法案の内容と今後の採決手続きを再検討せざるを得なくなりました。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:ニュース