SpaceX (SPCX-US)は8月4日、初の上場後四半期決算を発表する。株価が史上最高値から大幅に下落し、大規模なストックリリースも目前に控える中、市場は財務数字以上に経営陣のAI、スターリンク(Starlink)、スターシップ(Starship)に関する今後の見通しに注目している。モルガン・スタンレーは、今回の決算がSpaceX上場後で最も「危険な瞬間」になる可能性があると指摘。市場のセンチメントを左右するのは財務数値ではなく、経営陣の戦略的発言であると分析している。
SpaceXは6月12日、1株あたり135ドルで上場し、株価は一時225ドルまで上昇。時価総額は3兆ドルを超え、アマゾン(AMZN-US)やマイクロソフト(MSFT-US)を上回った。しかし、評価の見直しやAI関連テーマの再評価を受けて、現在は約112ドルまで下落し、高値から約50%安となっている。このため、初の決算発表は市場の関心が極めて高い。
また、8月6日には約9.115億株のストックリリースが実施される予定。現在の株価で換算すると約1,000億ドル相当の株式が市場に供給される見込みで、SpaceXは大きな売り圧力に直面する可能性がある。これにより、決算発表前後の株価の変動がさらに拡大する恐れがある。
モルガン・スタンレーは、第二四半期の売上高を約67.5億ドル、調整後1株あたり損失を0.35ドルと予想している。また、Starlinkの消費者ユーザー数は1,200万人に達し、1ユーザーあたりの平均月額収入(ARPU)は65.5ドルになると見込んでいる。
しかし、同社は短期的な財務数値よりも、経営陣の今後の戦略に関する発言に注目すべきだと強調。決算説明会のトーンはテスラ(TSLA-US)に似ており、具体的な数値目標よりも、スターシップの開発スケジュール、AIの演算能力の展開速度、GrokおよびCursorモデルの統合戦略に焦点が当たると予測している。
投資家は特に、Starlinkの法人顧客の拡大状況、2027年までにAI演算能力を2GW以上に拡張する計画の有無、SpaceXのAI部門とCursorが共同開発するAIモデルの進捗についての情報を求めている。
なお、Cursorの買収は今四半期後半に完了予定のため、第二四半期の財務報告にはその影響は反映されないが、AI戦略全体の方向性についての説明が期待されている。
株価の大幅な調整にもかかわらず、モルガン・スタンレーは目標株価を300ドルで維持。現在の株価はAI事業の価値を過小評価していると分析している。同社の推計では、SpaceXの株価構成は、宇宙事業が1株あたり8ドル、ネットワークおよびStarlinkが128ドル、XプラットフォームおよびGrok AIが12ドル、企業向けAI事業が152ドルとされており、AI関連が全体の過半数を占めている。
また、8月下旬から9月初旬にかけて予定されているStarship Flight 14のミッションも注目されている。上段ステージの回収に成功すれば、完全再使用可能なロケット技術における大きな飛躍となり、長期的なビジネスモデルへの信頼感を高める可能性がある。
一方で、短期的な市場のセンチメントは慎重だ。モルガン・スタンレーが実施した投資家会議では、3分の2以上の参加者が年末までの株価下落を予想。決算に十分な上振れ材料が乏しく、ストックリリースによる供給増が株価を圧迫すると懸念している。
リリース対象の早期投資家は、数十倍のリターンをすでに実現しており、現時点でも利益確定のインセンティブが強い。このため、決算とストックリリースという二つの要因が重なり、短期的な株価の変動性は高まる見通し。市場は、経営陣がAI、Starlink、スターシップの将来像を示すことで、投資家の長期的成長への信頼を再構築できるかに注目している。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:ニュース
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