親の介護は、家族の誰にとっても避けて通れないテーマです。しかし「誰が世話をするか」「誰がお金を出すか」「誰が口を出すか」をめぐる現場の負担は、家族の中で均等に分かれているわけではありません。続柄によって担い方が異なり、しんどさの"種類"まで変わってくる ── 当事者の声には、家族構成の中で生じやすい役割の偏在が、静かに刻まれています。

そこで介護施設の口コミ評判サイト「ケアスル 介護」を運営する株式会社Speee(本社:東京都港区、代表取締役:大塚英樹、東証スタンダード:4499)は、現在介護をしている、または介護経験のある全国の男女451名を対象に、「親の介護と兄弟の関係性」についてのアンケート調査を実施しました。

本調査では、回答者の属性(長男・長女48.4%、長子の配偶者11.0%、中間子12.2%、中間子の配偶者2.4%、末っ子14.4%、末っ子の配偶者1.8%、一人っ子7.6%、一人っ子の配偶者2.2%)をもとに、それぞれの配偶者も含めた「長子」「中間子」「末っ子」の3グループ(一人っ子を除く451名)に分類。続柄ごとに介護の実務・費用・トラブル・対策がどう異なるのかを比較分析し、見えてきた"続柄ごとに異なるしんどさの正体"をお伝えします。※なお、二人兄弟の弟/妹については末っ子のグループとして換算しています。

【調査結果サマリ】 - 実務のワンオペは長子が最多:日々の世話をほぼ一人で担っている割合は長子が48.8%。中間子(18.0%)・末っ子(20.8%)の2倍超 - 費用の問題に最も直面しているのは中間子:親の資産で100%賄えている割合が最も低く(32.8%)、費用負担が発生した家庭での自己負担率は長子に次ぐ68.3% - トラブル経験率は中間子が77%で最多:「遠方や仕事など手伝えない正当な理由があるのに、兄弟から理解されず責められる」「『末っ子だから・独身・同居だから』と都合よく押しつけられる」が各19.7%で最多 - 続柄でトラブルの"種類"が違う:長子は「長男だから・長女だから」と役割固定(33.9%)/末っ子は「末っ子だから」の押しつけ(20.8%)と遺産への不安(15.3%

トピックス1:長子に集中する、日々の介護実務

通院付き添い・介護用品の調達・服薬管理など、日々の介護の実務を誰がどれくらい担っているかを聞いたところ、続柄によって明確な差が浮かび上がりました。長子の48.8%が「実務のほぼ100%を自分が担っている(ワンオペ)」と回答し、中間子(18.0%)・末っ子(20.8%)の2倍以上にのぼります。

一方で中間子は「自分メイン+他は手伝い程度」が42.6%と最多で、完全なワンオペには陥りにくい代わりに、メイン担当として実務を回しているケースが多く見られます。末っ子は「他がメイン・自分はサポート」が23.6%と最も高く、実務以外のサポートにまわっている傾向です。

【図表1】続柄別・介護の実務分担 - 長男・長女(長子):実務ワンオペ 48.8% / 自分メイン+他は手伝い 25.2% / 完全に平等分担 8.3% / 他がメイン・自分はサポート 12.4% - 中間子:実務ワンオペ 18.0% / 自分メイン+他は手伝い 42.6% / 完全に平等分担 8.2% / 他がメイン・自分はサポート 19.7% - 末っ子:実務ワンオペ 20.8% / 自分メイン+他は手伝い 22.2% / 完全に平等分担 18.1% / 他がメイン・自分はサポート 23.6%

トピックス2:「費用」をめぐる構造 ── 親資金が底をついたとき、誰が出すのか

介護費用の分担を全体で見ると、「親の資産で100%賄えている」が55.2%と過半数を占めます。ただし、この割合は続柄によって大きく異なります。長子では64.0%が親資金で賄えているのに対し、中間子では32.8%にとどまります。兄弟が多い家庭ほど一人当たりの親の資産が少なくなりやすいと言えるでしょう。

では親資金で賄えない家庭では、誰が費用を出しているのでしょうか。「親資金100%」の回答者を除いて再集計すると、長子の自己負担率(自分ひとりで全額または自分が多め)は78.2%に達し、中間子(68.3%)・末っ子(21.2%)を大きく上回ります。実務のワンオペだけでなく、費用の持ち出しも長子に集中しやすい構造が見えてきます。末っ子は費用が発生した場合でも「完全に平等」(45.5%)か他の兄弟が多く出す(24.2%)傾向が見られます。

【図表2】続柄別・介護費用の自己負担率(親資金100%を除く家庭のみ) - 長男・長女(長子):親資金100%の割合 64.0% / 費用負担発生時の自己負担率(全額+多め) 78.2% / うち「完全に平等」 14.9% / うち「他が多め・全額」 4.5% - 中間子:親資金100%の割合 32.8% / 費用負担発生時の自己負担率(全額+多め) 68.3% / うち「完全に平等」 22.0% / うち「他が多め・全額」 7.3% - 末っ子:親資金100%の割合 54.2% / 費用負担発生時の自己負担率(全額+多め) 21.2% / うち「完全に平等」 45.5% / うち「他が多め・全額」 27.2%

トピックス3:トラブルの"種類"も、続柄ごとに違う

兄弟間トラブルの経験率は中間子が77.0%で最多。一方で長子(56.6%)・末っ子(59.7%)も6割前後がトラブルを経験しており、続柄を問わず多くの介護当事者が兄弟間の摩擦を抱えています。

ただしトラブルの"中身"は続柄によって大きく異なります。

長子の最多は「『長男だから』『長男の嫁だから』という理由で介護を押しつけられる」で33.9%。生まれ順という変えられない属性で役割そのものが固定化される構造です。

末っ子の最多は「『末っ子だから』『独身・同居だから』と都合よく押しつけられる」(20.8%)。さらに「親の資産の管理や、将来の遺産相続に関する不信感・トラブルがある」が15.3%と、他続柄と比べて高く出ました。「自分は実務も費用も負担しているのに、将来の相続では不利になるかもしれない」という複合的な不安が末っ子特有のしんどさです。

最もトラブル比率が高い中間子では、「遠方や仕事など手伝えない正当な理由があるのに、兄弟から理解されず責められる」(19.7%)と「『末っ子だから・独身・同居だから』と都合よく押しつけられる」(19.7%)が並んで最多。上の兄弟・下の兄弟の双方から誤解やプレッシャーを受けやすい、板挟み構造が表れています。

【図表3】続柄別・トラブル経験率と上位トラブル - 長男・長女(長子):トラブル経験率 56.6% / 最多トラブル「長男だから・長女だから」という理由で介護を押しつけられる(33.9%) / 2位 特定の兄弟が逃げている(11.6%) - 中間子:トラブル経験率 77.0% / 最多トラブル 遠方や仕事など手伝えない正当な理由があるのに責められる(19.7%)、都合よく押しつけられる(19.7%) - 末っ子:トラブル経験率 59.7% / 最多トラブル 都合よく押しつけられる(20.8%) / 2位 親の資産管理や将来の遺産相続に関する不信感・トラブル(15.3%

トピックス4:1人で抱え込む長子、状況打破へ動く中間子

トラブルや偏りに対してどんな対策を取っ

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  • 出典:PR TIMES
  • 分類:調査
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