住友重機械工業株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:渡部敏朗、以下「当社」)は、2024年12月に学校法人藤田学園(愛知県豊明市、理事長:星長 清隆)らと 「BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)による深部がん治療の研究開発を推進するための覚書」を締結し、2026年1月には深部がん治療の研究開発を目的としたBNCT治療システムおよびBNCT線量計算プログラムの導入に関する契約を締結しています。

このたび、学校法人藤田学園 藤田医科大学(愛知県豊明市、学長:岩田仲生、以下「藤田医科大学」)による「深部がんに対する18F-FBPA(※1)の取り込み能に関する探索研究」(以下「本研究」)が、藤田医科大学の認定臨床研究審査委員会(※2)に承認されました。

主要指標 — KEY FIGURES

2026年8月6日
2026年8月6日から2028年3月31日まで
2028年3月31日
2026年8月6日から2028年3月31日まで

本研究は、当社製の研究用合成装置「MPS200FBPA(※3)」を用いて合成された18F-FBPAを用いて実施される特定臨床研究で、18F-FBPAの腫瘍診断の有用性を評価するものです。

また、BNCTで用いられるホウ素薬剤(BPA)と同じ体内分布を示すことが期待されており、今回の研究結果は将来のBNCTの深部がんの治療実現においても有効活用されることが期待されています。

本研究は、横隔膜より下の腹部に病変を有する患者を対象とします。対象となるのは、従来の画像診断では悪性腫瘍と非腫瘍性病変の判別が難しい症例です。

本研究では、BNCTで使用されるボロノフェニルアラニン(BPA)(※4)をフッ素18で標識したPET診断薬「18F-FBPA」を用います。その診断上の有用性を評価するとともに、深部腫瘍に対する新たな治療選択肢の確立を目指します。

【本研究の概要】

対象疾患

図版横隔膜より下の腹部における、悪性腫瘍と非腫瘍性病変の画像診断法的鑑別が困難な病変

目的

悪性腫瘍と非腫瘍性病変の画像診断法的鑑別が困難な病変を有する患者を対象として、 18F-FBPAを用いたPET/CT検査で得られたSUV値(※5)の診断精度等の定量指標を評価し、病理学的診断等を参照基準として、その診断における有用性を評価すること

実施施設

藤田医科大学病院(愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1番地98)

実施期間

2026年8月6日から2028年3月31日まで

治験詳細情報

臨床研究等提出・公開システム(jRCT:Japan Registry of Clinical Trials)に掲載予定

当社は本研究の円滑な実施に向け、藤田医科大学に協力していくとともに、BNCTのさらなる発展を目指す取り組みを通じ、がん治療の未来に貢献します。

(※1)18F-FBPA:BPAの集積を画像化するために、 PET診断用核種である18Fで標識された化合物で、がん細胞で大量に消費されているアミノ酸の代謝を可視化します。また、BNCTで利用するホウ素薬(BPA)の集積評価への利用も期待されています。

(※2)認定臨床研究審査委員会(CRB:Certified Review Board):臨床研究法に基づき厚生労働大臣が認定する委員会で、臨床研究の実施計画について、研究対象者の安全性や倫理性、科学的妥当性などの観点から審査を行う機関です。

(※3)MPS200FBPA: 当社の研究用合成装置であり、BPAをPET診断用核種である18Fで標識合成します。

(※4)ボロノフェニルアラニン(BPA): 必須アミノ酸であるフェニルアラニンにホウ素を結合させた薬剤であり、1987年に神戸大学の三嶋豊教授らのグループが世界初となる悪性黒色腫のBNCTの臨床応用に成功しました。

(※5)SUV値: Standardized Uptake Value(SUV)値は、投与した薬剤が腫瘍などの組織どの程度集積しているか表す半定量値です。投与した薬剤が全身に均等に分布したときの濃度を1とし、その何倍の濃度であるかを算出した値です。

【関連情報】

2024年12月25日「藤田医科大学、アトランセンファーマ、ステラファーマおよびフジタとホウ素中性子捕捉療法に関する覚書を締結」

2026年1月6日「藤田医科大学へのBNCTシステム導入に関する契約を締結」

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:研究開始
  • 関連組織:アトランセンファーマ / ステラファーマ / フジタ