評価額9650億ドルのAI大手Anthropicは、密集的にPre-IPOロードショーを開始しており、2024年9月または10月初めの上場を目指している。これは、史上最大規模のIPO記録を更新する可能性があり、ライバルのOpenAIは上場時期を来年に延期する見通しだ。

コード生成ツール『ClaudeCode』の爆発的ヒットにより、Anthropicは今年のAI競争で一気にトップランナーに躍り出た。2024年5月には年率ベースの収益が470億ドルを突破したことが明らかになり、最近ではSpaceXやGoogleとの大規模な計算資源調達契約を相次いで締結した。

しかし、ロードショーでは投資家から厳しい質問が相次いでいる。トランプ政権との関係の緊張、全米でのデータセンター建設に対する民間の反発(7割以上が反対)、CEOが繰り返し「AIが人類を滅ぼす可能性がある」と公言していることなどが、今後の成長と価格設定に影響を与えるのではないかという懸念だ。

これに対してAnthropicの経営陣は、「医療やバイオ分野へのAI応用の拡大」を強調し、反論。また、ClaudeCodeや企業向けワークフローの需要は依然として強く、中国の低価格モデルの脅威も軽視できると主張している。ユーザーは常に最高レベルの知能を求めており、価格ではなく性能が決定要因だと説明している。

一方で、Anthropicは今年度複数回のサービス停止が発生しており、シリコンバレー内部からはエコシステムの支配力が強すぎるという懸念も出ている。

今回のIPOは「スーパー上場期」と重なっており、SpaceXが上場時に時価総額2兆ドルを一時突破したものの、初日高値から大きく下落するなど、公開市場の変動リスクが浮き彫りになっている。

一部の楽観論者はAnthropicの評価額がSpaceXを上回ると予測しているが、プライベートから公開市場への移行に伴う割引リスクは無視できない。

世界中で数兆ドル規模のAI資本支出が行われる背景には、「需要の持続的爆発」という期待がある。Anthropicの発行価格と上場後のパフォーマンスは、今後の主要AI企業の評価の基準点となるだろう。正確な発行価格やスケジュールはまだ公表されていないが、数千億ドル規模の資金調達が安定した財務報告に結びつくかどうかは、計算資源の調達コスト、サービスの安定性、規制リスクの三つのバランスにかかっている。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:資金調達
  • 関連組織:OpenAI / SpaceX / Google
  • 製品・サービス:ClaudeCode