貿協は本日(14日)、2026年の第1回「貿協経済貿易指数」の結果を公表した。米伊中東戦争による地政学的ショックの影響で、調査対象企業の56.2%が「負の影響」を受けていると評価している。地政学的リスクが単なる経済変動を超えており、企業の「営業コスト」に対するリスク懸念は前回調査の67.7%から10ポイント上昇し、77.5%に達した。

影響を受けた企業のうち、85.4%が「コスト上昇」を最大の課題として挙げており、次いで「原材料や部品の不足」(49.9%)が続く。財務負担の増加や半年以上にわたるサプライチェーン断絶のリスクに対応するため、企業は「製品の価格性能比の強化」に加え、「サプライチェーンおよび市場の分散」「ビジネスモデルの見直し」を加速させている。

今回の調査では、技術産業が突出する一方で、従来の原材料産業が深刻な打撃を受けている。貿協によると、企業の現在の輸出環境に対する「信頼感指数」は36.05と低迷しているが、今後半年間の「期待指数」は45.25まで回復しており、短期的な圧力はあるものの、最悪の状況を脱しつつある兆候がみられる。

産業間には大きな温度差がある。グローバルなAI・半導体ブームの恩恵を受け、電子・通信・光学産業の期待指数は53.7と、全産業で唯一50の景気境界線を突破している。一方、石油化学・ゴム・プラスチック、および基本金属などの従来型原材料産業は、地政学的紛争によるコスト変動の影響を最も強く受け、期待指数はそれぞれ33.8および30.3にとどまり、今回の変動における重災地となっている。

また、AIの導入深度と輸出への自信には強い正の相関が見られる。調査では、大多数の企業がすでにAIを利用しているが、42.2%が「無料のチャットAI」の段階にとどまっており、実質的な量的効果はまだ限定的である。

特に重要なのは、AI導入の進捗が将来の輸出意欲に明確に反映されている点だ。予算を組んで「AIエージェント」の導入を進めている先駆的企業の期待指数は59.41に達している。有料のAIエージェントを利用する企業も51.84と高い水準にある。一方、無料のチャットAIのみまたは未使用の企業は、信頼感指数が40.9~42.3と低迷している。これは、マクロな地政経済の変動に対して、AIを活用してコストを管理できる企業ほど、変化に耐える力を持っていることを示している。

貿協は、2026年の第1回調査が、米伊戦争や地政学的緊張の継続的影響下でも、台湾企業が高い事業レジリエンスを示していることを浮き彫りにしたと指摘している。コスト上昇への対応策として、「製品の価格性能比の強化」と「サプライチェーンおよび市場の分散」が最優先の戦略となっている。

短期的な圧力がある中でも、48.7%の企業が「新市場の開拓」、34.4%が「転单獲得(他社からの受注移行)」を達成している。今後3年間で最も有望とされる市場は、アメリカ(56.4%)と東南アジア・南アジア(52.2%)である。

貿協は、革新技術、市場の機動性、コア競争力を結びつけ、多様なリスクへの対応力を高めることが、台湾企業が危機を乗り越える鍵だと強調している。デジタル変革とAIの活用は、マクロ経済の変動や地政学的リスクに対抗する最良の防御戦略となりつつある。

貿協は「貿協経済貿易指数(TAITRA INDEX)」を提供することで、グローバル市場の動向を把握するための重要なツールとしている。国内外の商情ネットワークを通じて、リアルタイムかつ信頼性の高い一次情報を分析し、産業界・政府・学術界が迅速に市場動向を理解できるように支援している。今回の調査は、米伊中東戦争後に実施され、代表的な台湾企業の経営者および上級管理者1,678件の有効回答を収集した。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:調査
  • 製品・サービス:AI Agents