中国の大手メモリメーカー・長江存儲(YMTC)は、世界的なNAND Flash市場で急速に台頭しています。Counterpoint Researchのデータによると、長江存儲は2024年第2四半期において、出荷ビット量ベースの市場シェアで世界第3位に上昇し、米マイクロン・テクノロジー(MU-US)、鎧俠、サンディスク(SNDK-US)といった老舗メーカーを追い抜きました。
現在もなお、サムスン電子が25%のシェアで世界第1位を維持しており、SKハイニクスとその子会社であるソリディグム(Solidigm)が合計22%で第2位となっています。
長江存儲は、中国国内の需要増加に加え、海外への出荷も拡大していることから、第2四半期のNANDビット出荷量は前年比22%増、前四半期比5%増と大幅に伸び、主要サプライヤーとして世界第3位に浮上しました。
長江存儲の市場シェア上昇は、製造プロセス技術の進歩と生産能力の拡大にも起因しています。
同社が採用するXtacking 4.0アーキテクチャを活用した267層3D NANDはすでに量産フェーズに入り、来年には300層以上への技術進展が予定されています。先進プロセスの投入と出荷規模の拡大により、長江存儲はコンシューマー向けストレージ市場での競争力を持続的に強化しています。
ただし、出荷量のシェア上昇が直ちに収益面でのリードにつながるわけではありません。
長江存儲はNANDビット出荷量では第3位ですが、サプライヤー別の収益ランキングでは第5位にとどまっています。これは、同社の製品が依然として主にコンシューマー電子機器市場に集中しているためです。一方で、マイクロンや鎧俠などの競合他社は、より高利益率を持つ企業向けサーバーやAIアプリケーション市場に積極的に進出しており、単価と収益力で優位を保っています。
長江存儲は、中国国外でのSSD販売はまだ限定的ですが、大型ブランド企業を通じて海外市場への展開を始めています。例えば、レノボ(Lenovo)はドイツ向けの一部ノートパソコンに長江存儲製のSSDを採用しており、その製品が国際的なコンシューマー電子機器サプライチェーンに徐々に受け入れられつつあることを示しています。
今後、長江存儲がコンシューマー市場での展開をさらに進めれば、同社のNANDチップやSSDを搭載する個人用コンピュータの台数は増加すると予想されます。また、報道によれば、アップル(AAPL-US)も長江存儲をサプライヤー候補として検討しているとされていますが、現時点では評価段階にとどまり、正式採用は未定です。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:調査
- 関連組織:Samsung Electronics / SK Hynix / Solidigm
- 製品・サービス:3D NAND Flash / SSD