『高畑勲と「火垂るの墓」 ─「幻の脚本」と「7冊の構想ノート」を読み解く─』(寺越陽子著)が6月24日(水)に新潮社より刊行されます。

「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」をはじめ、遺作となった「かぐや姫の物語」まで数々の名作を生み出してきた高畑勲監督。本書は、監督の代表作の一つであり、いまも世界各地から反響が寄せられる映画「火垂るの墓」の誕生に迫ったドキュメントです。 監督の没後に見つかった「7冊の構想ノート」を読み解いたETV特集「火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート」を書籍化、番組に収録しきれなかった制作秘話や、放送後に分かった新事実も盛り込みました。

ノートとの出会いと高畑監督オリジナルの「仕掛け」 高畑さんが亡くなった後、〔火垂るの墓〕のために書かれた「7冊のノート」が見つかった。そこには野坂昭如(あきゆき)による短編小説「火垂るの墓」からアニメーション映画が生まれるまでの創作の過程が記されていた。(「はじめに」より)

本書の著者は、ETV特集を制作したNHKのディレクター、寺越陽子さん。じつは、寺越さんはかつて2年半もの密着取材をした「かぐや姫の物語」の制作現場で、高畑監督がこう言ったのを聞いていました。 「ぼくは火垂るの墓を全然完成しないで封切った」(「はじめに」より)

その発言は、いったいどう意味だったのか。ここから寺越さんは、美術品として厳重に保管してある「7冊のノート」を閲覧、さらに当時の制作スタッフや識者をひとりひとり訪ねて話を聞きながら、どのように原作小説から映画が作られていったかを追っていきます。そのキーポイントのひとつが、高畑監督が映画化にあたり生み出した、オリジナルの「仕掛け」でした。

これまであまり多くは取り上げられなかった、原作にはない映画オリジナルの「仕掛け」を紐解いた特集は大きな反響を呼び、2025年8月の放送直後からSNSには、「今だからこそ観るべき素晴らしいドキュメンタリーだった」「凄い番組だった……」「高畑勲の恐ろしさを感じた」などと好評と感嘆の声が次々と寄せられました。

本書では「7冊のノート」の分析を大幅に加筆、番組で放送しきれなかった制作スタッフによる証言やエピソードの数々も掲載しています。

もっと深く分かる「火垂るの墓」 カラー口絵8ページに画像13点を掲載 本書の特徴のひとつが、「7冊の構想ノート」をはじめ、映画制作時に使用された貴重な資料、高畑監督にまつわる写真も多数収録していることです。また8ページにわたる冒頭のカラー口絵では、13点の資料や映画の場面カットを見ることができます。うち2点は初公開となる資料です。

映画「火垂るの墓」は2024年にNETFLIXによる世界配信が始まり、昨年国内でも配信されたことから、さまざまな反響を呼び起こしています。配信をきっかけに、各国での劇場公開も相次いでいます。なぜ「火垂るの墓」は制作から38年経ったいまも人々の心を打ち続けるのか。観たことがある方も、新たな視点で「火垂るの墓」をもう一度見返してみたくなる、心揺さぶるドキュメントです。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
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