最新のデータによると、2024年上半期のドル建て台湾、日本、韓国の輸出額は、韓国が4963億ドル、台湾が4166億ドルとなり、ともに初めて日本を上回った。日本は3844億ドルで、前年比で約一割増と堅調な伸びを見せたが、台韓はいずれも約五割急増し、東アジアの輸出地図に歴史的な変化が生じた。
CNBCや日本経済新聞などの海外メディアの報道によれば、この差の背景には、AI半導体の「エンド製品」におけるポジショニングの違いがある。台積電が先端プロセスの受託製造を独占し、三星とSK海力士がHBMを支配していることで、韓国は2024年上半期に半導体輸出額1490億ドル(全体の約30%)を記録。台湾も1332億ドルを達成した。韓国はわずか半年で2025年の日本のIC輸出額全体を上回る規模に達しているのに対し、日本のIC輸出額は212億ドルにとどまり、輸出全体に占める割合は5%に過ぎない。
報道は、日本が東京エレクトロン、アドバンテスト、Lasertecといった半導体製造装置・材料分野で高いシェアを持つものの、上半期の半導体製造装置輸出額は150億ドルと、台湾の35億ドル、韓国の52億ドルを上回るものの、AI関連の資本支出の恩恵は間接的であると指摘している。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの丸山健太調査部副部長主任研究員は、部品や装置の輸出は、エンドチップのような高い成長率を再現することが難しいと述べている。
さらに、産業構造上の弱点に加え、為替とエネルギーの二重打撃も重なっている。円相場は数十年来の安値圏にあり、ドル建て輸出額の伸びを抑制している。
日本は6月の輸入額が前年比25.4%増と、2022年11月以来の高水準に達した。原油輸入額は59.3%急騰し、中東情勢による油価上昇が要因。エネルギーの87%を輸入に頼る日本は、真っ先に打撃を受ける構造にある。輸出は依然として経済の牽引役だが、「高輸出、さらに高い輸入」によって貿易条件が悪化している。
日本の順位低下は、AIブームの中での偶然ではない。1970~1990年代には世界第3位の輸出国として安定していたが、21世紀に入って中国大陸に次いでオランダ、香港にも抜かれ、昨年には世界第6位に後退した。
繊維、鉄鋼から自動車、エレクトロニクスまで、日本はかつてグローバルの中間製品を正確に供給してきたが、スマートフォン、AIサーバー、先端チップといった「最終製品」の競争では立ち遅れている。
本質的に、日本が台韓に逆転されたのは、「上流は強いがエンドが弱い」という産業構造の断層が、AIインフラの指数関数的拡大の中で露呈した結果である。算力という商品にチップを封入できる経済圏が優先的に恩恵を受け、製造ツールだけを売るサプライヤーは相対的に取り残される構図が鮮明になった。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:調査
- 関連組織:Lasertec / 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
- 製品・サービス:HBM