選挙前後や市政の争点が表面化すると、台湾の各県市首長のネット上の声量は大きく変動する。政策発表、工事不正、個人のイメージまで、わずかな出来事が瞬時に世論を巻き込む。ソーシャルメディアが急速に広がる現代では、県市長の一言や決定が全国的な話題になることもある。

『ネット温度計DailyView』が発表した「全台湾県市首長声量ランキング」(分析期間:2026年6月9日~7月8日)によると、台北市長の蔣萬安が115万3千件を超える圧倒的な声量で1位となり、他の首長を大きく引き離した。一体、どの首長が最も注目されているのか?ランキングを紹介する。

全台湾トップ10 県市首長声量ランキング

| 順位 | 首長名 | ネット声量 | |------|--------|------------| | 1位 | 蔣萬安 | 1,153,000件 | | 2位 | 饒慶鈴 | 166,491件 | | 3位 | 盧秀燕 | 163,264件 | | 4位 | 高虹安 | 106,821件 | | 5位 | 陳其邁 | 82,458件 | | 6位 | 黃偉哲 | 62,665件 | | 7位 | 張善政 | 39,328件 | | 8位 | 侯友宜 | 33,032件 | | 9位 | 許淑華 | 14,369件 | | 10位 | 謝國樑 | 13,641件 |

※注:この表は画像データを再構成したネット声量データに基づく。

TOP 3:盧秀燕

台中市長の盧秀燕は、163,264件の声量で3位となった。2位の饒慶鈴とは4,000件未満の差で、ネット上での競争は非常に激しい。

盧秀燕は2018年に初当選し、2022年に再選を果たした。地元台中のインフラ整備に長年取り組み、親しみやすく実務的なイメージを築いている。台中は台湾第2の都市であり、市政の話題はもともと注目されやすい。基礎建設、交通改善、都市マーケティングなどの分野で着実に声量を積み上げてきた。

注目すべきは、盧秀燕の市政満足度は高いが、大気汚染や一部の交通インフラの遅延といった問題で、市民や環境団体から批判を受けてきた点だ。特に空気汚染は台中の長年の課題であり、市当局が改善策を打ち出しても、ネット上では不満の声が見られる。

好評影響力PR値57は、ポジティブな評価としては中上位の水準だが、同ランキングの黃偉哲(PR値86)と比べると差があり、ネット上のネガティブまたは中立的な感情の割合が無視できないことを示している。

TOP 2:饒慶鈴

台東県長の饒慶鈴は166,491件の声量で2位にランクイン。県レベルの首長でありながら、複数の直轄市長を上回る声量を記録しており、注目度が高い。

饒慶鈴は2018年に初当選、2022年に再選を果たした。台東県では近年、知名度の高い首長として知られ、観光振興と先住民族文化の推進を印象づけている。台東は台湾東部の観光の玄関口であり、首長の政策動向は全国的に注目されやすい。

全体的に見ると、饒慶鈴の高声量は争議的な話題によって引き起こされている部分が大きく、今後の市政イメージや選挙戦略において、話題性を好意的な評価にどう転化するかが課題となる。

TOP 1:蔣萬安

台北市長の蔣萬安は、1,153,000件の声量で1位を獲得。この数字は2位の饒慶鈴の約7倍、3位の盧秀燕の約7倍にあたり、断然トップの位置を占めている。

蔣萬安は政治家一族の出身で、元大統領・蒋経国の孫にあたる。2022年に台北市長に当選し、柯文哲に代わって台湾の首都を率いている。台北市は政治・経済・メディアの中心地であり、市長の行動や発言は全国的に注目されやすく、地理的・政治的な立地が自然な声量の優位性をもたらしている。

今期の最も注目されたキーワードは「再選」。蔣萬安が2026年に再選を目指すかどうかという話題が、分析期間中にネット上で大きく議論され、ニュースや評論、予想がメディアやSNSで広がり、声量を押し上げた。選挙政治は台湾のネット世論の最大の発火点の一つであり、この話題の広がりが今期の1位の主な要因となった。

好評影響力では、蔣萬安の数値は2.96、PR値は満点の100に達しており、全首長中で唯一のトップ。膨大な声量の基盤の上に、ネット世論におけるポジティブな感情の割合と拡散効果が最も高いことを示しており、イメージ戦略に一定の成果がある。

支持者からは、比較的穏やかなイメージと着実な市政運営が評価されており、台北市が首都としての行政機能を維持していると評価されている。都市建設や文化イベントの推進にも前向きな評価が寄せられている。

しかし、批判的な声も少なくない。一部のネットユーザーは、蔣萬安の市政は保守的で、大胆な改革の決断力に欠けると指摘。都市更新の遅れや、大衆交通の最終区間の接続不足といった長年の課題に対して、積極的な対応が不足していると感じている。また、政治的課題に対する発言が曖昧で、政策スタンスが明確でないと批判する声もあり、「好感度は高いが明確性に欠ける」という世論の印象が形成されている。

出典:『ネット温度計』「全台湾県市首長声量ランキング」

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