強力な台風バービィが接近する中、中央気象署は本日(10日)午前5時、観測機を暴風圏周辺へ緊急出動させ、観測任務を実施しました。気象署によると、国立台湾大学および漢翔航空と協力し、台中・清泉崗空港からアストラ噴射機を出動。約5時間にわたる「台風飛行機投落送観測」を実施し、飛行高度を約1万3千メートルまで上昇させ、バービィの暴風域周辺およびその進路予想区域の観測を行いました。観測データは即時で世界中の気象センターと共有され、貴重な対流雲塔の映像も撮影されました。
「台風飛行機投落送観測」とは、台風の監視において重要な科学的手法の一つです。飛行機が台風の環流上空を飛行し、下方へ投落送装置を投下します。この装置は落下中に、上空から海面付近までの各層における温度、湿度、風向・風速などの気象データを継続的に収集し、台風の環流構造や周辺の大気環境を把握するために用いられます。
気象署は、海上における気象観測データが非常に限られているため、飛行機による投落送観測で得られる垂直断面データが、台風の解析や予報において極めて重要であると説明しています。収集されたデータは衛星を通じて即座に気象署へ送信され、リアルタイムで予報業務システムに導入されます。これにより、台風の現在の構造や発達傾向の分析、数値予報モデルへの入力が可能となり、台風の風雨予測の精度向上に貢献しています。
この「追風計画」と呼ばれる飛行観測プロジェクトは、2003年の開始以来、91回の飛行観測を完了しており、西北太平洋における台風の飛行観測研究の先駆けとして知られています。気象署は、投落送データが中央気象署だけでなく、世界各国の気象機関の予報モデルにも即時提供されており、台風の進路予測、暴風半径の分析、雨帯構造の解明に活用されていると述べています。また、この計画から得られた科学的知見や予報応用成果は、複数の国際学術誌や学会で発表され、国際的な気象研究機関から高い評価を受けています。
今回のバービィ台風の観測中、飛行機は台風の目を捉える貴重な映像も記録しました。これは、一般の人が衛星雲画像で見るものとは異なる、立体的で詳細な姿です。気象署は、今回の観測データを世界中の気象センターと即時共有することで、台湾の気象科学技術の国際的プレゼンスを高められると強調しています。
『風伝媒』への取材に対し、気象署は、今回の任務中に台風周辺の激しい対流活動を捉えた貴重な映像も取得したと発表しました。写真では、広がる雲海の上に、孤立した非常に高い対流雲塔がそびえ立つ様子が確認できます。これは台風環流内における劇的な対流活動の稀な姿であり、追風計画の歴史の中でも極めて珍しい記録としています。今回の撮影成功は、科学的に非常に価値が高いと評価されています。
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