編集メモ:ショッピングチャンネルでギネス世界記録を達成した販売の王者・張文政氏が、多くの人が見落としているビジネスの鉄則を明らかにした。それは「季節」こそが、唯一間違いない市場指標であるということだ。真夏に電気毛布を買おうとは思わず、真冬に扇風機を探さないのは当然のことだが、この当たり前の事実に大きな販売の盲点が隠れている。

多くの人はアイスコーヒーが高い理由を「氷のコスト」だと考えるが、真の答えはシンプルだ。「夏に売れるから」である。『彼が話すと、買いたくなる』という書籍は、売るテクニックではなく、「顧客が自ら財布を開きたくなる」ような絶対的な力をいかに活用するかを教えている。他の人が来年のトレンドを予測している間にも、賢いビジネスパーソンは毎年確実に訪れる季節の波に乗って、確実に収益を上げているのだ。

季節は顧客に財布を開かせる絶対的な力を持つ。猛暑の夏に冬の詩を読んでも、寒い冬に涼しげな海の写真を見ても、その場の気分にはならず、実際に体感していないと購買意欲は湧かない。多くの人が季節を感覚的なものと考えるが、実はそれは非常に合理的で、予測可能な現象でもある。

季節は毎年確実にやってくるため、需要も完全に予測可能だ。今年の夏には水着が必要だし、冬にはヒートテックが必要になる。スイカは夏、みかんは冬。扇風機も冷暖房も、使う時期にしか売れない。この季節性の商機を見逃してはならない。予測可能なのだから、チャンスを逃すのはもったいない。

アイスコーヒーが高い理由について、消費者の多くは「氷が多い」「カップが大きい」「濃縮コーヒーを多く使う」などと答える。しかし、実際の理由は「夏は高くても売れるから」だ。夏の消費者は「涼しさ」を求めているため、多少の価格差は気にしない。つまり、季節が消費行動そのものを変えるのだ。

エアコンの設置は技術的にも時間もかかるため、1日で2台が限界だ。だが、真夏のショッピングチャンネルでは1時間で1000台以上を売り上げることも珍しくない。需要が集中するため、7月末に注文しても8月末まで納品が遅れるケースもある。つまり、涼しくなってからようやく設置できるという皮肉な結果になる。

それでも、エアコンの販売は「夏」、しかも最も暑い時期に行われる。なぜなら、消費者が「熱い」と実感したときにこそ、購入意欲が高まるからだ。春や冬に販売しても売れない。たとえ納期が長くても、クレームが出ても、需要のピーク時に売るのが正解なのだ。楽天Hi-Martでは毎年6月に「今がエアコンを買う最も安い時期」という横断幕を掲げているが、これは需要喚起の戦略の一環である。

では、エアコンはいつが本当に安いのか?冬か?実は、家電製品は発売後、徐々に価格が下がるだけだ。食品のように季節後に在庫処分で大幅値引きされることはない。多少の割引はあるが、消費者が期待するほどではない。結局、「必要なときに買う」ことが最も賢い選択だ。

筆者がショッピングチャンネルでカメラを販売していた際、他のパーソナリティが性能を説明している中、自分はその時期の文化祭やイベントを紹介し、「今が撮影のチャンス」と訴えた。このように季節性を活かした戦略で、常に他局を上回る販売実績を上げた。

著者紹介|張文政(チャン・ムンジョン) 韓国のLG、アメリカのウォルマート、日本のJVCなど国内外の大手企業に販売戦略、販路構築、市場分析を提供。CJショッピングの番組でギネス世界記録を達成し、「最優秀ショッピング番組パーソナリティ」に選出。1時間の事業説明会で210億ウォンの売上を記録した販売の達人。現在はマーケティングコンサルティング会社「MJ消費者研究所」所長。韓国の大手新聞や企業内刊、アメリカの『ロサンゼルス韓国週報』などでコラムを執筆。著書に『売らない、買わせる』『一言で十分』『人間性に戻る』などがある。

本文は大是文化『彼が話すと、買いたくなる!:ギネス世界記録の販売の王者が教える、顧客が即座に財布を開く9つの販売テクニック』より許諾を得て転載。編集責任者/魏甫丞

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:調査
  • 関連組織:LG / Walmart / JVC
  • 製品・サービス:エアコン / アイスコーヒー