鴻海グループは本日(21日)、日本・東京で開催されている「2026世界デジタルサミット」(GDS2026)に参加し、電動車戦略長の関潤氏が演説を行った。関氏は、「自動車の究極の形は完全自動運転である」と述べ、2040年には特定条件下で運転手が不要なL4級以上の自動運転技術が、搭載車両の8割に達すると予測した。

『日本経済新聞』の報道によると、関氏は、油電ハイブリッド車(HV)と比較して、自動運転は電動車(EV)との親和性が高いと指摘した。HV車に自動運転を導入すると、電力消費の観点から不適切であるため、「自動運転と電動車の相性は、油電ハイブリッド車よりもはるかに良い」と述べた。

完全自動運転にはどのような利点があるのか。関氏は、自動運転により急発進などの運転挙動が減少し、部品の摩耗が抑えられ、車両寿命が延びると説明。さらに、「死亡事故は現在の10分の1から20分の1程度にまで減少する」とし、自動車保険料にも影響を及ぼすと予測した。

関氏はまた、新車需要の減少や若年層の運転免許取得意欲の低下に触れ、「現在生まれた子どもたちは、将来運転免許というものが何であるかを知らない可能性がある」と予言した。将来的な車両設計も自動運転に最適化され、各メーカーの差別化が縮小するため、自社で車両を製造する必要性が薄れる可能性もあると指摘した。

完全自動運転の普及における鍵は「信頼性」であると関氏は強調。現在、最も優れた自動車メーカーでも平均3万キロ走行ごとに1回の故障が発生しているが、今後この数値はさらに改善されると述べた。また、自動運転を担うAIの普及と技術の標準化により、車載センサーが大幅に簡素化され、コストも低下すると見通す。現在約2万ドルのシステムコストが、将来は2000~3000ドル程度まで下がると予測した。

関潤氏は日産自動車で33年間の経験を持ち、元日産副社長を務めた人物である。電子・情報通信機器の受託製造で知られる鴻海は、近年、電動車事業を積極的に拡大しており、日本企業との協力関係を深めている。現在、三菱自動車への乗用EV供給に加え、三菱ふそうカーゴと2026年下半期にバス事業会社を共同設立する予定である。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:イベント
  • 関連組織:三菱ふそうカーゴ / SpaceX