日本経済が長きにわたる20年間のデフレ状態から脱却し、正式にインフレ時代に突入した。野村アセットマネジメント傘下のノムラ・ファンド・アイルランド・シリーズ・ジャパニーズ・ストラテジック・バリュー・ファンド(JSV)の共同マネージャーを務める河野光成氏が来日し、今後の金融政策の見通しを分析した。

河野氏は、日本銀行が今後も「段階的かつ安定的」な利上げを継続すると指摘。具体的には、約半年ごとに0.25%(1回の利上げ幅)の金利引き上げを行うペースで、次の利上げは2024年10月から12月の間に実施されると予測している。その後の利上げは、2027年4月ごろになる可能性が高いとしている。

この利上げのペースは、日本がデフレからの完全脱却を目指す強い意思を示している。河野氏は、「デフレ下では現金の価値が相対的に上がるため、企業や個人は貯蓄を優先する傾向があった。しかしインフレ下では現金の保有が購買力の低下を意味するため、投資や借入を通じた成長へのシフトが進んでいる」と説明する。実際、企業の銀行借り入れは近年増加傾向にあり、これは企業がレバレッジを活用して設備投資や改革を進めている証拠だと指摘している。

円相場については、河野氏は短期的に1ドル=155円から165円のレンジで推移すると予想している。米国と日本の金利差の縮小が円高の要因となるが、米国のインフレ圧力が持続しているため、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが遅れており、結果として米日金利差が縮小しにくく、円安圧力が続いている。

ただし、河野氏は「米国と日本当局とも、円の過度な下落を望んでいない」と強調。2024年5月に日本政府が為替介入を行った際、米国が黙認したことは、両国が協調して為替の安定を図っている証拠だと分析している。もし円安が急激に進む場合は、日銀が早期に利上げを実施する可能性もあり、政策リスクに注意が必要と警告している。

こうしたマクロ経済環境を踏まえ、河野氏はJSVファンドが金融セクターへの投資を積極的に拡大していると明かした。利上げにより銀行のネット・インタレスト・マージン(NIM)が拡大し、収益力が向上するため、三菱UFJフィナンシャル・グループやゆうちょ銀行などの銀行株を重点的に保有しているという。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
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