最近、アジアのテクノロジー株とフィラデルフィア半導体指数が約25%から30%の大幅な調整に入り、AIブームの勢いが弱まっているのではないかという懸念が広がっている。しかし、摩根大通が最新で発表したレポートによると、こうした市場の変動はAI投資サイクルの終焉を意味するものではなく、産業の基本的な強さは維持されているとしている。

産業の基盤は堅調

摩根大通の分析では、今回の調整は2022年末のAI主導の相場以降、3度目の大規模な下落である。アナリストは、AI産業の基本的な需要が減速しているという証拠はほとんど見られないとしており、今後6か月から12か月の間に顕著な弱さは現れないだろうと予測している。

同社は、大手クラウドサービスプロバイダー(ハイパースケーラー)がAI関連の資本支出を簡単に削減することはないとの見方を示している。2027年までAIコンピューティング分野への投資を続ける可能性が高く、インフラ拡張のための資金調達を株式や債券市場を通じて行うとも予想されている。

設備と先進パッケージングが主役

半導体サプライチェーンの中では、摩根大通は特に半導体製造装置メーカーを最も有望視している。ウェハーファブ設備(WFE)への投資が加速する中で、今後12か月間はこの分野が最も優位性を持つと見られている。また、2.5Dパッケージング技術の普及に加え、TSMCが3Dパッケージングへの投資サイクルを開始したことで、パッケージング・テスト業界は強力な成長が見込まれる。部品では、特にICキャリアが注目されている。

メモリ市場については、基本的な需要は依然として堅調であり、今後2~3年間の供給増加は需要を下回ると予想されている。しかし、NVIDIA(NVDA-US)やAMD(AMD-US)が製品におけるメモリ構成比率を見直している影響で、メモリ関連株が5月の高値を再び更新するのは難しいと警告している。

潜在的なリスクと今後の制約

技術的な将来性には楽観的だが、摩根大通は別のレポートで、現在のAIの勢いがネットバブル期と似た側面を持っていると警鐘を鳴らしている。利益が少数の銘柄に集中しており、株価と実態の乖離が進んでいるリスクがあるとしている。投資家には、バリュー株へのシフトと地理的な分散を勧めている。

長期的な展望として、摩根大通は、今後18か月から24か月の間に、電力供給がAIインフラの発展における最大のボトルネックになると予測している。また、計算効率がますます重要になる中で、接続技術(インターコネクト)も次の大きな課題になると指摘している。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:調査
  • 関連組織:AMD
  • 製品・サービス:AIインフラ / 先進パッケージング