米東部時間7月7日、SpaceX(株式コード:SPCX)の株価が明確に下落した。しかし、ウォール街の複数の大手投資銀行が同時にリサーチレポートを開始し、ほぼ一様に買い推奨を出しており、近時の株価の変動が同社の長期的な成長可能性を損なうものではないと評価している。
米東部時間7月7日午後約2時32分時点で、SpaceXの株価は1株あたり約152ドルとなり、前日比で約5%の下落を記録した。これは同社が正式にナスダック100指数に組み入れられた初の取引日であった。株価は依然として135ドルのIPO価格を上回っているものの、上場直後の高値225.64ドルからは明らかに下落している。
正式にナスダック100指数に組み入れへ
正式名称「スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ・コーポレーション(Space Exploration Technologies Corp.)」の同社は、上場から約3週間の間、株価がIPO価格付近で推移してきた。アナリストらは、ナスダック100指数への正式採用が、インデックスファンドやETFによる買い需要を呼び込み、追加の下支え要因になると指摘している。
複数の主要投資銀行がリサーチレポートを開始する中、ほぼすべてが「Buy(買い)」「Overweight(オーバーウェイト)」「Outperform(市場上回り)」といったポジティブな格付けを付与している。
モルガン・チェース(JPMorgan Chase)は「Overweight」の格付けでカバレッジを開始し、目標株価を225ドルとした。同社は、SpaceXの野望が上場企業の中でも最も規模が大きいものの一つであると指摘。時価総額がすでに2兆ドルを超えていても、なお上昇余地があると評価している。
モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は「Overweight」格付けと300ドルの目標株価を提示し、主要投資銀行の中で最も高い水準となった。報告書では、SpaceXが打ち上げ事業での支配的地位、拡大を続ける低軌道衛星ネットワーク、そして急速に成長する人工知能インフラ事業を強調している。
アメリカン・バンク(Bank of America)は「Buy」格付けと235ドルの目標株価を提示。SpaceXは単なる打ち上げサービス会社から、新興宇宙経済の基盤的プレーヤーへと変貌しており、再利用可能なロケット技術が今後の多様な成長機会を切り開くと分析している。
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は「Buy」格付けと205ドルの目標株価でカバレッジを開始。再利用可能な打ち上げシステム、衛星通信、人工知能コンピューティングといった複数の巨大市場を捉える準備が整っていると評価している。
バーンスタイン(Bernstein)は「Outperform」格付けと239ドルの目標株価を提示。SpaceXへの投資の核心は「いつ達成するか」であり、「達成できるか」ではないと指摘。AI関連の収益成長が経営陣の予測より遅れる可能性はあるが、最終的にはこれらのマイルストーンを達成できると信じていると述べている。
RBCキャピタル・マーケッツ(RBC Capital Markets)も「Outperform」格付けと225ドルの目標株価を提示。SpaceXの宇宙計画には実行リスクが存在するものの、過去の技術的破壊、巨大なターゲット市場、強固な財務基盤を強調している。
マクレーリー(Macquarie)は「Outperform」格付けと250ドルの目標株価でカバレッジを開始。同社の垂直統合の強み、先駆者としての地位、エンジニアリング力、そして拡大するAI分野での提携関係に注目している。
UBSは「Buy」格付けと210ドルの目標株価を提示。SpaceXは複数の独自資産を持つ企業であり、多様な長期成長の原動力を持っていると評価。また、スターシップ(Starship)が打ち上げ、通信、AIインフラ分野で大きなビジネスチャンスを創出すると指摘している。
ドイチェ・バンク(Deutsche Bank)は「Buy」格付けと255ドルの目標株価でカバレッジを開始。SpaceXは輸送、接続、AIの各分野で強力な競争優位を築いており、真に挑戦できる競合はほとんど存在しないと分析している。
最後にカバレッジを開始したみずほ(Mizuho)は「Outperform」格付けと200ドルの目標株価を提示。投資家はSpaceXを単なるロケットメーカーではなく、インフラ企業として捉えるべきだと提言。AIや軌道上データセンターの機会はまだ完全には検証されていないものの、市場は同社の長期的なオプション価値を過小評価していると指摘している。
総じて、ウォール街の主要投資銀行は、SpaceXを従来の航空宇宙企業を超越する存在と見なし、宇宙輸送、衛星ブロードバンド、人工知能、次世代コンピューティングを横断する長期的インフラ投資対象と位置づけている。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:ニュース
- 関連組織:JPMorgan Chase / Morgan Stanley / Bank of America
- 製品・サービス:Falcon 9 / Starship