中聯発癌油のスキャンダルが拡大する中、台北市長の蔣萬安は25日に凱道での抗議行動を呼びかけた。中聯油脂の所在地であり食品安全の所管機関である台中市長・盧秀燕をはじめとする国民党系首長たちも参加を表明している。作家の漂浪島嶼氏は、台中市こそが工場検査や公表責任をめぐる論争の中心にあるため、盧秀燕が自ら抗議を主導すれば『責任逃れ』と批判されかねないと指摘した。その一方で、「蔣萬安はサッカーのサイドアシストのように、盧秀燕の孤立を救った」と評価した。

漂浪島嶼氏は自身のフェイスブック投稿で、台北市長選挙において蔣萬安は一貫して「中央政府を攻撃し、民進党候補の沈伯洋には無視する」という戦略を取ってきたと分析。この戦略により、藍と緑の対立構図を強調し市政問題から目をそらすことに成功し、蔣萬安のメディア露出は増加。一方で沈伯洋は周縁的な存在に追い込まれ、ネット上では「君の話を聞いても、結局同じことだ」という皮肉まで生まれている。

同氏は、台北市は地理的にメディアの注目を集めやすく、蔣萬安は印象的なフレーズを巧みに使い、中央政府批判の主砲手としての地位を確立したと述べた。この戦略は政界とメディアの双方にとって都合が良いが、一方で蔣萬安個人の知名度ばかりが高まり、地方選挙全体の盛り上がりに結びつかず、2028年の大統領選出馬の声が高まるなど党内の軋轢を生んでいるとも指摘した。

現在発生している発癌油問題は、社会全体の不満を象徴する出来事であり、緑営(民進党)に対する総攻撃の好機となっている。蔣萬安が街頭に立ち上がったことには二つの意味があるという。第一に、地方ごとの個別攻撃よりも、中央政府を一斉に攻撃する方が選挙戦略として効果的だという点。地方選挙では候補者の人柄や能力が問われるが、実際には基本盤が固定されており、中間層、特に政党色の薄い有権者の取り込みが鍵となる。

全国的な議題では、法的責任以上に「態度」や「発言の印象」が重視される。一言の失言や謝罪の拒否が、中間層の政治的嫌悪感を呼び、一気に選挙情勢を逆転させることがある。2022年の「一死五命」と呼ばれる大敗がその例だ。

第二の意味として、発癌油問題の中心地は台北ではなく台中であると同氏は強調。盧秀燕市長が自ら抗議を主導すれば、「パフォーマンスで責任を回避しようとしている」との批判を免れない。そのような局面で、高い人気を持つ蔣萬安が抗議を呼びかけたことで、盧秀燕の立場を救い、国民党全体の団結を演出する「アシスト」を成功させた。これは政治的な人情を送る行為であり、将来の政治的資本としても蓄積される。

発癌油問題は民生に直結する食の安全であり、特に外食が多い若者や家庭の主婦層の関心を呼びやすい。人々が怒っているのは、問題の発生源の責任の所在が曖昧なことだけでなく、その後の対応や管理体制の混乱にある。この混乱は最終的に中央政府の責任と見なされやすい。

漂浪島嶼氏は、発癌油のスキャンダルが国民の日常的な食品購入に不安をもたらしており、既に全国民的な怒りとなっていると指摘。民進党は責任の所在を明確にしようとしているが、国民党と白党にとってはスキャンダルの拡大こそが支持率上昇のチャンスである。蔣萬安はその好機を見極め、サイドラインからアシストする形で抗議行動を発信。盧秀燕が直面する「病豚→発癌油」と続く危機を救い、全国の国民党候補の士気を高める「助選太陽」としての役割も果たしている。これは計算尽くされた二重の戦略的意義を持つ行動であると評価した。

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  • 出典:PR Times
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